運営委員のつぶやき 矢島 嵩

矢島 嵩

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きょうは通院日だったのですが、主治医ととりたてて話すこともなかったので、 ほんの「ご挨拶」のような短い診察を終えて早々に仕事に向かいました。告知当初の10年前を思い出してみると、 主治医や病院はライフラインで、診察はあらゆる疑問と不安を解消する可能性のある、唯一無二の時だったように 思います。必死だったなーって思います。

医療従事者や病院との適度な距離感を保ちながらより良いサービスを受けることができるようになることと、 自分自身の生活を取り戻すことは、たぶん同時に成立してきた話なのです。時間はかかったけれども、その事で得た 「健康」も確実にありますね。病院帰りの道すがら、そんな事を考えていました。

矢島 嵩

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白い卯の花が咲き、躑躅(読めます?つつじってこう書くんですって)が咲き、藤の花房が見事、八重桜のボ テッとした感じも好もしく……。ソメイヨシノのお祭り騒ぎが終わったこの時季は、実は新緑と百花繚乱の一年 中でもっとも華やかで生気に満ちた季節です。
ところで、統一地方選挙の第2ステージが終わりました。何人か身近な人が立候補していたり、選挙活動の応 援をしていたりしていて、僕にとっても身近な出来事でした。結果は悲喜こもごも。理念だけでも、パワーだけ でもなく、複合したさまざまなことが要因となったお祭りのように政治の枠組みが決まっていく、そんなことを 身近に感じさせてくれるイベントでした。次は参議院選挙ですね。一票の権利を行使したいと思います。

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「長期療養生活のヒント」という冊子ができました。皆さんに協力していただいて実施した陽性者向けアンケートの結果をまとめて冊子にするという、「長期療養シリーズ」の第3弾の冊子です。今回は、副作用や薬剤耐性、生活習慣病といった医学的なことから、周囲への告知、経済的負担の増加、セーファーセックスといった話題にまで幅広くふれて、そのことをどう捉えてどう対処していくのかといったことを聞いています。とても濃い内容なので、ぜひじっくり読んでみてください。HIVと長いことお付き合いをしながらの生活の、何か良いヒントが見つかるのではないかと思います。

それにしても、年度末のこの時期にはほんとうにいろいろなことが重なります。報告書や冊子の制作もこの時期に集中することが多く、もちろん忙しいのは僕だけではないので、一方であちこちに原稿を催促し、もう一方であちこちから催促されているという状態になっていて大騒ぎ!僕なんかは小心者なので、「し・め・き・り」の4文字が夢に出てきそう(汗)。まずはとりあえずこの編集後記はなんとか書いたぞ!

矢島 嵩

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用語集の更新のために、あちこちのサイトを調べたりする機会が多かったのですが、HIVについて陽性者に必要な情報が分かりやすくまとめてあるサイトって意外と少ないです。医療にのみ偏っていたり、情報が古かったり、独善的だったりすることもよくあります。玉石混交のインターネットの世界で、良質な情報を得る知恵を持たないと、必要以上に不安や焦り、あるいは逆に根拠のない楽観といったことに偏ってしまうのではないかとつくづく感じます。格差社会の格差って、情報の格差も含まれるのかもしれません。

矢島 嵩

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最近、陽性者がホームページを開設したり、ブログを始めたりすることがとっても多くて、おもしろいこと、リアルなこと、いっぱい書いてあります。。ひとりひとりが自分のできる範囲で発信することって、とっても価値のあることだと思っています。実は、どこかで誰かが見ていて勇気付けらていたりするものです。 そんなひとりひとりがもう少し繋がるといいなーと願っていて、web NESTの「リンク集」はそんなひとりひとりが繋がれるマップのような役割を果たせればといいなーと思っています。でも、なかなか個人のページって連絡がとれなかったり、連絡方法がわからなかったりで、リンク作業がなかなか進まないのですが(汗)どうすれば繋がれるのでしょう?ご存知の方は教えてください ネ。

矢島 嵩

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今年はいろいろなことをチャレンジした年だったような気がします。一番大きかったのはやはりエイズ学会。シンポジストとして「ピア・サポート」や「陽性者 スピーカー」の話を連日大勢の前で話したり、医療系の学会の座長を当事者である僕がつとめたり、それはそれは画期的で意義のあることだったのだけれども、 正直言ってちょっと疲れました。ただ、その後にあちこちから反響があって、このチャレンジが次につながると良いなーと期待しています。もともと学会なんて 特に興味があったわけではなく、どこかの研究所で顕微鏡ばかり覗いている人たちの内輪の会でしょ!くらいの認識でした。たしかにそんなおもむきも無くはな いだけに、こうやってぷれいす東京のようなNPOが中心になったり、 僕みたいな研究者でも医療従事者でもない人が発言することって、すごく大きな変化なのだろうと我ながら思うのです。

