陽性者と家族の日記

静かな告白

なぎさのペンギン

 
 8月31日、自分の病気について母親に告げた。

 僕の父は20年前に病気で他界しているが、それから今に至るまで
 母は一生懸命がんばってきた。
 がんばりすぎて、鬱が悪化してしまった時期が何度もあった。
 こうした事情があって、僕は家族の中で母親にだけは病気のことを黙ってきた。
 彼女が亡くなる最後の日まで隠していようと思った。

 「たぶん…とっくの昔に気づいているはず」
 ずいぶん前から自分の心がそう叫んでいた。
 80歳までもうすぐ。一緒にいられるのはいつまで?
 「言わなかったら、沈黙を続けた自分を悔やむかも知れない」
 夏休み最後の日、僕は決心して話を切り出した。

 カミングアウトというはやり言葉は使わない。
 僕はただの親不孝な息子で、これは愚かな告白だ。
 息子から病気を告げられて悲しまない母親なんているもんか。
 
 母親は「実は知っていた」と遠目で眺めるように、表情を変えずに言った。
 僕は「これからも元気。だから心配しないで」と言った。
 告白は5分で終わり、あとは普通の世間話に戻った。
 涙も笑顔も怒鳴り声もない、静かなる告白。

 すべては「ひらめき」というタイミングが導いてくれたおかげ。
 今はただ…そのことに深く感謝をしている。

 
 

ゲリラ豪雨と文明開化。

たたみ

ここ最近の天気はほんとにすごい。

ゲリラ豪雨と呼ばれるそうですが、生活にも支障をきたします。

特に僕の生活に来たした支障は、

洗濯物が乾かない。

です。

僕は生まれてこのかた、家に「乾燥機」なるものがなかったおかげで、
今も洗濯物は自然乾燥派です。
「派」というか選択肢がそれしかないんですが(苦笑)

でも、ここ最近の洗濯物の乾かなさっぷりに業を煮やし、
とうとう近所のコインランドリーへ。

そして乾燥機を使ってみると。。。

30分300円でカラッカラに乾く!!!!

当たり前と思う人も多いかと思いますが、僕の中で文明の花が開きました。

でも、天気がいい日は使いません。
だってもったいないから(笑)

ぶどう狩りに行ってきました。

朱美

昨日、職場の親しい人達と、ぶどう狩りに、行ってきました。
車で15分位のところの観光農園でした。開園と同時に入って、
おいしいぶどうを、お腹いっぱい食べて、おみやげを母に持って
帰りました。こんな近い所にあるのは、情報誌で知りました。
一度行ってみたいと思ってた私は、大満足でした。
この季節に出来ることを大事にしたいのです。

魔の手?

たたみ

テレビの地上デジタル放送完全移行まであと3年ないらしいそうですね。
NHKの隙間時間やら、民放のCMやらでやっています。
さらにオリンピックをきっかけにテレビの買い替えを即す宣伝も目立ちました。

でも、うちはまだ地上アナログ。
奥行きしっかり、重量ずっしりのブラウン管テレビです。

さて、今現在もう終盤となってきたオリンピック。
毎日ふんだんに放送され、僕も見ています。

結果がついて来た競技、残念な結果に終わった競技、いろいろありますが、
日本の代表として頑張ったわけですから、胸を張って帰ってきて欲しいと
思います。
だってみんな一生懸命やったんだもん。
そしてまだ結果が出ていない競技はひたすら頑張って欲しいです。

ところで、このオリンピック放送、個人的にちょっと困ったことがあります。
前回のオリンピックでは、気にならなかったんですが、
今回のオリンピックでは、画面に表示される文字が小さい。

お一人様サイズのブラウン管テレビでは文字がつぶれて得点とかわかりません。
特に野球とかソフトとか。

これ、テレビが地上デジタルだったりハイビジョン対応だったりすると
くっきり識別できるんでしょうか?
地デジへの移行や、テレビの買い替えを強制する作戦のひとつでは?
つまり放送局やメーカーの魔の手なのでは?
と疑心暗鬼になりながらオリンピックを見る毎日です。

結局は大きくてきれいな液晶テレビが欲しいけど買えないヒガミなのか?(苦笑)

季節外れの梅雨時から今に掛けて

みのる

スーパーに買い出しに行った。

梅雨の晴れ間に。

普段はパートナーが休みの時に、一緒に買い出しに行くことが多いのだけれども、最近は仕事が忙しく、休みの日を作る事が難しい時がある。

という事で、ちょこちょこ買いに行くことが多い。

雨上がりの晴れ間が覗くお店までの道がてら、自分の大好きな紫陽花の花を見ながら近くを散歩すると、それだけで気分転換になる。
雨が上がったあとに太陽の光が反射していて、辺りがキラキラしているような景色がなんともいえず綺麗だ。

