たか/40代、ゲイ、HIV陽性、東京
陽性が分かり3か月。
自分でも驚く位、私の日常の中でHIVは特別なものではなくなっています。
検査を受けたその日の夕方。
小雨の降る街角で着信を受けた03から始まる見覚えのない電話で、私は抗体検査がHIV陽性だったと知りました。検査をした病院からの電話でした。
まるで深海や宇宙や、そんな空気が出来ないような場所に突然放り出されたような息詰まる孤独を感じました。
HIVは私にとっては恐怖の権化でした。死に至る苦しみと、恥と秘密を背負い、これから生きていくのだと。
しかし、現実は違いました。
HIVは医療で十分にコントロールできること。
治療は金銭的にも精神的にも十分なサポートがあること。
U=Uのこと。
そして、何よりぷれいす東京のような、自分を曝け出せる場所や人がいること。孤独ではないこと。
私にとって、本当に恐ろしいことはHIVではなく、そのことについて無知であったことでした。
知っていればもっと早く検査をして、もっともっと早く治療を開始して、もっともっともっと、HIVによる体への負担は少なかったでしょう。
先ずは治療について少し知ってみてください。
服薬は一日何回、何錠なのか。
通院は安定したらどの位のスパンで行う必要があるのか。
費用はどのくらいかかるのか。
そして、治療を継続している限り、体内のHIVウィルス量は検査で検出できない状況にまで抑えられる事実を。
HIVは肉体に感染するウィルスです。
でも、不思議なことに、時に、その感染は心や魂にまで及ぶように思います。
知ることは、そうした心や魂へのHIVの影響力をコントロールすることのできる特効薬です。
HIV検査を恐れている方がいらっしゃれば、できれば直ぐにでも検査を受けてほしいと願います。
それがどうしても怖い時には、どうぞ、ぷれいす東京さんにHIVの今について聞いてみてください。
HIV検査を受けないことより、受けることの方が自分にとって、世界にとって幸せなことであることが、きっと分かってもらえると思います。