運営委員のつぶやき

矢島 嵩

自分がHIV陽性者なのに、或いは、だからこそ「予防啓発活動」に距離を置いていたというか、温度差を感じていた時期がけっこうありました。ところが最 近、心境の変化が少々あります。東京を中心に「Living Together計画」という陽性者参加型の活動が浸透していて、「HIVを持っていても持ってなくても、すでに私たちは同じ社会に生きている」という メッセージが手記などの形でたくさん発信されています。陽性者やその周辺から発信するリアリティのあるメッセージに、多くの人がHIVを自分事として捉え ようとしていて、過去に僕たちが感じていた疎外感も埋められていくのかもしれないと感じているんです。

先日、大阪で行われたPLUS+という啓発イベントに参加してきました。その中に「+-=○」というのがあり、会場のテントの中に展示されていた写真 や、陽性者たちのメッセージを大勢の人達が時間を掛けて真剣に見ていました。期を同じくして東西で同じようなことが進んでいているんですね。僕たちにとっ て生きやすい社会の実現って可能なことなんだって感じながら、ちょっと明るい気分になって帰ってきました。

矢島 嵩

運営委員のつぶやき へ