陽性者と家族の日記 “ひろき”

水平線の先

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夏休みに、以前から憧れていたシチリアに旅行してきました。シチリアの日差しは日本よりも強く、乾燥した大地に実るレモン、市場に並ぶトマトやオレンジを見ていると色の洪水に飲み込まれるような感じがしました。ギリシア、イスラム、バイキングと、絶えず異民族の侵入にさらされてきた喧騒の街を歩くと、ここがヨーロッパなのか、中東なのか、そして自分がどこから来たのか分からなくなりそう。空と海の間、水平線の先は、もうアフリカだそうです。でも、ロンドンに帰ってすぐに、シチリアで買ったカラスミ入りのお茶漬をすする自分は、やっぱり日本人。エスプレッソも美味しいけど、やっぱり緑茶が落ち着きます。 日本から連絡をくれる家族や友人が、自分がどこから来たのかを思い出させてくれます。自分のルーツとのつながりを持ち続けることは、実はとても幸せなことなんですね。そのつながりに感謝、です。

スーパーで買える王室御用達?

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イギリスで生活をしていると、度々、王室御用達マークをみかけることがあります。王室御用達、と聞くと、とても特別な品で、値段も一般の人には手が届かない、と思われるかもしれませんが、私が普通に買い物しているだけで、たまたま手に入った王室御用達を紹介します。まずは、紅茶のトワイニングス。日本でもお馴染みですよね。こちらはエリザベス女王御用達、とあります。チャールズ皇太子が御用達にしているのはヨークシャーという紅茶のブランド。こちらもイギリスでは一般的。意外なものでは台所洗剤のFairyやケロッグのフレーク。ここまでくると、イギリス王室に親しみさえ感じしてしまいます。イギリスらしいといえば、銀製品のクレンザー、SILVOもあります。みなさんも、お土産にスーパーで買える王室御用達、いかがでしょうか?

自分と向き合う、って

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ここ5年ぐらい、真剣なパートナーがいません。これについて、世間一般でよく言われる「理想が高い」「たまたま良い人にめぐりあっていない」などといった説明に対する肯定&反論はとりあえずおいておきます。でも、気がついたんです。この5年って、ちょうど陽性反応の結果をしってからだと。読んだ方が不愉快になる自慢になりますが(笑)、5年前までは、パートナーが途切れたことがなかったのが、それ以降、プッツリ。もしかして、病気のことで、人と深く関わるのが怖くなってしまったのかもしれません。もっというと、好きな人に病気のことを話したり、拒絶されるのが怖い。そもそも他人と向き合う以前に、実は病気である自分に対して嫌悪感があり、受け入れきれていないのかも、などど思ったり。だから相手探しの前に、まずはありのままの自分と向き合おう、なーんて。言うのは簡単ですが。少しずつ前に進みたいですね。

アウトサイダーアート展へ

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ロンドンで開催されている日本のアウトサイダーアートの展覧会に行きました。アウトサイダーアートは、芸術教育を受けていない、障がい者たちによるアート、と定義されることが多いようですが、私にとっては初めての経験。展覧会にいって、そのパワーに圧倒されてしまいました。教育を受けていないとはいえど、普段自分たちが接しているメディアや、自分たちの生活に根づいたものを自由に表現する彼らの芸術は、まさに“爆発”。そういえば、ゴッホや草間弥生も、大勢の人と違う視点から世界を見ていた、という点では今回のアーティストたちと同じかもしれません。私を含む多くの人は、こうでなきゃいけない、こう考えなきゃいけない、といった縛りに捕らわれて生きているのかもしれませんね。でも、そんな固定概念を取り払い自由に自分を表現するのは簡単でもないし、みんなが“自由”に表現していたら、信号機のない街で運転するような感じになるのかも、と考えたり。色々な人がいる、互いを認め合う、それが住みよい社会の基盤なのかもしれません。

寝る前の油にご注意

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2月にフランス・スキー旅行のお土産は、チョコレート。夜寝る前についつい食べてしまったのですが、その度に翌朝、頭がぐらんぐらんします。以前、お医者様に言われたのですが、夜寝る前にカレーなど、油っぽいものを食べると薬の吸収が促進され、副作用が高まるのだとか。そういわれるとチョコレート、とくにフランスのものはたくさんバターを使用してそう。薬独特のめまい感、倦怠感がいつもよりもまして、朝がしんどかったのもうなずけます。先日、友人がサラダにドレッシングをしみこませるためにオリーブオイルをあたためて、ドレッシングをまぜていました。いつもより味が染みておいしかったのですが、これと同じメカニズムなのか? とにかく、投薬を始めている方は、夜寝る前に油っこいものはよくないようです。

