陽性者と家族の日記

落葉

 今年の夏は夏らしくない夏だったが、秋もまた秋らしくない秋で、清涼な空気を満喫することなくいつの間にか冬になってしまった。
 ベランダにおいている御室桜の鉢も緑色の葉のままここ数日の寒さではらはらと落葉を始めた。

 しかし今落ちている葉は、実は9月頃に一度全部葉が落ちてしまった後にどういう訳かまた芽吹いた分である。この桜は、日当たりが悪いのがいけないのか、天候不順がいけないのか、カイガラムシは付くわ、ハダニは付くわ、うどん粉病にもなるわの病虫害のオンパレードだった。やはり過保護に育てられた植物というのは、人の手を借りないと生きていくのも大変なようだ。秋になって鉢の中に蒔いたれんげの種が野性的にすくすく育っているのと随分対照的である。

 れんげの絨毯の上に落ちた桜の葉は拾い上げて捨てることにする。色が悪くなっているのでやはりかび等が付いていそうだ。
 次の春は桜の花がついてくれるだろうか。

蔵人

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