ぷれいすVoice

陽性とわかって

匿名(20代/男性/ゲイ)

「ある日、私の親友からHIVとわかったと泣きそうな声で連絡が来た。親友としての付き合いは長かったが、彼は相談という意味よりも、私の体を案じて連絡をしてきたのだと思う。私と彼はお酒を飲んだあと、2ヶ月後ほど前に性行為をしてしまっていた。」

私は気が動転したが、彼はそれ以上に焦燥しきっていた。言動や挙動から、彼は自殺してしまうのではないかとすら思った。私はぷれいす東京の相談窓口をネットで探し出し、スタッフの方に経緯をすべて話し、どのように彼と接するのがよいか、彼をどの病院に紹介してあげたらよいのかなど相談にのってもらった。彼にHIVを治療できる医療機関を紹介した後に、自分でも検査を受けに行き、結果的に複数回の検査で陰性だった。

私は彼のHIV発覚から、治療開始、U=Uとなる経過をすべて見てきた。彼のどん底は、「自分がHIVだと受け入れる」ことだったと思う。同時に、私が彼をどれほど理解しようとしても、潜在的に病気に対する偏見(スティグマ)があることに気付かされ、一緒にあらゆるパンフレットやHIVに関連したホームページを読み漁った(ガイドラインはとても難しく読むことができなかった)。勉強していくうちに、自然と偏見はなくなったし、同時に現在の薬が如何に優れていて安全にHIVの治療ができるかを知った。

このページを読んでいる皆さんに伝えたいのは、HIVがわかったとき、時間をかけて、その自分を認めてあげてほしいということです。理解してくれる友人が必ずいるし、ぷれいす東京のような団体もあります。知識をつけ、時に友人を頼り、自分を認めてあげてください。

彼の治療が適切に行われ、U=Uとなり副作用もなく経過していることは非常に嬉しいですが、私が何よりも嬉しいのは、感染前と関係が変わることなく今でも彼と楽しく会って飲めることです。

HIV感染がわかったばかりのあなたへ, 陽性者と周囲の声

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