陽性者と家族の日記

カミングアウト

 昨日まで神戸でアジア太平洋地域エイズ国際会議に参加してきた。
HIV陽性者として、こういう会議に参加するのは初めてだったので、
すごく緊張して行ったのだけど、いろんな国々の人たちと出会えて、
有意義なワークショップに参加できて、自分の想いやスタンスが
とてもクリアになった。

 で、今日は家に戻ったのだけど、娘の参観日だったので、会社を休み、
午前中、学校に行ってから、お母さん友達2人と一緒にごはんを食べた。
2人は趣味を通じて仲良くしている友人でもあり、
いろんな話をしてきているので、初めは昨日までのいろんな体験を、
「自分は仕事で行ってた」という感じで話していたのだけど、だんだん、
「こんなんじゃ、言いたいことの半分も伝わらない!」と思って、
「実は私自身もHIV感染者なんだよ」と伝えることになった。

 2人とも最初はなにが何だかわからなかったみたいで、
ただただびっくりしていたのだけど、とくに過剰に反応することもなく、
私の話を聞いてくれ、ちょっとずつ気を遣いながら、
いろんなことを私にもきいて、デザートのアイスが溶けるのにも
気がつかないくらい、たくさん話をした。

 これまで学生時代の友人達にも自分のHIV感染を伝えたりしてきたけど、
いくら仲良くなっても地元の友達には絶対に言わなかった。
生活している地域には絶対に知られたくないということもあったのだけど、
今考えてみると「いわゆる普通の主婦の人たちにはわかってもらえないかも」
と自分で勝手に思い込んでいたのかもしれないな。
実際は全然そんなことないにもかかわらず。
そんなふうに思っていた自分がすごくはずかしいなと思った。

 会議のおかげで、世界中のPLWHAと会い、友達になれたけど、
かけがえのない友人を日本で、地元でも得ることができた。
私って幸せだなあ。

つばさ

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