陽性者と家族の日記

自分が思っていたよりも

なぎさのペンギン

「なるべくいつもと同じ調子で
前を向いて進んで行きませんか」 
                     
2020年3月8日。
パンデミック初の緊急事態宣言が
出される直前の”陽性者と家族の日記”に
僕はそう書きました。

あれから3年が経ったんですね。

Time flies

NHKの”みんなのうた”を見ていたら、
ケツメイシの新曲が流れました。
題名は「自分が思っていたよりも」。

僕にとって、ケツメイシは
思い入れの強いアーティスツ。
HIVの感染を知った年の夏に発売された
アルバム「ケツノポリス4」には、
「さくら」「君にBUMP」「涙」など
代表曲がたくさん収録されています。

当時の自分に元気をくれたケツメの
メンバーたちも そろそろアラフィフ!
(自分がその10年上くらいなんやし、
当たり前なのですが)

「自分が思って…」のMVでは、
ある男性の約20年にわたる成長が
ドキュメンタリーで描かれます。

20年前の自分は、20年後の自分が
どうなっているかなんて
想像すらしませんでした。

2023年までに HIVやゲイの友人たちが
いろいろな理由から次々と世を去り、
大好きな相方や母も故人となりました。

すべてのことには意味がある

最近の映画「フェイブルマンズ」では
登場人物の子供たちに対し、お母さんが
こんな言葉を伝えます。

有名な英語のことわざのひとつですが、

“Everything happens for a reason.”
“すべてのことには意味があるのよ”

人生は想定していなかったことの連続。
全ての物事は”なるべくしてなった”。
だから成功におごらず、失敗にくじけず
先を恐れずに進み続けよう。

という思いが込められています。

映画の後半で父と母は離別し、
一家の幸福は崩れてしまいます。、
つらい思い出を胸に子供たちは成長。
そのひとりである長男は、数十年後に
映画界の巨匠 スピルバーグになりました。

我慢して生きるほど人生は長くない

たたみ

「青春時代が終われば、私たち、生きている意味がないわ」

あるバンドの曲の歌詞が突き刺さる昨今です。

50代に乗り、またコロナによる生活様式の変化によって今まで気づかなかった自分に気づくことも多々あり、

「自分の未来が見えない病」を患っています。

色々と考えて(考えが足りない気がしないこともないけど)いる中、ある本のタイトルがとても引っかかりました。

「我慢して生きるほど人生は長くない」

50代ともなれば自分の得意なこと/苦手なこと、できること/できないことの分別は概ねつき、思考も保守的になり、新たな可能性を広げる余裕もかなり少なくなるお年頃。もちろんガンガンチャレンジする方もいるでしょうが、僕はそうではないようです。

とりあえず、今の自分の仕事の内容が、とても苦手でうまくいできないことだらけでだと分かっていながら我慢して仕事を続けていましたが、我慢をやめ、今の職場を脱出することにしました。一時的に厳しい状況に置かれますが、自分のできる範囲で次に進んでいこうと思っています。

それでもだめなら次いくかぁ~くらいの気楽なノリでやっていきたいな。。。ビビリな僕に勇気を。。。

さて、僕の未来のドラマはどう展開していくのか・・・?

終わり?始まり?

たたみ

新型コロナの閉塞から開放されてきている今春、気づけばサル痘の感染拡大が続いているようです。

感染者もいわゆる地方と呼ばれる県でも報告されてきました。

ネットで色々と情報を漁っていると、感染様式からするに自分の身の回り・行動でも気をつけないといけなくなってきたようです。

賞味期限切れの近い(もう切れている?)独身には、出会いを求めるのにもなかなかつらい状況が今後も続きます。

サル痘についは、ぷれいす東京でも情報提供していただいているので、こまめにチェックしてきたいと思います。

mpox(サル痘)関連情報

デンマークでの同性婚

ひろき

昨年12月、デンマークで友人のゲイカップルの結婚式に出席しました。
厳密に言うと、市役所に婚姻届けを出す際の宣誓式で、
日本でそういった式がないので、書類を提出する手続きを想像していました。

