陽性者と家族の日記

そとごはん

つばさ

業績の悪化で、私の働いている会社も平日に一斉休業日を
設けることになり、先週は一日お休みがあった。

もちろんお給料は減るけれど、平日に用もないのに休めるなんて、
なんだかうれしくて、前日は「明日、何しよう?!」と
まさに遠足の前のような気持ちに。

いろいろ考えたものの、結局、当日はお天気もよかったので、
その日にたまたま休みだった友人とドライブがてら少し離れた海へ。

娘のお弁当を作ったので、ついでに簡単なお昼を持参して、
潮干狩りをしている人たちを見ながらのんびりと食べた。

外でお弁当を食べるなんて、娘の小さいとき以来。
おにぎりとかだし巻き卵とかなんてことないものだったけど、
すごくおいしく思えて、ぼーっと2時間くらい過ごしただけなのに、
とても楽しかった。

これからは気候もいいし、休業日はこうやって過ごすのもいいかも。

ただ、日焼け止めを塗っていくべきだったことが唯一の後悔・・・。

静岡でイチゴ狩りしてきました。

朱美

前からの約束どうり、静岡の友人と、待ち合わせて、イチゴ狩りに、行ってきました。
お客は、私達だけ、のんびりと食べてきました。最近、薬の副作用で、お腹の調子が、よくない私は、食べ過ぎないようにしてましたが、それでも、おいしかったので、たくさん食べました。帰りに久能山の東照宮に立ち寄って、お参りしました。彼女とは、夕食も、一緒にとり、今日一日楽しく過ごしました。又、行こうね。次の約束は、してないけど、絶対いくからね。         朱美

診察拒否

みのる

まだ桜が咲かないなぁと、病院の大きな窓から見えるテラスに何本か植えてある桜の木を眺めながら、ぼうっと、つぼみを見ていた。

ここは歩いて少しのところにある病院。

いつもと違って皮膚の腫れ物を診て貰おうと、来てみた。
以前にも診てもらったことがあるので、大丈夫だと思っていた。

‥が。

すいません。~さんと名前を呼ばれてそちらへ行くと、看護士とおぼしき女性が立っていた。

はい、と頷いてそちらへ行くと。

‥申し訳ないんですけど、やはり今お掛かりの病院へ行っていただいた方がと、先生がおっしゃってまして‥。
え?
‥断られた?

あの、以前も一度診ていただいたんですけど。大丈夫だとおもうんですが。
と言えば、そうおっしゃられても‥。
と、答えが濁る。

仕方ない。

わかりました。じゃあお薬だけ戴けますか?
そういわれましても‥先生にもよるんですが‥。と、辛そうだ。

あの、大丈夫ですからお薬とかだけでもなんとかならないでしょうか。
と、笑顔で元気さを無理にアピールする。
そうしないと物凄い大病だと思われてしまう。
発症してる訳じゃないのに。

すると、もう一度訊いて参りますとの事。

僕は近場に緊急でも診てもらえるように、いくつかの病院でカルテを作って貰っている。
この病院もその一つの筈だった。

看護士が戻ってくる。
あの、先生が診ていただけるということなので、あと少しお待ちください。
と、話をつけてくれたみたいだ。

座って待っていれば。自分の番号だけが飛ばされていく。
思わず笑ってしまった。
小さい病院じゃない。これでも一応、医大の系列病院だ。

怖がるにも程がある。
前の時は診察の直前にそれを伝えたからだろうか。

仕方なかったからなんだろうか。

少し、寂しいような悲しいような気がした。
診察拒否は、初めてじゃない。

5、6年ほど前、腫れて熱を持った耳をなんとかしてもらいたかった時、地元で有名な名医だといわれる病院へと痛みでぼうっとする体で行ってみたことがある。

まだ、病気の事はなんとなく問診表に書けずにいた頃だ。

腫れた耳を見るなり、メスで切開して排膿しますと言われた。

切開すれば血が出る。‥伝えた方が良いんだろうか。
暫しの逡巡のあと、思い切って口にする。

あのう‥ですね。僕は血液感染症持ってるんで‥。
医師の手が止まる。
何の?と聞かれた。

肝炎の‥。
肝炎?

