運営委員のつぶやき 矢島 嵩

矢島 嵩

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先日、ある地方に行ってきたのですが、HIVのことを中心にその地域で活動している人や、いろいろなタイプの陽性者に会いました。ひとりひとりと話をしてみると、みんな様々だけど共通したことを考えています。お互い近くにいるのに、いまひとつ分かり合えずにいることが結構あるんじゃないかな?ちょっとした 勘違いとか相手への思いこみ、プライドやコンプレックスとか、そういった誰でもが当たり前のように持っている、人生の「あか」とか「あざ」のようなものが 相互理解を阻害するのですね。でも、その「みぞ」のようなものを埋めて、先に進もうとする人たちもいて、素敵な兆しを感じて帰ってきたのです。

東京に戻ってきて日々の活動に戻ったときに、やっぱり同じだなーと思いました。バックグランドの異なる人同士でコミュニケーションをとることって、異な るからこそ大切なのに、それに費やす時間とエネルギーが足りていません。身近に居ながら、分かり合えていない人と、もう少し丁寧に会話をしてみようか な・・・。忙し過ぎるのはいけませんね。

矢島 嵩

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最近2ヶ月くらいの間に、HIV以外の分野でピアサポートに関わっている人たちにたくさん会いました。ピア・サポートというのは、実にいろいろな分野で行 われているのですね?ギャンブル依存、ひとり親、子宮内膜症、DV(ドメスティックバイオレンス)、ひきこもり、膠原病、AA(アルコール)、AC(アダ ルトチルドレン)、発達障害児の親、摂食障害、NA(薬物)、視覚障害などなど・・・。ほんとうにいろいろなグループや活動があって、ほんとうに人それぞ れに当事者なのだなぁーとつくづく思います。

自分がHIVに感染し、HIVのことばかりが一大事になってしまったような時期もあったのですが、こうやって外に眼を向けて見ると、HIVだけでなく、 さまざまな人がそれぞれの生きにくさに向き合っていることがよく分かります。

「自分らしく生きることを応援します」これはぷれいす東京が大切にしているメッセージ。自分らしく生きるってどんなことだろう?多様な生き方に接して、改めてそんなことを考えます。

矢島 嵩

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僕は木々や草花のみどりが大好きで、自宅のベランダにもたくさんの植物があって、見ているとホッとします。丈夫なものばかりで、ときどき水をあげるくらい で元気に育ってくれる。それでも過去には枯らしてしまったこともあるんです。それって、僕にとっては黄色信号で、生活が荒れていた証拠だなって思うんで す。ちょっと気にかけて、見てあげるだけで大丈夫だったはずだから。

ところで、ネストのベランダがハーブガーデンに変わろうとしています。ミント、ローズマリー、ナスタチウム、それに瀕死のレモングラスも芽吹いてきて、 いいにおいがします。それに、マリーゴールドや、ゼラニウムといった癒しの花々も咲き始めました。ネストに来たら、ぜひベランダにも出てみてくださいね。

矢島 嵩

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「春 は別れの季節?出会いの季節?」テレビのバラエティー番組で司会者がそんなことをゲストに聞いていました。僕は別れの季節だと思ったんです。大切な人をこ の時季に亡くしているからか、花が咲き、新芽がでる今頃になると、なんだか胸の奥の方が、痛いような優しいような気持ちになります。みんなの日記帳で、つ ばささんが“おばあちゃん”のことを書いているのだけれど、僕も毎年似たような気持ちになります。思い出すと涙が出るけど、見守られているようなそんな気 分。

先日、手記を読むリーディングイベントに行きました。読み手が選んだのは、最愛の人をHIVで亡くして遺品をいつまでも捨てられないというパートナーの 人の手記でした。読み手のコメントは正直で、それだけにちょっと苦々しい。自分は若すぎて喪失体験がないけれど、いつかそういう日がくるかもしれないから 備えましょう・・・リアリティがないことをちょっと開き直ったような、そんなクールなコメントだったんです。会場には、そのコメントに怒っている人、泣い ている人、その肩を抱いている人がいたりして、何だかまたまた切ない春の宵です。

矢島 嵩

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たまたま今回は2月の運営委員会から半月くらいしか経っていなくて、あれ、また編集後記?って感じです。僕は、ぷれいす東京の季刊のNewsletter や、毎月出しているネストニュースレターの編集もしているので、重なるときは編集後記を3つ連続で書くなんてこともあるんです。短い中にさりげなくメッ セージを盛り込んだりするのはとても難しいことですよね。

