kyon/40代 女性
私の場合はエイズを発症して危篤状態で告知を受け、しかもそこが拠点病院ではなかったので、告知はされたけど「この病院では治療できない」とだけ言われて、拠点病院に移されるまでの間病気の説明もされないという地獄のような状態が続きました。私はHIVやエイズについて無知だったこともあり、そして、当時は体の痛みも耐えがたいものだったので、きっと苦しみもだえながら、家族や友人に捨てられて生きる場所もなくなって悲惨な死に方をするのかなと考えました。ほとんど気が狂いそうなあの状態から生還し、無事家に帰り、仕事ももらえて多くの人に囲まれて人並みに暮らせています。
今は、あの時の恐怖と孤独を越えられたのだから、たいていの困難は越えられるんじゃないかと思うのです。人は孤独にされるのが一番つらいと思うけど、「ぷれいす東京」のように私たちを支えてくれるNPOもありますし、こうやってネストにつながってくる陽性者の人たちがいて、人とつながって生きていけるから、たまに落ち込むことはあっても自分につながる人たちと関わって行けば、人生は前を向いて歩いて行けると思いますよ。