医師の目が険しくなる。
言いたくないけど言わなくちゃいけない。

あのぅ‥。HIV感染症ってわかりますか?
その瞬間、医師の目が見開いた。
驚いたような感じだった。
処置しているまわりに看護士の人達が集まってくる。

言わなければ良かったと後悔した。

医師は言った。
それは無理だ。
うちでは処置できない。
そう、はっきりいうと、彼はメスを起き、マスクを取った。

診てもらってるところがあるなら、そこに行きなさいと言われた。
診てもらっているところは遠くて、痛みが強くてキツかったんですと答えれば。

そう言われてもねぇ‥。
とにかくうちでは診れない。
と、にべもない。

途方に暮れてると、可哀想に思ったのか、看護士のおばさんが、医師を問い詰めるような感じになって。

嬉しかったけど、結局医師の言う通りになり、痛み止めと抗炎症剤をとりあえず出すからと。そのままかえされた。

受付で会計を済ませる時おばさんの看護士に、ごめんね‥と言われ。
良いんです。仕方ないですからと少し力なく笑う。
顔を上げて見てみれば受付越しに診察室がざわついてるのが分かる。

僕が言ったとき他に処置をして貰っていた患者さんもいたからだ。
看護士、医師総出で、何か話してる様子。
ガイドラインでは‥とか何かが聞こえる。

医師は、それでも嫌なようだった。

気持ちは分かる。
けど、医師なら。

‥でも、医者も人の子か‥。

名医とはなんだろう。
僕は笑ってしまった。
そんなことを思い出した。

あれから、僕は医者は自分で見つけるようにしている。
医師であれば皆がという考えは持たなくなった。

しかし思うのは。
もう、2009年になる。
十年一昔なんていうけれど。
どういう事だろうか。

離れているとはいえ、少なくともここは頭に東京と付くところだ。
それでさえこういう状況であるならば。
地方はもっと知識や認識というものに於いて困窮を極めるだろう。

物凄い一級の知識を持てとは言わない。
でも、少なくとも感染して治療を受けている人達が知っている程度の知識は、持っておいて欲しい。

それが駄目なら、せめてちゃんとした適切な装備で処置をすれば大丈夫だって事だけは。
医師でさえ、年齢を問わずあまりに無知な人が多い。

無知は罪であるという言葉があるけれど。
僕も自分の過去を照らし合わせて顧みると、納得する事しきりだ。
本当にその通りだと思う。
知らないが為にお互いで傷を付けあってしまうことは多い。

知らないということは怖いことだ。

顔馴染みの近くのお医者さんで、本当に風邪と同じように診てもらえたらどんなに楽だろう。
皆がそう思うように僕もまさにそう思う。

一方で、医師不足が言われてるなかで、増え続ける患者を一手に引き受けなければならない所もある。

どうしてこうバランスが悪いんだろうか。

経済大国が聞いて呆れる。無理に背伸びをし過ぎた弊害なのかもしれないが。

良いところもたくさんあるんだけどな‥。
それも僕は知っているだけに、十把一絡げにしては切れない。

久しぶりにこういう事があったので。
思い出してしまい書いてしまった。

総括して思うのは。

良く、なればいいな‥。
その言葉に尽きる。

開放感

つばさ

ちょっと携帯に関してややこしいことがあり、
(といっても操作じゃなくて、人間関係のほうなんだけど)、
試しに電源を切ってみた。

びっくりするほどすっきり!すごい開放感。
携帯の着信とかメールにとらわれないってなんて素敵なんだろう。

考えてみれば、飛行機に乗るときくらいにしか電源を切ったことがなかった。

緊急のことがあって電話が通じなければメールがくるだろうし、
メールを使わない人はほとんど私の自宅の電話番号を知ってるし、
とくに支障がないのに、どうしていつもオンにしておかなきゃという
気持ちになっていたのか、それが今思うと自分でも不思議。
知らず知らずのうちに携帯にとらわれていたんだなあ。

春ですね

つばさ

会社の同僚に誘われてなんとなくお花を習い始めた。

お花を生けるなんて、自分のキャラに合わない?と思っていたけど、
やってみると意外におもしろく、毎週楽しみにしている自分に気づく。
同じお花を使っても、人によって全然違うものになるし、
自分でも先生のところで生けたときと、
家に帰ってきたときに生けたのとまた違ったりする。