ところで、先週3ヶ月ぶりの通院日だったのですが、行ったら予約が入っていない!憤然としていたら、予約が入っていたのは先月の同じ日。2月と3月は曜 日が同じなので、僕が間違えてしまったみたいなのです。通院が長いので緊張感なくなってしまっているのかも。告知当時は、病院に行くたびに山ほど質問が あって、1ヶ月分の不安を解消するために、気合いれて病院に向かったものだったけど、今は昔。10年ですからね。

矢島 嵩

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忙しい日々が続いていたのですが、ここに来て一段落。調子づいて、早朝にトリノオリンピックを見たりしていたら、すっかり生活のリズムがおかしくなってし まいました。スポーツ観戦をしながら、不健康な生活を過ごすという“現代的矛盾”。頭と心と体・・・バランスよく使っていないと柔軟性は保てないのかもと 思うこの頃です。

矢島 嵩

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1999年12月1日にweb NESTが開始。半年してから僕も参加することになり今に至っています。この6年間に大勢の人に協力をしてもらってやってきました。ほんとうに信じられないほど大勢の人です。「よくある質問集」「みんなの日記帳」だけでも100人以上かな。

「多様性」「匿名性」「当事者性」を確保しながら、それでいて自由意思を尊重しつつ継続するという離れ業を、何とかやってきたつもり。そんな繊細な道程 につきあって、運営に携わってくれた人も結構たくさんいたけれど、その多くは“卒業”していきました。みんな元気なんだろうか?人が代わり、時代が変わ り、web NESTの有りようもまた見直す時期になってきたようです。

僕自身は感染告知から10年目。ピア・サポートをしたり、スピーカー活動をしたり、予防啓発に乗り出したり、このところすっかりこの“業界“にはまって いるのですが、もちろん僕にもささやかな私生活があり、体調だって、精神状態だってアップダウンします。活動の有りようを見直すというのは、ちょうど自分 のモティべーションや生活のバランスを見直す機会でもあるのかなと思っています。

まずはリフレッシュが必要かな。旅行とか行けると一番良いのだけれど……。

矢島 嵩

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みなさん、2005年はどんな年でしたか?先日、ネストの年末パーティがあって、みんなが一言ずつ話してくれる機会がありました。それを聞いていたら、ほ んとうに今年はいろいろなことがあって、なかにはつらい年だった人もいただろうなぁって思いました。それでもひととき、あったかい雰囲気のパーティがあっ て、年も暮れていくんだなぁなんてしみじみしたものです。

そんなこんなで、今年のイベントも山場を越えて、「蛍の光」気分で感慨に浸っていたのですが、心配なことがもちあがり、大荒れのクリスマスになりまし た。泣いたり、わめいたり、叫んだり、祈ったり。穏やかなよく晴れた日には明日が見えるけど、嵐のときには何も見えない。どうか心穏やかに年明けを迎える ことができますように!

2006年はどんな年になるのかな?ドラマチックなのもたまにはいいけど、どうか平安な時がみなさんに訪れますように。

矢島 嵩

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自分がHIV陽性者なのに、或いは、だからこそ「予防啓発活動」に距離を置いていたというか、温度差を感じていた時期がけっこうありました。ところが最 近、心境の変化が少々あります。東京を中心に「Living Together計画」という陽性者参加型の活動が浸透していて、「HIVを持っていても持ってなくても、すでに私たちは同じ社会に生きている」という メッセージが手記などの形でたくさん発信されています。陽性者やその周辺から発信するリアリティのあるメッセージに、多くの人がHIVを自分事として捉え ようとしていて、過去に僕たちが感じていた疎外感も埋められていくのかもしれないと感じているんです。

先日、大阪で行われたPLUS+という啓発イベントに参加してきました。その中に「+-=○」というのがあり、会場のテントの中に展示されていた写真 や、陽性者たちのメッセージを大勢の人達が時間を掛けて真剣に見ていました。期を同じくして東西で同じようなことが進んでいているんですね。僕たちにとっ て生きやすい社会の実現って可能なことなんだって感じながら、ちょっと明るい気分になって帰ってきました。

矢島 嵩

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すっかり秋が深くなってきました。毎年この季節は会えなくなった友達のことを思い出したりして、何となくもの悲しい気持ちになったりします。

先日、ご無沙汰をしてしまったままの人に連絡をとってみたら、相変わらずの毒舌とマイペースで、やれやれと思いつつも、ホッとしたりしました。あっとい う間に時間って経ってしまうものですネ。感染を知った当時は、1日が長くて早く時間が過ぎてしまわないかと思っていましたものだったのに・・・。

「僕は元気でやっています。」この場を借りて筆無精のお詫びと無事のご報告でした。