運営委員のつぶやき 矢島 嵩

矢島 嵩

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情報って偏るものですね。そんなことを考えさせられる経験がこのところ続きました。たとえば陽性者のセーファーセックスとか、陽性者の妊娠とか、福祉制度 のこととか、知っている人は知っているけど、知らない人はほとんど知らないか誤解している。知識っていうと堅苦しいけど、僕たち陽性者にとっての「お役立 ち情報」はゲットしておくと精神的にも楽になるし、将来設計ももっと明るいものに変わるかもしれません。僕も実は、「いまさら聞きにくい」なんていうこと が、最近まであったのだけれども、聞いてみれば、な~んだ。やはりベテランになっても情報交換していないといけないなと痛感したものでした。

最近はネストでもいろいろな学習会や交流会が行われていて、先週の「女性ポジティブ・ミーティング」、10月には滞日外国人ポジティブや陰性パートナー も参加できる交流会「+(プラス)ランチパーティ」、そして、ストレスマネジメントも新しいシリーズが始まります。こういった情報はすべて、毎月発行して いるネストニュースレターと、web NESTのトップページで案内をしています。トップページはちょくちょく更新して新しい情報が載りますので、「お気に入り」に入れて定期的にチェックする ようにしてみてくださいネ。

矢島 嵩

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「みんなの日記帳」がとてもにぎわっていますね。ほのぼの、わくわく、ひょうひょう、チクリ!いろいろな味わいがあって楽しいです。僕も実はいろいろな ところで書き物をする機会があるのだけど、日常をさりげなく切り取るって、簡単なようで難しく感じてしまいます。やっぱり肩の力、入っちゃうんですよね。

そう言えば、初めてネストに来るようになったころ(1997年くらいかな?)のことを考えると、「すごく頑張って」いて「いつでも前向き」だったような 気がする。意識して頑張っていないと崩れてしまうような精神状態だったのかなぁと今になって思います。ずいぶん肩に力入ってたんですね。とっても昔のよう な、ほんのちょっと前のような、不思議な感じ……。

矢島 嵩

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神戸会議や厚生労働大臣との会談があったり、僕にとって非日常的な日々が続いていましたが、ようやく自分のペースを取り戻そうとしているところです。コツ コツと原稿を書いたり、勉強会の段取りをしたり、そして、告知間もない人たちと会ったり、たまったメールに返信したり……。やはり、ここに僕の重心がある かなぁ。

この1ヶ月ほどの経験から、アドボカシー(権利擁護、代弁といった意味だそうです)や、ロビイングなどもとても大事だなと思うようになりました。福祉は 後退して、性教育はバッシングの嵐、草の根でがんばってきた当事者団体や支援団体への助成は軒並み打ち切り。HIV陽性者はますます生きにくい世の中にな るのではないかと心配しています。

僕にできることは、小さな声に耳を傾けることだけど、それを大きなアクションにつなげることも大切。ひとりで両方は無理そうだけど……。

まだまだ続く暑い夏、バテずに乗り切りたいですね。

矢島 嵩

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都議会議員選挙の不在者投票に行き、一路新幹線で神戸のエイズ国際会議へ。どちらも僕にとっては貴重な社会参加の機会で、切実に僕らの生活に関わる大切な ことが取り上げられています。僕なんかが参加したところですぐに大きな変化が起きるわけはないのかもしれません。けれども、小さな声を「たかが」と思う か、「されど」と思うのかで未来が変わるのですよね。自分も社会も……。

矢島 嵩

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先週、関西でピア・サポートをしている団体「Follow」の1周年の会がありました。50人近い人たちが集まったのだけれども、それは、彼らが一人一人 と丹念につながってきた毎日の延長が形になったもので、試行錯誤を真摯に重ねてきた日々の集大成だからこその感動に満ちていました
今週は「ぷれいす東京」、来週は「ジャンププラス」の活動報告会です。どの団体にもそれぞれに思い入れがあって、それぞれのミッションがあり、そしてそれを支えてくれている人たちがいるのですよね。そんな皆さんに感謝。

矢島 嵩

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神戸で7月に行われる「第7回アジア太平洋地域国際会議(通称:7thICAAP)」の準備で関西に行ってきました。自分のキャパ以上にいろいろな人に会ったので、疲れたけれどもそれだけのことはあったかな。

