スタッフ日記

Greetings from Busan, Part 3

Title29日(月)には、「Ideas That Work – Innovation and HIV(効果的なアイディア-イノベーションとHIV)」という、なんだか眩しいタイトルがついたセッションで口頭発表を行いました。「Creating a Better Work Environment for Everyone – An Approach of "We're Already Living Together with HIV/AIDS"(すべての人にとってより働きやすい環境づくり-「Living Together」の取り組み)」と題した、ぷれいす東京がHIV陽性者の就労支援の一環として、東京障害者職業センターと協働して行っている企業向け研修事業についてまとめた発表です。出血時の標準予防策やプライバシーが守られる環境があれば、HIV陽性者とともに働く上で特別な配慮は必要ないことなど、研修内で効果が見られたいくつかのアプローチを紹介し、陽性者にとって働きやすい職場は誰にとっても働きやすい職場へつながる、ということなどをプレゼンしました。

残念ながら、今回はHIV陽性者の就労支援といったテーマの発表は、他にはありませんでした。

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韓国は人口が4,900万人ほどで、昨年の時点で累計7,268人のHIV陽性者が暮らしています。国民は無料で抗HIV療法を受けられますが、外国籍の人はHIV陽性であることが判明すると国外退去となるそうです。また、ソウル以外の地域では、陽性者が他の病気やケガなどで他科診療を必要とする場合に受け入れる医療機関がほとんどないことが問題として指摘されています。

ICAAP組織委員会によるフィールド・トリップに参加して、現地の保健所と医療機関、民間支援団体とMSM向け検査・相談施設を訪問しました。このフィールド・トリップがユニークなのは、ガイドをするスタッフとともに現地のHIV陽性者のボランティアが同行するという点で、参加者は釜山とその近郊都市で世界陸上開催中のテグをめぐるバス移動中に、彼らの陽性告知からHIV/AIDSの活動を始めるまでのパーソナル・ストーリーに耳を傾けました。

HCTesting

全国の保健所でHIVや他の性感染症の検査が無料・匿名で受けられます(カウンセリングはなし)。一方で、HIV陽性の場合には、法律により陽性者の氏名などの情報を政府に届け出るよう定められています。

 

DIRMS

昨年釜山に設立された放射線医学の専門病院にはHIV/AIDSの専門医がいて、HIV陽性者のがんを始めとする合併症などの診療にあたっているそうです。

 

KoreanAlliances

Korean Alliances to Defeat AIDSは1993年に設立された、韓国国内に11もの支部を持つNGOです。HIV陽性者の支援や予防啓発事業などを行っていますが、2008年に李政権になって以来、助成金が減額されるなどして、資金集めが大きな課題となっているとのこと。テグ支部は、雑居ビルの一角に小さなオフィスを構えていました。

 

EntranceiSHAP

MSM向けのHIV検査・相談センターであるiSHAPは、ゲイ向け商業施設が多く集まる地域でのアウトリーチ活動も行い、またコミュニティ・センターとしての機能も有しています。医師1名を除くスタッフは全員MSM当事者で構成されているそうです(医師を雇っているのは、法律によりHIV検査結果の告知は必ず医師が行わなければならないとされているため)。

 

Seomyeon

釜山一の繁華街である西面には、レズビアンやゲイ向けの商業施設もあります。

おーつき

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