実際には、市役所のスタッフ3名が、伝統的な衣装に身をつつみ、
二人の宣誓を証人として見届けてくれる、より儀式的で、
より暖かく、より感動的な式でした。
立ち会うスタッフは、まるで自分の知り合いの式かのように、
一緒に喜んでいるように感じられましたし、
式に出席した私たちを楽しませようという気持ちが伝わりました。
伝統ある市役所の小規模な集会室で行われた式には、教会のような宗教色はありません。
個人同士が自由意志で結婚を誓い、それを市民社会の代表が見届ける、
というデンマークの社会に根付いた民主主義の深いものを感じました。

結婚した二人は、実はデンマークに縁もゆかりもないイギリス人とカザフスタン人のカップル。
そんな二人がなぜ、デンマークで婚約したのかというと、
諸事情で英国申請した婚約が承認されるのに時間がかかっていたので、
居住者でなくてもカップルの婚約を認めるデンマークで先に結婚したとのこと。
申請すればすぐに承認されるわけではなく、二人は関係性を証明するために、
会話アプリの過去の会話のやりとりを証拠書類として提出する必要があったそうです。
登録費用は日本円で2万程度で、3人の大人が30分程度時間を費やしているので、
デンマークの高い物価を考慮すると、営利目的では受け付けているわけではないようです。

式中に、予想以上に感情がこみあげてきたのですが、同時に、
どんなメリットがあり、何が目的でデンマークは、居住者以外の同性婚を受け付けるのだろう、
しかも、こんなにフレンドリーなスマイルで、歓迎してくれるのだろうと疑問に思いました。
式の証人となったコペンハーゲン市役所(市役所が結婚を受け付けて、証明書を発行)の
スタッフに素直にこの質問をききました。
そうすると、「ただ人間として当たり前のことをしているだけです」という回答。

使い古された自由、平等、人権といった言葉が、あらためて尊く、温かく、そして力強いものだと感じました。

時計

IHO

時計があの日のまま止まった人
時計をあの日のまま止めた人
時計があの日から動かない人
時計をあの日からゆっくり動かしている人
時計があの日から動いている事に氣付かない人
今日を迎えて、あっという間だと感じる人

ひとそれぞれの時計で生きて、いる。

時計が動き出した時、悲しみも少し動いてくれたらいいのに
時計が動き出して、笑顔もやってくればいいのに

今日は二度と来ない今日なのだけれど
今日だけはあの年の今日に戻ってしまう

IHO 拝

同性婚に関する岸田首相の発言

ひろき

「社会が変わってしまう。」

この岸田首相の同性婚に関する発言は、とても罪深いと思います。
現政権の同性婚やLGBT差別への後ろ向きな姿勢が国内だけでなく、
海外にまで伝わってしまいました。

日本語のてにをはは難しいのですが、性的マイノリティの人間が、
社会の外に存在し、受け入れを危惧している印象です。
実際は、顕在化しにくかっただけで、昔から存在するし、
多数派と同じように人権を持つ社会の構成員です。

この発言が今後、呪いのように岸田首相、自民党、
そして現政権につきまとい、どんなに議論が進んでも、
どこか白けた感じで、不信感がぬぐえなくなります。

私個人としては、欧米でも宗教的なタブーなど、
いくつかの議論の段階を経て同性婚が実現したことを踏まえ、
日本は日本の議論があるべきで、ある程度、
国民が納得してから実現してほしいと思っています。

ただ、セクシュアリティは自分で選ぶことができません、
たまたま少数派で生まれた人間が、誰かを好きになったときに、
結婚という選択肢がない、というのは絶望であり、
将来への不安を感じるし、何より不公平です。

差別禁止法というのも、十代の性的マイノリティなど、
自殺リスクが高い人たちが大勢いるので、命にかかわる問題です。

同性婚とLGBT差別禁止法案は、一部の人たちの特別扱いや、
行動や発言の自由の制限、社会を分断するものではなく、
まずは少数派の安全を確保し、多数派がいるスタート地点に
立たせるためのものだと信じています。

言えないよ

IHO

LGBTQ+とか言われても、なんともPINとこない僕です。

首相秘書官の方の発言で色々すったもんだあり更迭されたニュースに
どう反応すればいいのかしらン…
「LGBTの方々を受け入れる社会にしなきゃならないのに」
「LGBTQの人達が生きやすい国にしなきゃ、世界から遅れている」
「LGBTQ+の方に私達理解があります」とかとかいろいろ
街角インタビューの声を聞くと、
心遣いアリガトウゴザイマス。お構いなく。と思っています。
LGBTQ+について公に意思表示する事ってナニカのステイタスですか。