国際会議なんて僕には遠く離れたことのように思えていたのだけれど、実際に関わるようになって分かったのは、そんなに遠くの話じゃないっていうこと。た とえば、僕は、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで恋人にカミングアウトをした経験がある。チェンマイでもシドニーでもそんな経験をしている人がい るってことを知ると、国際問題が急にご近所の問題に変わって見える。一方では、抗HIV薬どころか、病院も、衛生的な水さえ手に入らない人がたくさんいる ことを知ると、そんな大きな問題に、こんな小さな僕が何をすればいいのかと思ってしまう。でも、そんなひとりひとりが集まれば何かが起きるかも知れない。 大河の一滴じゃないけど、僕一人分だけ、当事者一人分だけ、出来ることがあるんじゃないかって、そんなことを考えました。チャンスがあれば神戸で会いま しょう。

矢島 嵩

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最近、東京以外の陽性者に会う機会が多くなりました。当事者として何かしたい、だけど何をしたらいいんだろう?そんな意欲や戸惑いや理想と現実といったものが混ざった「思い」があちこちで熱を帯びてきているように感じます。

web NESTもそんな当事者の「思い」が積み重なってできています。当事者が一当事者として経験を書き伝えるということ、多様な当事者の経験や価値観をできる だけニュートラルなスタンスで見せていくこと、支援者被支援者といった枠組みをこえて生活者としての存在を丸ごと感じ取れるようにすること……。そういっ た理念ともいえるようなものが、最初からあったわけてはなくて、ひとつひとつアンサーを集めていくうちに、ひとつひとつリンク先をたどっていくにつれて、 ひとつひとつ日記に日常が書き綴られていく毎日が、僕たちの進む方向を指し示してくれるようになりました。

1日にして社会が変わるような魔法のクスリはどこにもないし、一瞬にして過去が清算されるような出来事も起こらない。相変わらず僕たちは、弱かったり、 ネガティブだったりします。だから自分を信じて、できることを今日一日やるだけです。何かを実現するっていうのは、疲れたり癒されたりの、そんな毎日の連 続なのでしょうね。

矢島 嵩

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僕が陽性告知されてから9年。その間に大きく変化したのは、HIVの治療法とIT。9年前に僕はパソコンも持っていませんでしたし、携帯電話はどうだったかナ? 情報を手に入れる方法が大きく変わったように思います。

web NESTも5年目を迎えて、悲願(?)のリニューアルがついに実現です。「利便性」「多様性」「信頼性」の両立といったところがリニューアルのテーマで しょうか。これからも進化していくweb NESTをどうぞよろしくお願いします。

矢島 嵩

矢島 嵩

質問集で新しいアンサーを募集し始めました。「最近HIV陽性だという検査結果を知りましたが、まだ病院に 行っていません。特に症状など何もないのですが、すぐに病院に行った方がよいのでしょうか。皆さんの経験を 教えてください」というものです。医療従事者には伝わりにくくて、当事者にしかわからない「病院以前」の経 験や気持ちを是非書いてみて下さい。前回は「発症してはじめてHIV感染を知りました・・・」という質問でし た。ひとことに陽性告知を受けるといっても、実にさまざまなバリエーションがあるものですね。

ところで、先日ある研修会で、僕自身が抗体検査を受けた時のことを話してきました。もう8年も前のことな のだけれども、やはり検査と告知の経験が、僕の「療養生活のスタート」になっているんだということを改めて 認識して、つくづく検査前後の大切さを今更ながら思い知ったのでした。予防も検査も、もちろん大事。でも、 その後はもっと大事。当事者の立場に立ってみれば、検査前も検査後も「地続き」の人生なのだから。

矢島 嵩

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どんな1年だったかと振り返ってみると、僕自身は迷ったり、焦ったりすることが多くて、落ち着かない年だったかもしれません。それでも、チャレンジできた ことも少なからずあったので、きっと先に進んでいるのでしょう。粛々(しゅくしゅく)と且つ大胆に!なかなか難しいテーマですが、来年こそはと思います。

おもわず観念的な世界に入ってしまいましたが、大掃除の途中です。まずは換気扇、それから、冷蔵庫の中、燃えないごみを明日までに出す。やることがいっぱい。粛々とはいかないかも。