陽性者と家族の日記 “つばさ”

花火×3

つばさ

 友人が船上パーティーを企画したので行ってきた。

 マジックショーとか、バンド演奏とか、
いろんな趣向があったけれど、一番のお楽しみは花火だった。
といっても、船から花火を上げるわけではもちろんなく、
偶然にも船の航路の関係で、3ヶ所の花火大会が見られたのだ。

 私にとっては今年初の花火。
 近くじゃないから、音や迫力はないものの、
あちらこちらで上がる花火はきれいだった。

 船酔いするかなと心配したけど、
着慣れない浴衣を来て緊張したのが良かったのか、
全く酔うこともなく、2時間半の船上の時を楽しく過ごせた。
夏をひとつ満喫したかな。

 

 

 

ノミ?

つばさ

 母と娘とバレエを観た。
 海外の有名なバレエ学校の生徒たちの公演で、
一番小さな子は娘と2歳違うだけ。

 バレエを習っている娘としては、
どうしても自分と比較してしまうようで、
いちいち「うまいなあ」とか「すごいなあ」と
感心しながら観ていた。

 そして、終演後に娘が一言。
「あの子たちがネコとしたら、私はまだノミやなあ。
せめてネズミくらいになるようにがんばろっと」

 すごい例えだけど、気持ちはわかるので、
「好きなことなんだから、ネコどころかライオンにもなれるよ」
と励ました私に、また娘がまじめに一言。

 「ライオンがバレエっておかしいよなあ」
そう言われれば、そうだけど…。
ま、とにかくがんばれ~!

チェックメイト!

つばさ

 『ハリー・ポッターと賢者の石』を久々にみた娘が、
チェスをしたいと言い出した。

 今年初めにマグネット式の携帯用チェスセットを
もらったのを思い出し、全く使っていなかったそれを出して、
二人で説明書きを見ながらやってみた。

 やってみるとこれが意外とおもしろい!
 娘は将棋をやったこともなく、オセロもどちらかというと
苦手なほうなのだけど、なぜかチェスは気に入った様子。

 私と朝から2試合(?)して、今はおじいちゃんと対局している。
もちろん、60歳を過ぎた父もチェスをやった経験はない。
駒の動かし方を覚えるのが一苦労のようだけど楽しそう。

 今年の夏休みは家族でチェスか?!
 

 

おかげさまで…

つばさ

 昨日、退院することができました!

 まだ血小板は非常に少ない状態なのだけど、
とりあえず症状がないので、週一回の外来で
様子を見るということになった。

 起きて、朝ごはんを作って、娘と一緒に食べ、
娘を学校に送り出した後、PCをつけてメールをチェックし、
「めざましテレビ」の「今日の占いカウントダウン」を見てから、
仕事に取りかかる、といういつもの生活がすごくうれしい。

 今日は1日、入院中にできなかった雑用をすませよう。
髪も切りにいこう。夕食は食べたかった冷やし中華にしよう。

 ああ、普通の毎日がこんなに楽しいなんて!

 
 

外泊

つばさ

 思いがけず入院が長引いて、もう2週間以上経ってしまった。
外泊許可が出たので、昨日から1泊だけ家に帰ってきている。

 熱があるとかだるいとか、自覚症状がないだけに、
入院生活は「趣向の違うホテル生活」である。

 入院当初は、早く退院したいばかり考えていたし、
新しい薬で服薬を再開して一週間後、ひどい発疹が出たときに
2日間くらい、暗~い気持ちになったけれど、
ちょっと発想を転換してしまえば、
入院生活も悪いことばかりでは決してないなと今は思う。

 娘に週末しか会えないのが寂しいけれど、
両親がしっかり面倒をみてくれるので心配はないし、
朝夕の服薬と週2回の採血くらいしか治療らしきものはないから、
上げ膳据え膳のうえに、一日まるまる自分の時間という贅沢な毎日。
何をしているかというと、病棟のロビーや病院の図書館にある、
「自分では買わないけど読みたかった本」を読みまくっている。

 同じ病棟は白血病やリンパ腫の方が多く、
いろんな話をするのだけど、こんな機会でもなければ、
考えないことや思い至らないことも多くあった。
知り合った方のおかげで、入手困難な歌舞伎のチケットが取れるという、
思わぬ幸運にも恵まれた。人間、何が幸いするかわからないなあ。

 いつ退院できるかは、まだわからないけれど、
これで新しい薬も問題なく始められるし、この際ありがたい休暇だと思って、
とりあえず今の状況を楽しんでいくつもり。

 娘の家でのちょっと成長した姿を見られたし、
おいしいものをたべたりして昨日からの外泊で家の生活も満喫したし、
また、がんばっていってきま~す!

