参加するまでに1年かかった。それまでは病気についての勉強や、家族・友人・職場への告知、治療への準備、身体障碍者・更生医療の手続きなど、わりと忙しくしていた。
そして悩んでいた。
『俺は看護師としてやっていっていいのか』
親から仕事についての疑問をぶつけられるものの、うまく答えられず、職場へは陽性ということを伝え勤務変更や部署移動も検討するというが、返事もなく仕事内容も以前と同じ状態。自分の中でこれからどうしていけばいいのか悩み、もがいていた。
そこで、俺と同じ境遇にいるであろう看護師はどのように生きているのかが気になってPCで検索すると、このサイトに辿り着いた。プログラム参加の際は、自分の疑問をぶつけることが多くなってしまったが、みんな優しく俺の疑問に応えてくれた。話を聞いていくと、みんな病気を抱えながらも一生懸命仕事をしながら前に進んでいることが分かった。 自分は病気を言い訳にしていたような気がしてとても反省した。
これからは周りがどうしてくれるのかではなく、自分が何をしたいのかをしっかりと考えながら働いていこうと思ったし、HIV陽性だからといって、看護師でいることが間違いだなんて誰も言ってない!!障害を作っていたのはむしろ自分の方だった。だからこれからも看護師を続けていく。看護師として、それだけでなく人間としてしっかりと前を向いて生きていこうと思った。