12年ぶりのスキー

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冬休みにスキー旅行にいってきました。ロンドンから2時間のフライトでイタリア・トリノに到着し、車で高速を1時間半走り、ついた目的地はフレンチ・アルプス。ここら辺の地理感覚はまったくないので、どこにいるの分からずじまいでしたが、日本に比べて険しい岩山、そして雄大な景色が印象的でした。12年ぶりのスキーで、緊張したのですが、自転車と同じで、身体が覚えていてくれたようで、なんとか怪我もなく、無事に滑ることができました。小さいころの家族スキー旅行や、クラスメイトといった旅行など、楽しい思い出も思い出すことができました。大自然を目の前にした瞬間、不思議な安心感に包まれました。日々の悩み、仕事のこと、そして病気のことがとても小さなことのように感じられ、この目の前の雄大な自然に戻っていくのであれば、死ぬことも自然に受け入れられるような、そんな気持にも。こういう瞬間は、たまには必要ですね。ちなみに、ネットで申し込んだスキー旅行保険の加入時に陽性であることとを明記したところ、血液検査の数値を記入する欄がありましたが、追加料金はチャージされませんでした。ご参考までに。

新年

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明けましておめでとうございます。ロンドンの新年は、テムズ川の花火大会から始まります。でも、お正月気分もないまま2日から仕事始め。やはり、おごそかな雰囲気の正月は日本独特で、私も恋しくなりました。毎年、年始の思うのですが、1年はあっという間。今年は、と、新年の誓いを立てるのですが、ほとんど実現されることもなく1年が過ぎていきます(泣) それはイギリスでも同じようで、1月のジムには、今までにないくらいの混み具合。痩せる、など、新年の誓いを立てている人が多い証拠でしょうか。でも、1か月も続かないんだとか。私の誓いはというと・・・・とにかく人生を貪欲に楽しむこと、でしょうか。やりたいことは、どんどん実行に移して行こうと思っています。それでは、2013年、皆様が健康と幸せでありますように。

秋のリスボン

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9月末に、ちょっと遅い夏休みとしてポルトガルのリスボンに旅行しに行きました。ポルトガル、といえば、エッグタルト、ぐらいしか知識がなかったのですが、考えてみれば、15世紀末から16世紀にかけて、日本と南蛮貿易(日本史の授業で習った知識の受け売り)していた国。パン、ボタン、カステラなど、今でもポルトガル語からとりいれた表現もあります。世界地図を見てみると、スエズ運河のない時代のポルトガルから日本への航路は、喜望峰を回って、インドのゴアを経由し、中国のそのまた奥。。。好奇心が人を動かす力って、すごいですね。

祭りのあとのロンドン

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ロンドンではオリンピックとパラリンピックが終了しました。いつもは、ちょっとクールに構えて、あまのじゃくな態度をとることが多いイギリス人たちも、蓋を開けてみれば大いに盛り上がってたようです。特に、パラリンピックは、史上初めてチケットが完売したとか。他の比べてどの国が進んでいるとか、簡単に言いたくないのですが、障がい者の社会進出に関しては、イギリスは“進んで”います。福祉システムやインフラについては、専門家ではないのでコメントは避けますが、クラブやバーで、車いすの方がごく普通に楽しんでいるのをみかけます。つまり、障がい者の方が、日常生活の一部に、ごく自然に入って自分たちが楽しむ権利を享受しているのです。これは、日本とは違う印象です。パラリンピックに出場していた選手たちを見ていると、“障がい”とか“欠けている”ということではないのが分かります。人間は、何か不便なことがあれば、それを補おう、とほかの部分補助したり、感覚が研ぎ澄まされたりするのだそうです。パラリンピック選手たちは、“健常者”の選手たちより、自由にに感情表現していました。その姿を見ていると、“健常者”のほうが、型にはまったイメージにとらわれていて“不便”なのかもしれない、そう思わされました。

真夏のロンドン

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イギリス、といえば雨か曇り空、と思い浮かべる方もおおいのではないでしょうか。ところが、ここ数週間のロンドンの天気は、30度をこえるような真夏日が続いています。地下鉄などにクーラーがないのが当たり前なので、実感温度は東京以上に高いかも。夏のイギリスに、緯度の関係で夜遅くまで明るいということもあり、野外イベントが続きます。公園には、水着姿で日光浴を楽しむイギリス人もたくさん。冬の天気が東京以上に悪いだけに、なるべく夏の日差しを思いっきり楽しみたいのでしょう。日本のような“夏バテ”ということばは聞かないのですが、食欲もさすがに落ちてきます。今日の新聞によると、きゅうりやお茶類は体温を下げる効果があるとのこと。アイスクリームは逆効果なのだとか。食欲の維持も、健康管理の一環なんですね。