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「NPO法人ぷれいす東京 2018年度活動報告会」報告

2018年度活動報告会スタッフ&サポーター集合写真

5月25日(土)に活動報告会が開催されました。報告会が始まる前から、ほとんど満席になる盛況で、参加者はゲスト、スタッフを含めて、122人でした。

ご来場いただいたみなさま、参加していただいたみなさま、本当にありがとうございました。写真は恒例になっている、終了後に撮影した、ぷれいす東京スタッフ、サポーター、連携先の皆様による集合写真です。

報告会では、2018年度の活動について、電話相談、セクシュアル・ヘルス・プロジェクト、ゲイ・グループ、ネスト・プログラム、バディ活動、陽性者向けの相談、研究など、各部門のスタッフから報告がありました。

トークコーナーでは、「声をあげる陽性者たち」と題して、裁判で何かを変えようとしているGさん、佐藤郁夫さん、ヒデさんの三人のHIV陽性者にご登壇いただきました。裁判を通して、何か変えられることがあること、周囲の支援が重要であることを実感しました。この企画について、生島がぷれいすコラムに寄稿しているので、お読みください。後日、Gさんの話が現代ビジネスに掲載されました。また、山下弁護士に、当日話していただいた内容について、「ぷれいす東京NEWS2019年8月号」ぷれいすコラムのために書き下ろしていただいたので、ぜひご覧ください。(報告 生島)

参加者感想文

「病気を繋ぐ輪」たか(40代/女性)

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昨年末よりホットラインのボランティアを開始し、今回の活動報告会に興味を持ち参加しました。初めて出席したのでどのような感じか全く分からずの参加でしたが、会場から溢れるばかりの沢山の参加者を見てぷれいす東京を支えてくださる方達の存在がとても嬉しく、心が温かくなりました。

声をあげる陽性者たちの企画では自分が知っているぷれいす東京の活動以外にも法律、人権、人道支援など色々な方面で活動を知る事が出来て良かったです。

その後の懇親会も初対面の方が沢山いましたが、愛に溢れる雰囲気でリラックスして楽しむ事ができました。今後もぷれいす東京、HIVに関わり、少しでもお役に立てればと思っています。ありがとうございました。

「展望できる未来への一歩を後押し」ミスターゲイジャパン SHOGO(30代/男性/ゲイ)

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HIV啓発運動に関連する活動に「ぷれいす東京」の名前を目にする機会が多く、こちらの団体がどういった内容の活動をしているのか自分の中ではっきりと理解したく、今回の活動報告会に参加しました。

会場は超満員で「ぷれいす東京」の活動の影響が様々な人に届いていているのだと改めて実感しました。

活動報告は多岐にわたる活動のデータを使い、わかりやすい説明を、時おりユーモアを混ぜながら行い、終始暖かい空気が流れていました。この心地よい空気感も「ぷれいす東京」が人を惹きつける要因の一つなのかなと思います。

自分の中で特に印象に残ったことが二つあります。一つ目は「声をあげる陽性者たち」というトークコーナー。3名のゲストの方から語られる当事者達の声はストレートに心に響き、問題の可視化だけではなく、さらにその先に進むには私達はどうしたらいいのかを提案して頂けました。二つ目は裁判になってしまったケースのサポート方法。傍聴席に座ることが難しくてもSNS等を利用してニュースの拡散、話題にすることも裁判長へのアピールになるということを学びました。

前向きな気持ちにさせてくれる大変学びの多い時間で、ますます「ぷれいす東京」を応援したいと思いが強くなる活動報告会でした。

「LGBTブーム?の看護界からナースのタマゴ4名+教員で参加しました」 徐淑子(そう すっちゃ)(新潟県立看護大学)

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LGBTをめぐる社会の動きは看護界にも確実に届いており、看護職養成の標準カリキュラムや国家試験出題基準にも、性的マイノリティについての項目が設けられております。HIVについても同様です。しかし、そういった中央での取り決めや変化が、末端の教育機関、個々の教員の意識や知識レベル、日々の教育的取り組みに到達し、さらにその先、医療職による臨床行為に反映されるまでには、相当の時間がかかります。そんな中、2019年度は、4人の学生(女子3、男子1)が、4年間の勉強の仕上げに、性的マイノリティの健康問題等に取り組みたいと、ワタシ(徐)の卒論ゼミに入ってきました。ぷれいす東京活動報告会への参加は、学外フィールドワークとして、以下の学習活動を行うため、企画しました。

