陽性者と家族の日記 “つばさ”

玄米ごはん

つばさ

1ヶ月くらい前から玄米ごはんを炊き始めた。

うちは、私が中学校の頃に一度、父が何を思ったか突然、
「今日から玄米にするぞ!」と言い出し、
数ヶ月間、玄米ごはんを食べ続けたのだけど、
あまりのまずさに食卓の雰囲気がだんだん悪くなり取りやめに。

今回は母がヨーグルトを少し入れるという炊き方をきいてきて、
それで炊いてみたら「これが玄米?!」というくらいおいしく、
はじめは自分だけ白米を食べていた娘も、数日前から玄米を食べ始めた。

玄米ごはん独特の歯ごたえがクセになるおいしさで、
外食で白いごはんが出てくると何だか物足りないし、
「香りがちがう!」と思ってしまう最近の私。
健康志向というわけでもないけど、食べ過ぎて太るかも…。

母の日

つばさ

 今日は母の日。何か日頃の感謝を表すことをしたいと思いつつ、
昨日から用があって泊まりで、今日帰れたのは夕方。
ごはんでも作ろうかなと思っていたのだけどそれもできず、
逆にわざわざ私のためにごはんを作ってもらってしまった。

 ここ数年、つくづく母のありがたさを感じる。
私が仕事をしたり、HIVのことに関わったりできるのは、
本当に母のおかげだなあと思う。

 それはもちろん、娘の面倒をみてもらっているとか、
目に見えることもあるのだけど、それより何より、
母が理解してくれている、応援してくれているという、
強い安心感があることが大きい。

 本当は、こういうことを面と向かって言えばいいのだろうけど、
なかなか照れくさくって言えないまま、今年もプレゼントと
「ありがとう」の一言で終わってしまいそう。
せめて毎日、小さい「ありがとう」をいっぱい積み重ねるようにしよう。

おばあちゃん

つばさ

 今日はおばあちゃんの一周忌のお参りだった。
 もう、1年経ったのかという気もするし、
まだ1年しか経ってないのかという気もする。

 すっかり、おばあちゃんのいない生活に慣れてしまったけど、
おばあちゃんの好きだったお饅頭や三ツ矢サイダーを見たり、
おばあちゃんがよく作ってくれたりんごと甘い玉子焼きのサラダを
作ったりすると、穏やか~に笑っていた顔を思い出す。

 亡くなった日に、おばあちゃんが手折って部屋に挿していた八重桜も、
今年はまだ咲かないかと思ったのに、ちゃんと美しく咲いていた。
昨日はすごい寒い日だったのに、今日はお参りの時間だけ、
急に晴れて穏やかな天気になった。今は雨が降っているのに!

 もうここにはいないけど、おばあちゃんのことを思い出すと、
すごく暖かい気持ちになって、見守ってもらってるんだなと、
理屈じゃなく思う。

「ありがとう、おばあちゃん。
これからも、私たち家族を見守っていてね!」
お経を読みながら、そう思った。

 

独立

つばさ

 今日は娘と私にとって記念すべき日となった。
…なんていうと大げさだけど、二人がそれぞれの部屋を
持つことにしたのである。

 これまではお互いの机を並べた部屋が勉強部屋兼リビング、
セミダブルベッドを並べた部屋が寝室と、二人で一緒だった。

 でも、6年生になり、「一人の部屋にしたい」と宣言。
お天気のよい今日を利用して、父と母に手伝ってもらって、
家具の大移動をした。

 ベッド、机、本棚、電子ピアノ。
まだ洋服ダンスはないけれど、ほぼ自分の思う通りの
部屋ができて、満足げな娘。

 昨日までは添い寝だったのに、ちゃんと眠れるかなあ。
ちょっと心配。そして、ちょっと寂しい私。

充電日

つばさ

 今日の午後は久しぶりにゆっくり家で過ごすことができた。
お天気が良かったので、布団を干したり、
部屋を掃除したり、いよいよ本格的に衣替えをしたり。
洗濯物をたたむのも、暖かいお日さまの匂いがして、
いつもは面倒だなあと思うのに今日は何だかうれしかった。

 仕事や趣味など自分のしたいことをどんどんやっているのも
もちろん楽しくて充実しているけれど、
こういう日常のこまごましたことをするのも、
自分の精神状態にはすごく大切だなあと思った1日だった。

 あと1時間くらいで娘が塾から帰ってくるので、
そろそろ夕ごはんの準備をしなければ。

 今日はそのあと、娘と2人で「年度末おつかれさま」の宴会を
しようと約束した。といっても、サラミとチーズ程度を肴に、
私は350mlの缶ビールを、娘は紅茶を飲むっていうくらいなんだけど。

 