この10年、こつこつとweb NESTやPGMやスピーカー活動といったことを、とにかく必要だと思うこと、できることを何とかやってきたけれども、やはり閉塞感もあったかなと思うの です。活動の輪が一気に大きくなる訳でもなければ、活動資金が天から降ってくるわけでもない。急に政府がマイノリティに理解を示すようになるわけでもな い。けれども新規陽性者は増え続け、社会的支援の必要性は増すばかり。僕が感染を知ったときに感じたこの社会の「生きづらさ」は、 10年たって軽減されたのでしょうか。社会はどれだけ変化したのでしょうか。

ひとりひとりができることは小さくて限りがあるので、時には途方に暮れてしまうわけだけど、ネットワークの可能性を信じることはとても大事ですね。みなさん、来年もどうそよろしくお願いします。

矢島 嵩

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第20回日本エイズ学会が11月30日に始まります。ぷれいす東京の池上代表が20回目にしNGOから初の会長となり、いろんな意味で画期的ずくめ。僕も シンポジウムに3つも出る予定で、いよいよあわただしい気分です。あれこれ考えることや準備することがあって、焦る、、、(汗)

そんな中、毎年この時期にすることは、ガーデニングの冬支度。自宅のベランダに春咲く花の球根を植えました。地味だけど香りの強い日本水仙が以前から好 きだったけれども、最近は黄色いチューリップもいいかなー。幼稚園のときに初めて描けるようになった花がチューリップだったなぁ。チューリップって明快! ポッカーンとしてかげりがなく明るい陽の光を感じるところが何ともうれしい。なんてことを考え、しばしベランダにて忙中閑あり。これって現実逃避?

矢島 嵩

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10年前に感染告知されて間もないころに入院していた病院に、友人を見舞いに行きました。木々に囲まれた郊外の病院の日当たりのよい病室に、友人はちょっ とハデ目なパジャマ姿でベッドに腰掛けていました。一緒に食事をしたりして少しばかりの時間を過ごしてから、彼とお別れをして帰りました。雑木林を抜けて バス通りに出たら、急に封印していた様々なことが溢れ出てきて涙が止まらなくなってしまいました。あの頃の僕と同じように窓の外の風景を見ている友人のこ とや、彼のことを大切に思っている人たちのこと、そして僕自身の10年。秋はいつでも感傷的になるけど、切ないです今年は

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僕は東京に生まれ育ち、この街で生活をしています。東京はホームタウンです。親戚、親兄弟、小学校以来の同級生から、会社の同僚まで、僕のことを知ってい る実に多くの人たちが、この都会にまぎれて暮らしています。いろいろな顔を持つこの街が、もう少し寛容で住みやすくなればいいなぁーと願っているのです。

この一ヶ月くらいの間に、いろいろな地方に住む複数の陽性者に別々に会う機会がありました。東北、九州、北海道・・・。HIVを持ちながらその地方で生 活していくことの大変さの一端も知りました。中でも一番感じたのは、他の陽性者に会い難いこと。どこに行っても「他の陽性者はどうしている?」「他の陽性 者に会って話しがしてみたい」という声は多いのに、多くの地方では陽性者同士が安心して会える機会はあまりない、または、まったくない。

掲示板がリニューアルオープンしました。よくある質問集の「地方で生活しています・・・」という質問の追加アンサーも募集しています。web上でも情報 交換や交流ができるし、実はすぐそばに他の陽性者がいるのに知らないでいるっていうこともあるかもしれません。みなさんの生活する地域が少しでも暮らしや すくなるように、web NESTが役に立てばうれしいなぁーと思っています。

矢島 嵩

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パレードや全国陽性者交流会に行ったあと、その足で“薮入り”してきました。さほど遠くもない実家に帰るのに本当は夏休みを利用するほどのことはないのだ けれども、なんだかんだといっているうちに久しぶりになってしまったのです。帰ったその日の昼食のメニュー…稲庭うどん、胡瓜もみとミョウガの酢の物、厚 揚げとシシトウの煮物、アスパラの牛肉巻きでした。季節らしさと、自分らしさを、いっぺんに取り戻すことができたかも。あっちが痛いとか、こっちの病院に通い始めたとか、いろいろ大変で愚痴聞くのもそれなりに大変だけど、やはり母に感謝。さあ、またガンバローっと。