1)HIV陽性者や性的マイノリティの人たちの、保健医療ニーズや相談ニーズを知る
2)性的マイノリティであるか否かに関係なく、その場にいあわせた人と、ひとつの場面に参加する
3)属性や外見などに関係なく、誰もが安全に参加できる場面はどんな特徴を備えているか考える

学生にとっては新潟からの旅費も大きな負担となりますが、おかげさまで、とてもよい経験の場となったようです。わたしたちとお話しくださった方々、どうもありがとうございました。以下は、4人の学生の短い感想です。

「初めてLGBTが集まる場に参加してみて、当事者や関係者が積極的に活動していることを目の当たりにし、圧倒された。また自分や他者を認め好きになり自信をもって生きる姿は誰でもかっこいいものであると感じた。(田中)」

「治らないから恐ろしい、というイメージが強かったけれど、当事者の方たちのお話を聞いたり姿を見たりして、上手に付き合っていくことができる病気であると、HIV/エイズに対して前向きな印象を持てるようになった。(内山)」

「エイズやLGBT、薬物という非常に難しいテーマの厳粛な会であり、初めて行く学生は受け入れてもらえるのかと思っていた。しかし、活動報告や当事者からの声を聞く場面では、笑いも交えながらの終始和やかな雰囲気であった。(齋藤)」

「今回このような会に初めて参加させていただきました。ぷれいす東京での活動の具体的な部分がよく理解できるとともに、インタビューで当事者の体験談を聞くことができ、非常に参考になりました。(八百板)」

「ぷれいす東京2018活動報告会に参加して!」 ケン

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私は3年前、お腹の手術をしたときに術前の検査でHIVが分かりました。1日1回の服用をしています。 ぷれいす東京さんへは3年程前からプログラムに参加して皆さんと交流を深めています。

以前から気になっていた活動報告会に興味があり、今回初めて参加させて頂きました。 初めて行く会場の雰囲気や人の多さプログラムの内容を見て正直緊張の連続です。

各部門活動報告が5つ位程あり、HIVに対していろいろな方面からこの病気に対してアプローチされていることが分かりました。 また、活動されている方がボランティアでご自身の経験から話されたことでその内容を身近に感じました。

部門活動報告の後には現在裁判になっている件を聞くことが出来ました。私がとても興味に思ったのが同性婚で、世界の国では既に認められているところもあり、日本でも地方自治体の同性パートナーシップがあるなど今後の動きに関心があり、是非裁判の傍聴に行きたいと思っています。また、法律の専門家でもあるイケメンの弁護士さんからのお話も分かりやすく聞き入ってしまいました。

この活動報告会に出て感じたことは、自分の病気を知った当時にぷれいす東京さんに支えて頂いた事を思い出し、出来れば今後は参加の範囲をもっと広げていけたらなと思いました。

「活動内容を知って・・・」小野雅之(40代)

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この度ご縁を頂いて、はじめて「2018年度ぷれいす東京活動報告会」に出席(参加)いたしました。たくさんの人の出席を通して、活動内容などに、感心の高さ、興味深さ、何か協力したい思いにと、ぷれいす東京さんに多少なりとも関わりを持ち、または関連のある方々に触れた気がしました。

活動内容が多岐に渡るため、時間の足りないこともあり、駆け足な部分もありましたが、わかりやすいトークに説明に感謝しております。可能ならば、ことばの意味が理解できるようなプリントがあったら、嬉しかったです。全てのことばの意味を理解している前提の雰囲気が少し苦痛でした。単に私の勉強不足ですが・・・。

会の後半では、裁判事例で考えさせられたり、楽しく過ごせて、進行にも飽きないようにと、工夫があったのかと思いました。とても為になる良い会でした。今後も応援していきたいです。

「これからも、マイペースで!」タカヒロ(ゲイ/40代/男性/HIV+)

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去年は繰り合わせ不可能な予定が重なってしまい参加できなかった活動報告会。実は今年も予定が重なっていたのですが、何とか繰り合わせて参加することができました。

単に参加するだけではもったいない(?)感じもしていたので、会場への資材搬入や会場内の設営はむしろ喜んでやらせていただきました。これも、ボランティアスタッフをやらせてもらった成果なのかどうかはまだ何とも言えませんけどね!