こまぎれ時間

つばさ

 昨日と今日は電車&新幹線で移動する時間があったので、
最近、携帯用に買ったPCをかばんに入れて出かけた。
 
 片道ローカル線の移動時間が約1時間に、新幹線が約2時間。
データとして保存しておいた資料を読んだり、
今月後半からの仕事の予定を立てたり、
まとめようとここ2週間くらい思っていたものが書けたりと、
いろんなことができた。

 家で同じことをやろうとしても、ぜんぜん進まないのに、
こういうときだと作業がすごくはかどるのが不思議。

 それを友達に話したら、彼女も同じ考え。
彼女は本が集中して読めるからと、普通は新幹線で行く距離を、
わざわざローカル線に乗って行ったりするそうで、
「そのほうが安上がりのうえに、時間を有効に使える」。

 私は移動時間だけじゃなく、娘の習い事の待ち時間も、
不思議と集中力が高まるときで、だいたいカフェラテ1杯頼んで、
読書三昧で1時間から2時間過ごす←嫌な客?!

 移動時間とか待ち時間とか、無駄なこまぎれ時間に思えて、
実は一番、密度の濃い時間なのかも。

 

目が離せない…

つばさ

 久しぶりに舞台を観にいった。蜷川幸雄演出の「間違いの喜劇」。
シェイクスピアの初期の戯曲で、今回は全ての役を男性が演じたのだけど、
そのなかに1人、どうしても目が行ってしまう役者さんがいた。

 それは、ルシアーナという女性の役をした役者さん。
衣裳から出た背中のきれいさとか、姿や立居振舞の美しさ、
演技のうまさもといったことももちろんなんだけど、
なんとも言えないような色っぽさ…というか、妖しい雰囲気があった。

 休憩なしで続いた2時間の間、ルシアーナが出てくるたびに、
もうドキドキ。うまく説明できなくてもどかしいけど、
そのドキドキも、「きゃ~、かっこいい、きれい~!」とかいう、
単純なものじゃなく、どっちかというとゾクゾクするような感じ。

 こういう人を舞台で見つけられるのって、
芝居を観る醍醐味の1つだなあとつくづく思う。
容姿端麗で、演技がうまい役者さんはたくさんいるけど、
彼のような、「うわっ、この人、ちょっとおかしい」
(もちろん、いい意味で)という人はなかなかいない気がする。
また、この役者さんの出る舞台をチェックして観にいこう。

 

遠距離

つばさ

 私の今好きな人は遠くに住んでいるので、
コミュニケーションはほとんど電話である。

 もっと若いときは、好きな人にはとにかく会いたいと
思う気持ちが強かったけど、今は逆に、距離があるのも
お互いにとっていいんじゃないかと思ったりもする。

 ただ、Webcamというのが便利に見えてけっこう曲者!
下手に顔が見られたりすると、手を伸ばしたら触れられそうで、
生身の相手に会いたくてたまらなくなってしまうから。

 今も実はそんな気持ち。
なので、心を落ち着かせるためにこの日記を書いている私。
誰か「どこでもドア」を発明してくれないかなあ。

 

ありえない…

つばさ

 今日は会社が休みだったので、友人3人と一緒に少し遠出して、
滋賀県長浜市に行ってきた。みんな子持ちなので、
子どもが登校してから帰宅するまでのあいだである。
娘ともけっこう何度も来たことがあったのだけど、
平日に友達と来るというのも、またゆっくりして楽しかった。

 お昼ごはんに名物「のっぺいうどん」というのを
いただいたのだけど、そのうどんにのっていたシイタケが、
ありえないくらい大きくてびっくり。
メニューには「大きなシイタケ入り」みたいに書いてあったけど、
まさか、子どもの顔くらい大きいとは!

 シイタケが苦手な私はそれを注文しなかったのだけど、
今でもなぜかそのシイタケが頭に浮かんできてしまう。
今夜は夢に出そう…。

1日早いひなまつり

つばさ

 本当のひなまつりは明日だけど、
明日はみんなでゆっくりごはんを食べる時間がないので、
かわりに今日、ちらしずしとハマグリのお吸い物をいただいた。
もちろん、作ってくれたのは母である。

 自分と娘だけだったら、きっとこういう季節の行事みたいなものも
あまり気にせず、1年がなんとなく過ぎていってしまうだろうけど、
おばあちゃんのおかげで、柚子湯、節分、七夕などなど、
日本人らしいことを経験できてありがたいなあと思う。

 私などは「3日にひなまつりができないなら次の日に」と言って、
「おひなまつりやのに遅れてどうすんの!」と母にあきれられてしまった。

 何はともあれ、ちらしずしとお吸い物はおいしかった。
夢中で食べたあとに、はっと気づいて娘の健やかな成長を願った私。
大丈夫か、私?!