ピア+トーク

「『フツーの希望』がもてる」だいすけあ(感染16年/40代/ゲイ)

わたしは、24歳の時にHIVであることがわかったとき、「これでこどもを持つ選択肢はなくなったな」と思った。こんな「フツーの希望」も持てないのかと愕然としたことを思い出す。今日、伺ったお話しの中にも同じような気持ちをもったとの内容もあり、たいへん共感した。
しかし、彼女たちは専門家に相談し、適切な医療とつながり、手順をおって(相談しながら)、HIV陽性者の出産と子育てを実践していた。わたしはたいへんな希望を感じた。病気になってもあきらめなくていい希望があるということ、同じように苦労はしながら夢をかなえられる仲間がいるということがよくわかったからだ。
私はゲイで、法的には結婚もできない。大事な人と子育てをしたいがそれにはたくさんの壁がありそうだ。それでも、人としての「フツーの希望」を持ってはいけない道理はない。HIV陽性者が真に人としての尊厳を認められ、人としての人生を歩んでいくために、これからもたくさんの人の協力と社会の肯定的な見守りが必要だと思う。そのために今日のピア+トークはたいへん意義深い。
ぜひ、これを広くみなさんにも知ってほしいと願う。今日のトークで、子育てをする中で子へのカミングアウト、親友たちへのカミングアウトも話題となった。HIVがただの感染症であることを社会が認識し、HIVを持つ家族が暮らしやすくなるよう工夫をしていけたらと思う。ああ、わたしも結婚して、子育てがしたい。

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