報告会本番ではタイムキーパーをやっていたので最前列にいましたが、時間を気にしているので聴けた話は半分以下。その分、後日、改めて年間活動報告書を目を通しましたので、報告者の皆様、どうぞご容赦下さい。

スローペースではありますが、今後も「これならできるかも!」と思えることを少しずつ取り組んでいけたらいいなと改めて思いました。

「声をあげさせる声」 フェミ姉

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報告会の司会アシスタントをした。男ばっかしの今年のゲストたちのジェンダーバランスをとるのが仕事。つまりは、あまり話さない「お飾り」のつもりだったけど、ずっと勇気を持って裁判を起こした人たちの声を聴いていたらしゃべらずにはいられなくなった。そうなのだ、声をあげる人には、「誰かの声をあげさせる力」がある。それは、「me too、私もだ」という声もあるけど、「そうかもしれないけど、こういうふうに思う人もいる」とか、「でも、こんなことも起きたらどうするんだ」というのもある。つまりは、その声がたくさんの人たちが思ったり、感じていることを話し出す場をつくりだす。私は、「若い学生たちが本日のゲストのようには声をあげないことに対して感じてきたもどかしさ」を言葉にした。私も社会に対して声をあげるけど、そういう「大人」の声が翻って若者たちのやる気をそいでしまう危惧もあるからだ。もちろん、そのことへの答えはない。それでも、声をあげる人たちがいるという事実は、どうやって声をあげるのか、そして、誰の声をどうやって聴くのかを今一度、考える力となったことはまちがいない。

「ぷれいす東京の歴史」すなひで(50代/ゲイ男性)

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過去最高の参加者があったという熱気に満ちた活動報告会。それぞれの部門の活動報告に脈々と続く活動の安定感を感じ、トークでは、社会を変えていこうとする挑戦に希望を感じた。トークに登壇された難しい裁判を闘っている/闘っていた人たちにはもちろん、活動を維持して来られた人たちにも敬服するばかり。

活動の年月を振り返るとき、静的なものに見えるが、実は、不断の日々のかなり動的な動きの蓄積だ。その「動」は、多くの人のたくさんの時間と思いと知恵とで成り立っている。どんな活動も、必ず難しさや問題を抱えるものだけれど、そうしたものを乗り越えて四半世紀以上続いてきたことの厚みを感じた。

最後に挨拶に立った兵藤智佳さんが、「歴史」という言葉を使っていたが(自分の若い頃の話が「歴史」として学生に受け止められるという冗談であったが・・・笑)、ぷれいす東京も、そろそろこれまでの「歴史」をいったんまとめてもいい頃ではないかと思った。単なる年表や活動歴のまとめではなく、人々がいかに経験したかという物語として。それは、今後のぷれいす東京への、そして、他のNPO/CBOの人たちなど様々な人たちへの素晴らしい贈り物となることだろう。

※2018年度年間活動報告書はこちらからPDF版をダウンロードしてご覧いただけます。また、活動実績の概要をA4サイズ1ページにまとめたのでこちらをご覧ください。

2018年度活動報告会概要

■日 時 2019年5月25日(土)14:20~16:30

■会 場 ワイム貸会議室高田馬場3階 Room C

■プログラム

  • 部門報告
    ホットライン / Sexual Health Project / Gay Friends for AIDS / バディ / ネスト / HIV陽性者への相談サービス / 研究・研修
  • トークコーナー 「声を上げる陽性者たち」
    【ゲスト】
    Gさん(外国人同性パートナー在留特別資格訴訟 原告)
    佐藤郁夫さん(結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)原告)
    ヒデさん(RUSH裁判 被告)

    【コメンテーター】
    山下敏雅弁護士(永野・山下法律事務所)

    【司 会】
    兵藤智佳(早稲田大学准教授)
    生島嗣(ぷれいす東京代表)

■参加者 122名

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