生島 嗣/ぷれいす東京 専任相談員
まずは、あなたの医者との付き合い方を振り返ってみましょう。疑問や不安がある 時に、それを医療従事者に伝えられていますか? もし十分でないのなら、病院や医師を変えても同じ様な問題が起こるかもしれません。
医師にメモを渡す、看護師を通じて伝言するなど、工夫をすることで医師の対応も変化する可能性があります。
同じ病院内で「ドクターをかえる」場合ですが、仕事などの都合で通院の曜日が変更になると、担当医が変更になることもあります。また、「病院を変える」場合に は、お住まいの地域に他のHIVの診療経験のある病院があれば、転院するという方法 もあります。ただその際には、カルテ情報は貴重なあなたの情報ですので、できるだ け紹介状をかいてもらいましょう。
「病院を変える」場合には、事前に、どの医療機関にどのような医師がいるのか という情報を集めましょう。厚生労働省の研究班や自治体によっては、詳細なリストを作 製している場合があります。また、他のHIV陽性者からの情報も有効です。医師と患 者の相性は人それぞれなので、参考情報としましょう。移転を検討している病院のス タッフや、NGOに聞くのも一つの方法です。
転院はしたくないけれども、他の医師に意見を聞きたいという場合には、セカンドオピニオンをお願いしましょう。セカンドオピニオンというのは、直訳すれば、「2番 目の意見」、主治医以外の医師による、自分の受けている治療に対して、第3者的な 意見をきくことです。ただし、セカンドオピニオンを実施している医師は限定されます ので、直接医療機関に問い合わせをするか、HIV陽性者やNGO等のネットワークなどを 通して情報収集をしましょう。
ウマがあわないといっても、医師との間のコミュニケーションの質、あるいは医師と の相性の問題なのか、受けている医療の内容が不安なのかをよく考えて行動してみた らいかがでしょうか。行動を起こしてみると確実に情報が増えると思います。よりよい選択をするためには、そうした勇気が必要な時もあります。