陽性者と家族の日記

とある、幸せの形

機会あって、友達に同行してホームで暮らす
友達のお母さんの元を訪れた。
いわゆる「認知症」が急に進んでしまい、
自宅での生活が困難になって
ホーム暮らしが、かれこれ半年程らしい。

寝たきり状態で、もう友達のことを”わが子”と
認識できないようだし、話しかけてもほとんど反応しない。
それでも、むくんだ足を丁寧にマッサージしながら
話しかけ続ける友達と、ぼんやり遠くを眺めるお母さんに
うまく表現できないけど、何か感じるものがあった。

しばらくして、いつも世話をしてくれている
職員の人が来て、話しかけたり、歌を歌って聞かせたら
お母さんは一緒になって笑ったり、歌ったりして、
(日常を共に過ごしているからなのだろうか?)
そんなところを見た友達は、喜び、目を潤ませ。
そんな姿を見て、こちらまで嬉しくなった。

その時、友達がお母さんに話しかけた。
「もっと早くここでお世話になればよかったね、
こんなに楽しそうだし・・・・」
ボクは胸が詰まって、何も言えなかった。

ガジ

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