こうした何気ない日常の一つ一つを過ごしていけるという事が、一番幸せな事なのかもしれないなぁと、最近は殊更にそう思う。

いつも時間というものは、自分をおいてきぼりにして勝手に先に行ってしまうんだけれど、それでも、この止まっているような心地良い空間に対して抱いた気持ちや想いを無下にしたくない。

それは振り返ってみると、頭に焼き付いた情景に対して想い考えた事が、今まで生きる上での糧になっていたような気がするからだ。

これまでもそうだったし、これからもおそらくはそうしていくんだろう。

気持ちや言葉に傷つけられたと思うのなら、尚更、それらを大事にしていきたい。

今までに起きた、委細全ての物事に対して、もう自分は見なかった、無かったという事にはしたくないからだ。
それは人を信頼するということ。逃げずに自らと対峙するということ。
それらと同義なのかもしれない。

人は嘘をつき、離れていくものだと思ってた。
心の底から信じた事がしばらく無かった。

でも、今は違う。

本心を、話し書く事が少しずつではあるけれど出来ている。

伝えたかったことは、伝えたい時に伝えないと、後にそれが出来なくなった時、そこに想いを馳せてみれば、とても辛い、悔いの残るような感情を抱くようになってしまう。

自分にはそんな人が何人いただろう。

「ありがとう」も「ごめんなさい」も、言う事が出来ずに音沙汰知れずになってしまった人がいっぱいいる。

もう、それで良しとするのは嫌だ。

たくさんの仮面を被り始めたのは、いつの頃からだったのだろう。
いつも心が収縮するような気持ちになる度に、それらは増えていったような気がする。

いつか。

自分にはこんな仮面なんて、無用の物だと思える日がくるのかな。
心の奥底にある本心なんて、誰にも話したことがなかった。

パートナーにさえ語ったことのない本当の自分。
いや、寧ろ彼だから話したくなかったのかもしれない。

話してしまったら離れていってしまうんじゃないかって、怖くて仕方がなかった。

今は、ぽつり。ぽつり。と、少しずつ話す事が出来て飲み込んで貰っている。
こんな事までしてくれるなんて、自分には勿体無いくらいだ。

この気持ちに胡座をかかず、生きていきたいな。

そう思うのは、どういう訳だか、最近出会う人達は、自分なんかに物凄い「気持ち」をくれるのだ。

そうされると嬉しいから、僕も自分なりに精一杯、それに応えて返す。

そうすると、いつの間にか本気なのかどうなのか、分からなくなってしまう様なときがある。
危険な兆候だと思う。
八方美人という言葉があるけれど、どの辺で止めれば良いものなのかが自分には良くわからない。

それでも、自分以外の人間と付き合えるものなら付き合ってみやがれと言う彼の言葉に大きなクッションを感じ、甘えてしまっている。

考えてみれば、この10年近く、結局彼の元にいつも戻ってきてしまっている。

いつも何を言うわけでもなく、ただ傍にいてくれて待っていてくれた。

付き合い始めの頃、他に複数の人と付き合いがあったという事がわかった時も。

そして、僕がHIVに感染してるとわかった時も。

うろたえて泣きじゃくる僕に、そうだったか。と、少ししゃがみこむようにして目を覗き込み、頭をずっと撫で続けてくれて、微笑んでいてくれていた。

自分だってそうなんじゃないかって不安だったろうに。

その後の検査で彼は陰性だったっていうのに。

女の人と同棲していたことがあって、別に結婚も出来ないわけじゃないだろうに。

自分なんか捨てて、とっとと結婚するなり、他の人間とでも付き合えば良いのに。

特に感染してた事が分かったときは、本気でそう思ってたし、言葉でも伝えた。

その方が幸せになれると思ったからだ。

でも、彼はそれを選ばなかった。傍にいたいって言ってくれた。
そしてその通りに、気付けばいつもずっと傍にいてくれていた。

だから。

大事にしなければならない。

核となる人間は誰なのか。今一度肝に命じなければならない。

彼の存在は殆どもう、自分の半身のような感じになってしまってはいるけれど。

もう一度、あの時の気持ちを噛み締めようか。
失ってからじゃ遅いから。また繰り返してはいけないから。

‥そんな風に思った。
季節外れの梅雨時から今に掛けて。

我が家の御馳走は夏野菜

朱美

うちは野菜は近くのJAのお店で買ってます。
最近、その店が新しくなり、大きくなって、
場所も、近くなりました。便利になったので、
行く回数も増えました。相変わらず、いつ
行っても、お客さんで一杯ですが、店内が、
広くなった分、買いやすくなりました。
地場の野菜が新鮮で値段が、安いんだから、
開店と同時に、ならんで入って買い物してます。
そのおかげで、我が家の食卓は、夏野菜と果物
で一杯です。大好きなトマトやナス達の、
おかげで、母も私も、体調がいいようです。
暑い、暑い夏を元気に、過ごすには、これが、
一番と思ってます。

