僕はHIVであることを殆どカミングアウトしておらず、スピーカーとしてのお誘いを頂いたとき、それが公になってしまうことに不安がありました。しかし考えてみると、僕はHIV感染を機にもう一度人生をやり直そうと看護師になる決意をしました。紆余曲折ありましたが、今はその選択をして本当に良かったと思っています。なにより自分で自分を誇らしく思える生き方をしています。そんな僕のこれまでの歩みを伝えることで、立ち止まっている誰かの一歩に繋がるのであればと思い、引き受けさせて頂きました。
会場はまるで記者会見場のような雰囲気で、じゃんけんに負け最初にスピーチすることになった僕はあまりの緊張で頭が真っ白になり、声を震わせながら無我夢中に話していたことを覚えています。たくさんの質問も頂き、うまく回答出来たか不安ですが、僕なりに一生懸命お伝えさせて頂きました。他のスピーカーのお話も非常に参考になりました。皆さん病気を負と捉えず前向きにキャリアチェンジされておられ、HIVだからと人生を諦める理由には決してならないと改めて思えました。これからもしっかりと目標を持ち、看護師として誰からも認められる生き方を目指していきます。