専門家と話そう

「”少し楽になることも出来るらしいですよ“と、言えます」 PN:桜 

更生保護施設で薬物に関わる支援も担当する職員です。今回、オブザーバーとして参加させて頂き、「不安なこと、分からないこと、困っていることも相談できる精神科医もいるみたい。」と、陽性者の方々に自信を持って伝えられることが分かり安心しました。良い時間をありがとうございました。
私は以前、カムアウトについて相談されたことがあります。うつ病を持ちつつ薬物依存で、複数回の懲役経験があり、陽性の状況を全てオープンにして就職活動をしたいとのことです。
拙い支援者は、全てをカムアウトしての就活はより厳しいと説明しました。彼に、どうしてオープンにしたいのかと伺うと、「もう、面倒くさいのはさんざん~後から分かってしまい色々と言われるのは嫌だ。素の自分を認めてくれる所でゆっくり再起したい~」と、話していました。その方は現在もメンタルクリニックでうつ病の治療は続けている様で、本人から本音を話しきれないとまでの連絡は頂きますが、それは私が、本人の現在の支援者たちと本人の繋がりに介入しない立場であると信じていることでもあります。どんよりとした中で一人で頑張ろうとしています。
先日、自身の偏りや拘りに戸惑い、コミュニケーションにとても苦労しているLGBTで未検査の方が、ぷれいす東京で受検から支援を受けました。彼は、「人に相談というか、話すことでこんなに楽になるとは知りませんでした」と、息を切らせて帰ってきました。これからの繋がりはまだ分かりませんが、彼は相談の成功体験を初めて手にしました。
1~3か月程度の通過施設で支援にあたる者としては、その方がどこかに繋がることを支援の目標にしているのですが、たった一度でも相談の成功体験を得られることは、その時そこに繋がれなくても人生を左右するくらい大きいと感じています。人のことも自分のことも信じることが出来ないことは、きっと苦しいはずですから。

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