就職支援セミナー

「『支援』という生き方」ころまる(初参加/50代)

4つの参加組織体の中で、「企業」と「団体」の違いが、如実に表れたセミナーだった。
4つのうち3つは、誰でもその名を知っていると言っても過言ではない、いわゆる飛ぶ鳥を落とす勢いのIT系企業。そのせいか、それぞれ違う会社なのに、説明者の話がみんな同じように聞こえ、あまり新鮮味がなかった。
要はたとえ陽性者であっても、どこまでもプラス思考な、いわば「エリート陽性者」を対象にしている印象だった。いちおう福祉や多様性の観点から、企業として最大限の理解と公平さをもって誠意ある対応をしてはいるが、一皮むけばどうも単なるポーズというか、悪く言えば「やってる感」を醸し出しているに過ぎない感じ…。
まずもって、説明者自身がすごくプレゼン慣れしていて、なんだかAIの話を聴いているようだった。ゆえに内容が心に染みてこない、響いてこない。実際、IT系企業なのだから、それはそれで理にかなっているのかもしれないが…。
加えて驚かされたのは、彼ら説明者も陽性者であった点。やはり同じ当事者でもその生きざまや価値観は人それぞれで、自分とはかなり違うと改めて納得させられた。
それに比べて「団体」の方は、存在そのものが自分の感性にシンクロするところがあり、話を聴いていても思わずうなずき、我が身に引き寄せて考えることができた。また自分の今までの経験や技能が、少なからず生かせる環境のような気もした。なんというか、アプローチが「当事者目線」ではなく「当事者そのもの」だったのだ。
あの温度差は、果たしてどこから来たのだろう…? それはやはり「支援という仕事」と「支援という生き方」の違いからではなかろうか…。
もはや晩節とも言える人生の岐路に立つ今の自分に、どちらがフィットしたかは言うまでもない。

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