しん/HIV陽性、30代、東京在住
結論から言いますとバレる可能性があります。
大手の会社の健康保険組合に入っていますが「服薬情報に関する情報提供のお知らせ(重要)」という書類が届きました。「この通知は医療機関からのレセプトデータを元に作成されたものです」と記載されており、処方された薬の名前や、いつ何日分処方されたかも全て記載されていました。
薬の名前から病気の内容を知る事は容易なので、保険組合は誰がどんな病気かも把握可能という事です。
まきはら/ぷれいす東京 専任相談員
健康保険を使って、会社に病名がばれないか、みなさん心配になるようで、相談でもよく聞かれる内容です。
結論からいえば、健康保険組合は、レセプトを見ることができますが、会社にその情報が健康保険組合から伝わることはありません。
基本的に、会社と健康保険組合は別組織になっていることがほとんどであり、保険組合から第三者である会社等に保険者の個人情報を提供することは、個人情報保護法から、本人の同意がなければできなくなっています。
保険組合からは年に1回程度、被保険者に対して、医療費の明細通知とよばれるものを配布していますが、これは医療費がどれだけかかっているか、被保険者に対して知らせ、病院からの過誤請求の防止、医療費の削減を呼びかけることを目的としています。明細通知に書かれた情報は保険組合だけが把握しており、その情報を会社に伝えることはありません。会社で手渡しでもらったり、自宅に郵送されたり、配布の仕方はさまざまですが、会社で配布される場合、袋とじになったりシールが貼られていたり、個人情報を保護する形で配布されていると思います。
健康保険組合は、健康保険証が使われた医療機関からの医療費の請求が正しく行われているか、レセプトをチェックしており、どこの医療機関で何科にかかって薬は何を処方されて保険点数が何点といったところまで確認しています。しかし、それは誰がどういう病気かを知る為の情報ではなく、請求された医療費が間違いないか、確認することが目的で、それ以外の目的で個人情報が使用されることは基本的にはありません。
気になる方は、それぞれの加入されている健康保険組合のwebなどで、個人情報の扱いに関するプライバシーポリシーを確認してみることをおすすめします。
ちなみに、過去のHIV陽性者の生活調査では、就労している人のほとんどは雇用先の健康保険を使い、障害者の制度を使い、医療費の軽減をおこなっていました。そのうち、会社に病名を通知していない人は8割以上ですが、健康保険を使用することで問題が起きた事例はほとんどありませんでした。