就職支援セミナー

「理念がお題目じゃない会社」ぽ(感染歴15年/HIVカミングアウトこれから/初参加/40代)

各企業の説明を聴いている時には、違和感があった。そして、うがった見方をしている自分にも気が付いた。「どうせ法定雇用率のためにHIV陽性者で手帳持ち障がい者を雇用したいのでしょうよ」と。会社は利益をあげて、次の利益のために資源を活用する。そのことに疑問はないが、会社の価値や社会的意義を高めるのは、人間が中心になっているかということだと思う。
会社説明の中で、理念をしっかりと伝えてくれる企業がいくつもあった。それはとても素敵な言葉で、誠実さや人間の尊厳を大事にしていることがよくわかった。わたしはうれしくなって、その理念をどのように実現させているのかをブレイクアウトルームで聞いてみた。すると、「休みやすい職場づくりをする」「不調の仲間には毎日連絡をする」「仲間意識がもてるようなきっかけづくりをする」という工夫があることがわかった。大企業にありがちな、理念が看板だけで、唱和するだけのものでないことがよくわかった。採用担当の方が、「まだすぐにはできないけれど」と会社の内部事情をお話してくださる姿勢にも誠実さを感じた。
わたしはHIVに感染してから、どうも「どうせ、わたしなんか」と考える癖がある。ひがんでいるのだ、健常な人を。でも今回、障がいを持った人、HIVポジティブの人をたくさんの企業が採用したいと感じられたことはとても大きい。
会の最後のほうで、何年も前から、HIVポジティブの人を採用しない企業に疑問を感じ、一歩ずつはたらきかけることで採用の枠がひろがっている歴史を聴いた。また薬害エイズ訴訟のサポートをしてきた採用担当者の話を聴いた。そのような人たちに支えられて、今の私があるのだと理解できた。理念をお題目にしないことを企業に求めるなら、私も変わらなければならない。ひがみや妬みでなく、自分を成長させる考え方で社会にどのように貢献できるのか…試行錯誤していきたい。明日からもがんばろうと思えるセミナーだった。ありがとうございました。

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