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この夏を乗り越えて

楊井(電話相談スタッフ)

夏も過ぎすっかり秋らしくなった今、「電話相談を一日も休止することなく無事にこの夏を乗り切った」との感慨が強い。今年8月を思い返すと、連日更新されるCOVID-19新規感染者数や、入院できず自宅で亡くなる方のニュースに暗澹たる気持ちを抱えて毎日出勤していた。オリンピックなど別の世界のことだった。このような夏をようやく乗り越えて、今気になるのは、長く続くコロナ禍がHIVに関する状況へ及ぼす影響である。ここ最近(10月末現在)立て続けに数件、「体調が悪くて病院に行ったら(エイズ発症の可能性のある状態で)HIV陽性が判明した」という相談を受けた。たまたま類似の相談が重なっただけなのだろうか?コロナの影響を受けて、「保健所がHIV検査を中止していて検査を受けられない」「人と接する機会が減る中で、HIVに関する情報を得る機会が減った」などの理由により、検査を受けるタイミングを逃している方が増えているのでは?体調が悪くなってからやっと病院を受診してHIV陽性を知る方が増えているのでは?・・・代表の生島さんはよく「電話相談は、社会で今何が起こっているのかを映す鏡のようなもの」と仰っている。電話相談の声の背景にある社会状況への想像力を持ちながら、今後も一日も休まず相談に耳を傾けていきたい。

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