陽性者と家族の日記

人間図書館

「ロンドンにある図書館でLiving Libraryというユニークなサービスが
開始された」という記事をオンライン雑誌で読み、興味をもちました。

ここで貸し出しを行うのは、書籍ではなく「人間」そのもの。
例えば…「警官」「イスラム教徒」「男性のベビーシッター」
「同性愛者」という言葉を聞くと、誰もがそうした人物の
イメージ(典型)を頭の中に浮かべるでしょう。
でも、そのイメージがステレオタイプに基づいていたとしたら
単純な誤解や偏見から物事が複雑に発展していって、紛争や
衝突の一因となるかも知れません。

自分が興味のある対象の人物を30分間借りて、知りたいテーマを
1対1で話してみる。それが、今までの既成概念を超えて、相互理解を
深めるきっかけになれば…というLiving Libraryのコンセプトは
とても面白いと思います。

講演会やセミナーで知見を深めるというのは誰もが経験のあること。
でも、現在の自分の日常にそれほど関わりは持たないけれど、
自分の周囲に確実に存在している見知らぬ人々とマンツーマンで
じっくり話をするチャンスなんて意外に少ないですよね。

インターネットが発達した現代、多くの人間が
「自分は森羅万象に長け、あらゆる情報を簡単に引き出せる力を
もっている」と誤解しがちになっている、そんな気がします。
だから情報の外見だけで判断せず、人間そのものと触れ合うことで
真実を確かめようという姿勢こそ重要なのだと思います。

どんなときも「対話」を絶やさぬことの大切さ….。
最近、つくづく実感させられています。

なぎさのペンギン

陽性者と家族の日記 へ