スタッフ日記

Greetings from Busan, Part 2

アジア・太平洋地域エイズ国際会議(ICAAP)の会場で行われていた平和的なデモンストレーションの最中に警察が活動家たちを拘束した事件に関しては、その後組織委員会らが懸命に対応にあたるも、方々に影を落としています。活動家たちの間では、警察の嫌がらせを受けるのは日常茶飯事だから気にせず続けていくという意思を表明する人もいれば、あまりデモ活動が目立ちすぎると、人目につくことを好まない当事者が支援を必要としていたとしてもアクセスできなってしまうのではないか、という懸念を示す人もいました。

FTAに対する一連のプロテストの模様は、ICAAP公式サイトでも動画が公開されていますので、そちらをご覧ください。

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Posters28日(金)にもHIV陽性者参加支援スカラシップ委員会のポスター発表の続編「The Effects of Participating in the HIV/AIDS Conference by Scholarship on the QOL and Social Participation of PLHIV(HIV陽性者のための学術集会参加支援プログラムへのニーズと効果)」を行いました。前日の発表時に比べるとポスター展示会場への人通りもやや多く、よりたくさんの参加者とお話しをすることができました。3月の大震災は海外でも大きく報道されていたので、震災の影響を受けて、スカラシップ運営の資金繰りに問題が生じてはいないかと心配してくれる人も。

ICAAPにももちろん参加者の旅費・宿泊費などを助成するスカラシップ制度があります。コミュニティ、サイエンス、メディア、ユース向けの4種類のスカラシップがありますが、HIV陽性者のみに向けて設けられた枠はありません。事務局を運営しているのも、民間の会議運営サービス会社です。会議場内にあるオフィスを訪ねて担当者にお話しを聞きましたが、会議全体のロジスティックスの遅れによる混乱に加え、各国のスカラシップ応募者がそれこそ多様なリクエストをしてくるとのことで窓口は大変そうでした。

なお、ポスター展示会場に限らず、今回のICAAPは参加者が少ないという印象が感じられるのは、韓国政府の厳しい入国管理政策と無関係ではないかもしれません。今回の会議にあたっては薬物使用者やセックス・ワーカー、トランスジェンダーの人々の中にビザの発給を拒まれるなどして韓国へ入国できなかった人がいたらしく、当事者らからコミュニティ・フォーラムなどでこのことがさかんに問題として取り上げられていました。

Gender!オーガナイザーが来られなくなったため、丸ごと中止になってしまったセッションも。

おーつき

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