 

しばらくお休み

つばさ

 今日、病院で採血をしたら、
「血小板が少ない」と連絡があった。

 で、急遽、明日から入院することに。
いろいろ予定はあるけど、健康第一だからしょうがないか、
体調は良くて元気だから本でも読んで過ごすか…などと思いつつ、
「どれくらいになるんでしょう?」ときいたら、
「長くて1ヶ月、短くて2週間」。

 ええ~っ!!!

 娘の参観日が来週あるのに、
7月から新しい仕事を始める予定だったのに、
そんなに長く入院なんて…。

 入院したほうがいい(…というか、しなければいけない)のは
わかっているし、自分も納得したことだけど、
あまりにもタイミングが悪すぎる!
納得したふりはしていたけど、本当に泣きたくなった。

 仕事先には電話したけど、まだ娘には話していない。
習い事から帰ってきたら話すつもり。
1日中、娘の顔が見られないなんてさみしいなあ…。

 また、退院したらこの日記にも戻ってきます。
なるべく早く戻ってこられますように。

台風の日のワクワク

つばさ

 台風で娘の学校が休みになった。
 朝6時半に休校の連絡があったときから、
娘はうれしさを隠しきれない様子で、
朝食のときには「バンザ~イ!」と叫んでいた。

 あきれていた私も、家の雨戸を閉めきり、
真っ暗になった室内の電気をつけ、
風と雨が激しく吹きつける音を聞いていたら、
なんだか小さい頃に感じた「ワクワク感」がよみがえってきた。
大変なことになりそうで怖いんだけど、
いつもと違う状況にスリルを感じるような気持ち。

 「電気、消してみよっか?」と言うと、
娘は目をキラキラ輝かせて「うん!」と即答。

 明かりの入ってこない部屋に二人で座って、
とりとめのないことを話したり、
すごい風の音にキャーキャー叫んでみたり。

 大荒れの天気はお昼過ぎには収まった。 
雨戸を開けるとき、ちょっと残念な気がした。
もちろん、被害がないからこんな気楽なことを言ってられるのだけど。

NLGR2004

つばさ

“Nagoya Lesbian & Gay Revolution”に行ってきた。

 自分にとって一番インパクトがあったのが、結婚式。
司祭の方が読み上げた「愛についての使途聖パウロの教え」だった。

 「(前略)愛は決して滅びない。預言は廃れ、異言はやみ、
わたしたちの知識は一部分、預言も一部分だから。(中略)
それゆえ、信仰と、希望と、愛、この3つは、いつまでも残る。
そのなかで大いなるものは、愛である。」

 結婚式を挙げている3組のカップルを見ながら、
これを聞いていたら、涙が出そうになった。
うらやましくてしょうがなかったっていうのもあるけど。

 愛かあ。
子どもへの愛、親への愛、友人への愛はたくさんあるなあ。
でも、パートナーとの愛がない、・・・悲しいことに。
いつか、私もここで結婚式を挙げるような、
本当の愛を抱きしめることができるのだろうか。

悩みごと

つばさ

 娘が宿題をしている途中で、ふと思いついたように言った。
「あたし、今、ちょっと悩みがあるんやわあ」。

 聞いてみると、最近、近所の友達の1人が、
みんなで遊ぶときに自分だけ呼んでくれないという。
「あたしが知らんうちにあの子に何かしたかなあ」
「習い事が忙しいから、声をかけてくれへんだけかなあ」
「でも、あの子とはもともと気は合わへんから・・・」

 こんな調子で、1時間半ほど2人で話し続けた。

 そんなことまで気にしなくても・・・と思うこともあったし、
少しだけ人生長く生きてきた者としてアドバイスだってできたと思う。
でも、まずは娘が言うことをじっと聞くことにした。
意外とこれが難しかったけど。

 何の解決法も見出せなかったけど、
話し終わったあとは少しすっきりした顔になった娘。
これからもいろんなことがあると思うけどがんばれよ、
と思う。私はいつもここにいるからね!

 

オーラ

つばさ

 大好きなアダム・クーパーのミュージカルを観た。

 去年観た「白鳥の湖」でも感じたけど、
彼が踊り始めると明らかに周りの空気が変わる。
あれがオーラっていうものなのかなあ。
セリフや歌のときは普通の人って感じなのに、
ひとたび踊りだすとダイナミックで色っぽくて、
やはり特別な人なのだと思わせる。

 欲を言えば、もっと踊って欲しかったけど、
彼のダンスを今年も観られて良かった!
来年初めにも違う演目で来日するそうだ。
楽しみ~!