周りの女性たちにきくと、ほとんどがお花を習っている、
または習っていたことがあるのにもびっくり。

庭や道沿いの花を見たり、お花屋さんをのぞいても、
きれいだなと思うだけじゃなくて、
このお花をこうやって生けたら・・・と思ったりする。

お店で花器をみるのも、それまでは器自体の美しさだけを見ていたけど、
使い勝手がよさそうとか、違った見方ができるかな。

今週は一足早く桜を使った盛り花。
部屋に春が来た感じでなんだかうれしい。

高速道路、初体験。

朱美

私は、何十年前に車の免許は、取ったのですが、その時、習った高速教習以来、高速道路を、走る機会がないまま、現在に、至ってしまってました。車は、自転車がわりで、日常の雑用を、片付ける為に使っており、年間3000キロ未満の走行距離でした。
こんな、私が、友人に刺激されて、高速道路を走ってみようと、思ったのです。一人だと、チト心細いので、車に乗れる、年若い友人を誘って先日実行しました。
風は、強かったのですが、よく晴れたドライブ日和、なかなか、快適な日帰り旅行でした。彼女も、楽しかったと、喜んでくれました。さあー、これに味をしめて、目標は、名神、東名を走りたいのです。でも、安全運転、絶対に事故は、起こしてはいけないと思ってます。         朱美

満2歳。

たたみ

感染が発覚して2年が経ちました。
ある意味、満2歳の誕生日です。

この1年、健康面では少し問題がありましたが、
HIV感染症については投薬を始めて、今のところ良好な経過を
取れているようです。

まずはよかった。

そして、こうやって普通に生活できている自分がいて、
そんな自分でいられるために、たくさんの人が関わってくれている。

この場を借りまして、そんな皆様に感謝します。
ありがとうございます。

その一方で、
2年も経つと感染発覚時の鮮烈な記憶が薄れていっている。
当時のショックが薄れるのは時の流れで当たり前だけど、
その時にたくさんたくさん反省をして考えたことも薄れていっている。

これは自分にとって薄れちゃいけない事。
こういう機会に思い出して、見直さなくちゃ。

と思う、満2歳の春です。

(節目が来ると毎度同じようなことを考えてるな・・・自分・・・)

三連休

ガジ

温かかったり激しい雨が降ったりと、
天気は安定しなかったこの三連休ですが、
のんびりと有意義に過ごせた。

初日、天気がいいときに近所からハシゴを借りてきて
雨どいの掃除をした。
一年以上、何もしてなかったから、葉っぱや土などが
たんまり溜まっていまして・・・
がんばりました。翌日には筋肉痛になるほど。

別の日、昼下がりに嫁さんと録画した映画を観ようかと。
再生して30分も立たないうちに、二人とも寝入ってしまった。
夜は久しぶりにファミレスに。
(割引券があったからだけど)
単なるファミレスなんだけど、
何だか久しぶりに夜の外食に出掛けたら、とても楽しく思えた。

充実していたのか、のんびりと過ごした休みは、
あっという間に過ぎてしたった。

画期的に見る危機

たたみ

NHKで興味深い番組をやっていました。

これからのテレビを考えるということで、業界人、有識者、一般人が議論するというものですが、
業界人には民放の人気番組プロデューサーが各局から、
さらには民放連の会長まで。
さらに広告代理店の社員も社名入りで登場。

番組中でも民放の過去映像だけでなく、NHKのカメラが民放の製作現場にまで立ち入るというものでした。

以前は、歌詞に入っている商品名すらNGというスタンスだった、いわば国営に近い放送局が放送した番組としてとても画期的でした。

その一方で、テレビの危機をあらわしているのかな。と。

番組でもいろいろと討論されていましたが、特にインターネットの登場が一番の危機であることは間違いない。
特に若年層ではテレビを必要としない人の割合が非常に高い調査結果でした。

確かに「昨日、あの番組見た?」って会話は相当少なくなった気がします。
今はスポーツくらい?
以前はドラマの内容を翌日よく話したものです。

選択肢が広がることはいいとしても、情報を自分の周りにいるみんなで共有し、共感する機会が減るのは少し寂しいな。と改めて思いました。

Xデーはもうすぐ?

なぎさのペンギン

桜の開花もカウントダウン。
春めいた季節になってきたけれども、ちょっと物騒なハナシ…

先日、職場で「新型インフルエンザ発生時の対応マニュアル」が公開された。
配布されたマニュアルを見ると、オフィスに1人でも感染者が報告された
場合には職場が閉鎖され、10日~2週間….感染の状況に応じて最大で1ヶ月間、
必要最低限の業務を除きすべて休業になるという。
想定されている状況は、まるで大地震が発生した時のようだ。

仕事についてもそうだけど、僕にとっていちばん困るのは医療、
通院や服薬の問題。
もし外出できなくなったら、今の治療薬がきちんと入手できるの?
人よりも抵抗力が劣るカラダで、厳しい状況を乗り切っていけるのかな?

心配しても始まらないよ、 その時はその時で考えればいい!
そう思いつつ、「その日の前に」何か自分に準備しておくことはないか、
考えている自分もいる。

本当に、近いうちにやってくるの?