実家に帰省して母と何度も繰り返しテレビから流れてくるこの話題を
見ていると母が
「お母さんは、男の人が男の人を好きとか、女の人が女の人を好きとか
分からないな」と(多分)先の秘書官さんの意見にそんなに違和感は持っていない様子。
「昔はそういう人って居なかったんだよ」と“僕”に話します。
美○明宏は?
「美○さん、そうだね。でもナヨナヨしていないじゃない」
マ○コ・デラックスは?
「マ○コさんって男なの?頭良くって面白い人だよね」
氷○きよしもそういう人かもしれないよ。
「お母さん、氷○きよしさんって歌、上手で大好きだったけど
最近女の格好しているから好きじゃない」

何とも耳触り良くない発言ですみませんm(__)m
母は数十年前では珍しい、働く女性でした。
家が貧しいと云うのもあり所謂専業主婦ではなく朝から晩まで家には居ませんでした。
そんな母でも、男尊女卑みたいな考えを持っていて
同性愛者は最近の人達って考えているんだと実感しました。
未だ、初老の僕に「結婚しないの」「孫を抱きたいな」と希望を寄せる母に
少し心がいたみます。

LGBTQ+について理解を拡めていく事で何を期待していいのでしょうか。
海外はどんな風に対応しているんだろうか。
今回の様な発言って今までも何度もあったのに今回はオオモンダイになり
色々政治的にも動いているように見えますが、LGBTQ+への関心や理解を深める好機となるのでしょうか。

僕は自分のセクシュアリティを
家族/きょうだい/甥姪には言えないな。墓場まで持って行くな。

IHO 拝

2月1日

鳥前 進

6年前の2月1日、僕は「HIV陽性です」と告知された。

きのうの朝、目が覚めて最初に思い出したのは、告知と一通りの説明を受けて建物を出たときに目の前に広がる「色のない新宿の街並み」だった。あの時から人生が変わった…

のかは分からない。日頃HIVを意識することは滅多にないけど、毎年当時を思い出してつらい気持ちになるのは確かだな…

来年の2月1日は何を思うのだろうか。

COLORS

IHO

今も無職無収入の高等遊民生活が続いている僕です ^^;
そして、今も求人票とにらめっこして絶賛再就職活動中のオイラでもあります(^^
年齢とか性別とか経歴とかが僕の選択をかなり鈍らせています。

年齢はただの数字!年金給付の時にしか重要ぢゃない!を謳っていた僕ですが
「この歳で応募してもいいですか」
「男ですけど需要ありますか」
「業務経験はなっがぁーいですけど、知識はあっさぁーいですよ」
非常に臆病になっています。
若い頃は白いキャンバスに何度も繰り返し塗り潰して色んな自分を描いたものですが。

失敗も恐怖ですね。いいとこ、わるいとこ、しろとくろ。
「この職場でずっと働いていけるかな」
「嫌だと思っても辞めちゃ駄目」
「給料は、人間関係は、福利厚生は、どこがお得かしら」
白いキャンバスに初老の僕が自分のこれからの人生を描くには
筆が乾き過ぎているみたいです。

これからの自分の人生に白旗を掲げるのか? 俺。
黒い服を着て自分の人生を葬るのか? オレ。
自分の持っている色は数色種類しかなくなったようだけど
周りの多くの人達、沢山の方々から少しづつ色を頂いて
また、描いていきましょう、おれ。

IHO 拝

気付けば年明け

まさお

年末仕事疲れからなのか発熱の為引きこもって寝正月…  犬の散歩以外は外出せずの念の為の自主隔離。 ひたすら引きこもって人との接触は避け…唯一の人との接触はお年玉を恐喝しに来た小僧どものみ。

正月らしい事何もしてないなーと思ってたら1月も後半。 時間の流れが速い。こーして1年が過ぎて行くんだろうな…

HIV関連で言えば、新薬で注射タイプが出たとか。毎日薬飲む必要が無くなるのはいいけど、主治医と話して暫くは様子見。 何で、腕じゃ無くてお尻に注射なんだろう。