陽性者と家族の日記 “つばさ”

as time goes by…

つばさ

先週、友人とお芝居を観に行った。

彼女は高3で同じクラスになり、その後お互いにいろいろあって、
あまり連絡を取らなかった時期もあったものの、
ここ数年は舞台を観るときはほぼいつも彼女が一緒という感じで、
2ヶ月か3ヶ月に1度、会う機会があるという感じ。

お芝居のあとに感想を話すのも、
すごく大事なお芝居を見るプロセスの一部だと思うのだけど、
彼女はそういう意味では本当に最高の「鑑賞仲間」でもある。

さて、今回もいつものようにお芝居の前にお茶をしたのだけど、
そのときに自分の今悩んでいることを話した。
普通は、そんな話はしないのだけど、
なぜかそのときは話してみようかなという雰囲気だったから。

彼女のアドバイスは…思いがけず、耳が痛いものだった。
でも、もう20年くらい私のことを知っているからだと思うけど、
今まで相談した人のなかでは、最も的を得ていると感じた。

また、私の知らなかった彼女のこれまでが垣間見えて、
彼女はこんな人生も生きてきたんだとつくづく思ったりした。

私は「親友」ということばは好きではないし、
「悩みを打ち明けられるのが本当の友達」とも思わない。
彼女とも「何でも言い合える」という関係ではなかった
(し、おそらく今もそうではない)と思うけど、
時を経て、静かに深くなっていく人間関係ってあるんだと思った。

ネイルアート

つばさ

ネイルアートするのが、少し前からの私の楽しみ。

きっかけは、デパートのなかでやってた体験ネイルみたいなもの。
千円で、マニキュアをしてくれて、
爪3枚分だけシールやビーズできれいにしてくれるという、
お得なサービスを受けたこと。

シールとビーズをおいていくだけなら、
配色とちょっとしたデザインを考えるだけで、
不器用な私でもあっというまにきれいなネイルができる!

足も手もデカイので、
あまり体の末端に注目されたくなかったのだけど、
やっている過程の楽しさにはかえられない。

といっても、やっぱり不器用で、しかもせっかちな私。
ペディキュアなどはかなり大変で、
私よりずっと器用な娘のお世話になりっぱなし。

ふと、娘の足をみれば、プロ並みのネイルアートが!
・・・「バイトにしたら稼げるかも」と親子で目論んでます。

お好み焼き

つばさ

平日、そして最近は出かけることが多いので週末も、
夕食はいつも母が作ってくれるのだけど、
今日は久しぶりに家でゆっくりできたので、
夕食を作った・・・といってもメニューはお好み焼き。

今日は暑いし、ホットプレートで焼きながら食べるのではなく、
豚肉、イカ、干しエビ、ちくわなどなど冷蔵庫にあるものを入れ、
大量にお好み焼きを作っておいた。
ついでにニラで韓国風、ネギでネギ焼きも。

作っている間に、缶ビール2本を飲み、
ちょっと上機嫌な今の私(笑)。
娘がもうすぐ帰ってくるので、みんなで食べよう。
冷やしてあるトマトも切っておかなくては。

ちょっと泣き言。

つばさ

ひとりじゃないからといって、孤独を感じないってわけではないんだなと、
最近、つくづく思ったりする。誰かがいたらいたで頼りたくなるけど、
何でもかんでも頼ることもしたくない。

そういうときに、ひとりで悩んだりしているのは、
ひとりだったとき以上にしんどいし、孤独だなって感じる。

だから、今、この日記に書いて発散(苦笑)。

娘へのカミングアウトその後

つばさ

娘に、自分がHIV陽性であるということと、
付き合っている人がいるということを話してしばらく経つ。

このことを話した友達はほどんどが「良かったね」と
言ってくれたのだけど、ひとりだけ違う意見の友達が。

とくに二つ目のことに関して、彼女いわく、
「子どもというのは勝手なものだよ。
もう少し大きくなって自分にも好きな人ができたら、
『お母さんも誰かと幸せになって』と思うかもしれない。
でも、まだ中学生くらいでは、口では『良かったね』とか言うかもしれないけど、
本当は『お母さんは自分だけのお母さんでいてほしい』って思ってるよ」。

「あなたは『言ってよかった。これから何でも正直に話せる』っていうけど、
それは自分が楽になっただけでしょ。」

たしかにそうかもなあ。

娘も新しい学年になって以降、いろいろと悩んでいることがあるみたいだし、
そんなときに私はさらに悩みの種を与えてしまったのかも。

う~ん・・・。子育てって難しい。
でも、もう言ってしまったことは取り返せないのだから、
これからどうやっていくかを考えていかなくちゃ。

笹に願いを

つばさ

私が使う空港は季節に合わせていろんなディスプレイがされている。
3月に来たときはひなまつり、5月は端午の節句というように。
今回は七夕。笹がたててあり、短冊に自由に願い事を書くことができた。

