たかし/40代 ゲイ 都内在住
もともと将来の展望がちゃんとあったわけではなかったので、感染を知ったことをきっかけにいろいろと考えるようになりました。
親や自分の老後についてとか、仕事のことなどです。
私自身もうすぐ50代になりますし、親は70代。HIVがあってもなくても惑う年代なのかもしれません。いつまでも若くはないということを、頭では分かっていたつもりですが、実際にHIVという慢性疾患と付き合うようになって、はじめて現実的に、それも前倒しで考えるようになったのでしょう。
それから、感染を知ってから初めて自分のセクシュアリティに向き合ったことも大きいです。親の期待していた「孫に囲まれた平凡な老後」は、私の期待する将来ではないことをはっきりと知りました。HIVのこととゲイであることも伝えたのですが、それは私にとっても、親にとっても大きな出来事でした。
考えるのをずーっと避けてきたことを、HIV感染告知をきっかけに、この年になってから初めて直視したというわけです。それなりに大変だったのですが、いまは、うやむやになっていた将来設計がスッキリと見えてきて良かったと思っています。