お盆休みに思ったこと

hiroki

今年のお盆は、バンガローに泊まり、海で過ごしました。
もちろん、ゲイビーチである大竹海岸(爆)
車2台、仲間10人で行きました。

人出が多くビックリ!
毎年1回は行っていますが、今年は特に多かった気がします。
出会いを求めて、ゲイビーチの雰囲気を楽しみたくて、
海に行きたくて、思いは様々ですね(笑)

ちなみに、僕は夏を感じる為、純粋に海に行きたかったから。
⇒ホントですよ!
1年ぶりの海に入って大はしゃぎ、すっかり子供に帰っちゃいました(汗)

そんな中、一つ残念なことが。
数百人はいるゲイビーチを荒らす行為があったことです。
具体的には、ノンケが集うビーチがあるのに、わざわざゲイビーチ入口に陣取り、
僕らに罵声を浴びせる若い男女の集団がありました。
他にも複数回に渡り、ビーチバレーをやっている人達の周り(砂浜)を
ぐるぐる車で走り回って威嚇して来たり、のろのろ運転で僕らのパラソルや
ブルーシートをじろじろ笑いながら車両から見ていたり・・・。
車やバイクで何度も行ったり来たり、接触事故が起きたら大変です。

文化レベルが低いというか、異質を受け入れることが出来ない人達なのだと思います。
全員とは言いませんが、おそらく、僕らは迷惑を掛けていないかと思いますが・・・。
彼らは、僕らに多大な迷惑を掛けてきます。

改めて思ったこと。
ゲイであるということで、ただでさえ、偏見の対象となる僕達。
その上、自分の場合は、病気も持っている。
もし、それがばれたら・・・。
ビーチで少し世の中が怖くなりました。

大学時代から自然保護活動への協力を進めています。
現在のNPOでの仕事もさることながら、プライベートでも、
今後一層、それを推進して、少しでも自分の社会での有用性が
高まるようにしたいと思いました。

私の夏

なぎさのペンギン

今年は…7月30日から8月17日まで、何と19日間も夏休みを取りました。
これほど長期の休暇をいただいたのは20年ぶりです。

前半は、7年ぶりに海外渡航にチャレンジ!
旅行というにはプライベートな観光の少ない滞在でしたが、
遠く日本を離れて、いろいろ考える時間を与えられた有意義な滞在になりました。
日本に帰国してからの後半は、時差ボケがなかなか治らず、
不眠と爆睡を繰り返す日々…。
ぐずぐずしているうち台風までやってきて、アッという間に夏休みはおしまい。

今日から仕事に復帰しましたが、不思議と休み明けのツラさよりも
時間の使い方がはっきり決められる環境に戻ってきた安心感の方が大きいです。
やみくもに長い休みがあっても、今の自分にはうまく使えないですね。
まあ、せっかく時間があったのだし…私小説(人には見せまい!)でも書いて
作家気分に浸るのも悪くなかったかな(笑)

さて、北京オリンピックはそろそろ後半戦。
僕の2008年も後半戦です。

祝☆銅メダル!

つばさ

祝☆浜口京子、北京オリンピック銅メダル!

今日は朝から、というか昨日の夜あたりから、
レスリングの72kg級があるので緊張していた私。
大ファンの浜口京子が出場するから。

準決勝では中国の選手に惜しくも敗退。
私のあまりの落ち込みように、娘が
「お母さん、夕方の試合までカラオケにでも行こ」。

で、3位決定戦ではアメリカの選手に見事に勝利!
よかった~! 本当によかった~!

というわけで、今、ひとりでビールで祝杯。
浜口京子選手、本当におめでとう!!!

勝ってないけど兜の緒を締める。

たたみ

お薬を飲み始めて1ヶ月後の結果を知ることができました。

1万ん千あったウイルス量が、300くらいに激減!!
(医学的に激減なのかはわからないですが、個人的な感覚では激減!)

お薬の力ってすごい。

おかげさまで、大きな副作用らしきものも経験せずに過ごせています。

まずは一安心といったところです。

ただ、、、
今現在、飲み始めて2ヶ月くらいになりますが、飲み忘れもあり。
(寝る前に飲むはずが、飲み忘れて翌朝慌てて飲んだ)

体内のお薬濃度を保つのがこの薬の一番大事なことらしいので、
ここは気を引き締めないと。。。です。

このままうまくお薬を付き合っていけたら。。。と願うばかりです。