アラフォーの私も一枚願い事を書いてみた。
親子連れが多いなか、ちょっと恥ずかしかったけど・・・。

願い事は・・・ヒミツ。
言うとかなわない気もするし(って、お正月の夢の話だっけ?)。
短冊に願いを書くなんて、娘の保育園のとき以来で、
なんだか願い事がかないそうな気がしてうれしかった。

というわけで、今はバンコク。
今度は明日から二日間ミーティングで、ぶらぶらする間もなく即帰国。
今日はスパに行ってリラックスできたのでとてもいい気分。
明日からのミーティングもこの気持ちでがんばろうっと。

夏の訪れとネパール料理

つばさ

今日は本格的な夏の訪れを感じさせるような暑さ。
夏バテ防止に娘とネパール料理を食べにいくことに。

ほうれん草とチーズのカレーとマトンのカレー、
ナンを二種類、ラッシー、チャイ、サラダ、
モモ(ネパールの餃子みたいなもの)を注文。
デザートにアイスもついて、かなり量が多かったのだけど、
夏バテどころか、すごい食欲で完食。
やっぱり夏はスパイシーなものが一番かも。

娘へのカミングアウトその2

つばさ

ついさっき、何気ない調子で、
「そうだ、今好きな人というか、付き合ってる人がいるから、
またそのうち紹介するね」と娘に伝えた。

「え~、誰?!」ときかれたので、こういう人だよと説明した。
娘いわく、「まあ、何となくそうかなと思ってたんだ、
最近、お母さん、なんかかわいい感じだし」。

私はそこまでわかりやすい人間だったのか・・・。
HIVのことといい、今回のことといい、実はバレバレだったのかも?!

ただ、付き合っていることを娘に伝えたり、
その人を紹介したりしたことが今までなかったのだけど、
今回はそれが自然にできる人だと思えるのが、とてもうれしい。

「また、そのうち紹介して」と娘。
とくにびっくりした様子もないのが、これまた不思議。
やっぱり、私ってわかりやすかった?!

娘へのカミングアウト

つばさ

今日の午前中、話の流れで、
娘に私がなぜHIVに関わる活動をしているのかを話した。
つまり、私がHIV陽性者だということを伝えた。

娘は「そうなんや~」と言ったあとに、
「何となく、そうかなとは思ってた。
おおざっぱな性格のお母さんが薬だけはちゃんと飲んでたし」。

あとは、どうして感染したのかとか、
自分(娘)はなぜ感染しなかったのかとか質問があり、
私が「心配?」ときくと、
「お母さんがいつも『HIVは薬でコントロールできる』
と言ってたし、お母さんはちゃんと飲んでいて大丈夫だと思うから、
そんなに心配ではないよ」との返事。
母子感染予防のこととか、薬のこととか、なんとなく話をしていたことが、
ちゃんと娘のなかには残っていたみたい。

これまで性とかセックスに関しても、
できるだけストレートに話をしようと努力してきたので、
そういうことで話しにくいということはなかったけど、
今回は感染がわかったときや、
それから今までの複雑な気持ちをできるだけ正直に話した。

「感染しない方がいいけど、
感染したからと言って不幸だとか思ってないよ。
あなたのお父さんと出会って結婚して、
あなたが生まれてっていうことも、今までの人生も」って。
「こういうのって、矛盾してるかな?」ときくと、
「そんなことないと思うよ。
だって、実際、お母さんと私は今、ハッピーやんか」。

「カミングアウト」というのもすごく大げさなことばに思えるほど、
これまで懸念だと思っていたことが、すんなりと済んでしまった。
まあ、ここ数ヶ月、いつ言ってもいいなという雰囲気はあったのだけど。

これから、より正直に娘と向き合える気がする。良かった良かった。

大事なこと

つばさ

少し前に、小学校の同級生が亡くなるということがあり、
娘より一つ年下の息子さんを残して逝かなければならなかった、
彼女の気持ちを考えるといたたまれない気持ちになってすごく落ち込んだ。

そして、改めて、自分にとって大切なものは何か、
自分はそれを守るためにちゃんと行動しているかということを、
とてもまじめに考えた。

自分は何ができるかとか、何を成し遂げたかとか、
そういうことに目がいってしまいがちだけど、
極端な話、もし明日、自分の人生が終わるとしたら、
好きな人にちゃんと好きと言ったり、それを行動で表したりして、
大事な人たちとしっかり過ごしたかということが一番大切なんじゃないかな。

そういえば、去年の秋に乳がんの超音波検査で「要再検査」が出たときに、
全く同じことを思ったなあ。

そろそろ人生の半ば過ぎになり、自分の人生はこれでいいのかとか
考えて焦ったりすることも多いけど、「自分」だけじゃなく、
周りもハッピーにしていられるような自分でありたいと思う。