スタッフ日記 “生島”

「ラッシュ」輸入でいきなり逮捕

生島

ここのところ、ラッシュを個人輸入し、税関からの通報で警察が動きだし逮捕されるという事例が増えている。以前は、「もし税関でひっかかっても、所有権を放棄すれば大丈夫」という認識が多く流通していた。しかし、指定薬物となったところから、取り締まりが強化されたのだ。

このあたりの経過を少し、報告しておく。

ラッシュは、2007年4月から薬事法改正により指定薬物として販売が規制された。

この指定薬物という枠は脱法ドラッグ(現:危険ドラッグ)と同じ枠組みにはいっているのだ。その後、脱法ドラッグ(現:危険ドラッグ)による交通事故などが多発したため、2014年4月からは規制が強化され、所持・使用等も禁止となった。

さらに、2015年4月からは、改正関税法が施行され、個人輸入も取り締まりの対象になった。個人輸入をし、税関で発見されると、警察は連動して捜査を開始する。

ぷれいす東京には、これまでにも、何人かのゲイから実際に捜査を受けた際の相談を受けている。個人で所持していた事例もあるし、他人から依頼されて名義を使われてラッシュを輸入されて、数週間拘束されたひともいる。

最近、イギリスでもラッシュの所持で7年の刑罰になったというニュースが流れた*。ラッシュ使用による健康被害が報告されていることが影響しているのかもしれない。重大な視力障害の発生がしばしば報告されるようになり、著名なイギリスの学術誌「ランセット」2014年11月号には、眼科医の症例報告とラッシュに含まれる亜硝酸エステル乱用への警告が掲載されていたという。また、日本でも過去には、亜硝酸を含有した液体の経口摂取による死亡例が報告されたりしているという。

依存性も少ないのにどうしてとか、ラッシュくらいという声も聞こえてくる。しかし、法令が変ってしまった今、違反してしまうと社会生活に大きな影響が及ぶ。その事実を踏まえて行動して欲しいと思う。

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訂正:
後日、イギリスではこう精神作用がないということで、規制の対象から外れた。その際にゲイの国会議員がカミングアウトし、自分も昔は使っていたと議会で証言し、規制に反対している。

弁護士小森榮の薬物問題ノート

http://33765910.at.webry.info/201604/article_7.html

ぷれいすトークの報告

生島

普段の生活では話しにくい3つのテーマで安心して語り合える場所をもうけました。
参加者同士が明るく楽しく交流することを通して、情報を増やしたり、今後に役立つ何かを発見してもらうことを目的にしました。この事業は、2015年度 ザ・ボディショップニッポン基金 の助成を受けて実施しました。

語り場・ぷれいすトーク

 

第1回 子どもやパートナーと性の健康について話してみる?
「性の健康ってナニ? 性のこと家族となんか話せない?性なんて恥ずかしくて口にできない?でも、だれもが性の健康リスクをもっているし、話すキッカケはじつはたくさんある。そんなチャンスをつかまえて話してみませんか?」

日時 4月29日(金・祝)14時〜16時
司会 生島嗣 ファシリテーター 池上千寿子
スピーカー シングルマザー、20代のゲイ男性 各1名
参加者計18名: 来場者10名、運営者8名(うちボランティア2名、スタッフ6名)

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<アンケート結果(抜粋) n=10>
・ 年代  20代:2 / 30代:4 / 40代:3 / 不明:1
・ 感想 とてもよかった:8  / まぁよかった:2

話しにくいテーマであったためか、残念ながら参加者は少なかったのだが、ゲストスピーカーのお二人が興味深い話を、オープンにしてくれた。シングルマザーのお母さんは子どもとの性の話しづらさについて、20代のゲイ男性は家族へのカミングアウトやこれまでの恋愛などを話してくれた。グループワークでは、お母さんからゲイ男性まで多様な参加者があったのだが、それぞれの経験を話してくれ、性に対する様々な考え方、在り方をお互いに共有できた印象だった。最後に参加者全員での振り返りを行ったところ、参加者から色々な方の話を聞けてよかった、との感想をいただいた。
課題は、参加者の少なさであり、参加しやすい切り口での広報の必要性を感じた回となった。

 

第2回 話しにくい何かを抱える気持ちをシェアする会
「心やからだ、経済状態、セクシュアリティ…。 何に難しさを感じているかは人それぞれ。いろいろな立場の人と交流し、経験を共有してみませんか。」

日時 5月5日(木・祝)14時〜16時
司会 生島嗣 ファシリテーター 大槻知子
スピーカー 企業の障害者枠で働くHIV陽性者、トランスジェンダーのHIV陽性者 各1名
参加者計33名: 来場者23名、運営者10名(うちボランティア5名、スタッフ5名)
★ TOKYO Rainbow Week参加イベント

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<アンケート結果(抜粋) n=18 >
・ 年代  20代:1 / 30代:9 / 40代:5 / 60代:3
・ 感想 とてもよかった:12 / まぁよかった:3 / どちらともいえない:2 /
不明・無回答:1

参加者が多く、また多様な方が集まった会となった。スピーカーはトランスジェンダーのHIV陽性者、企業で働くHIV陽性者の2名だった。トランスジェンダーの方からは、これまでの生活史から感染に至った経緯など、企業の方も自分のセクシュアリティや感染経緯など、両者ともに話しにくい何かを複数を持った経験を話してくれた。今回は東京レインボーウィークの参加イベントにもなっており、参加者のなかに、多様なセクシュアリティの方の参加があり、ゲイ男性、FTM(female to male)の方、自分の性別に違和感を感じている方から、パートナーをエイズで亡くされた方、精神疾患をもつ方の支援者、外国人の方など、多様な方が集まり、グループワークが活発になった印象であった。参加者からは、自分も当事者として話したかった、自分の気づいてなかった色々な難しさに気づける機会になった、それぞれの気持ちをグループでシェアできたのがよかったという感想があった。ただ、参加者それぞれの話が興味深くワークの時間が短かった、それぞれ話し出すまでに時間がかかるため時間が短かった、という意見があり反省点であった。

 

第3回 HIV陽性者と話そう!〜Living Togetherを体験するワークショップ〜
「陽性者ってどこにいるの?仕事やプライベートでも、あったこともないけど、話してみたいという方。陽性者の現状データの紹介やワークショップで楽しく交流しましょう。日時 5月15日(日)15時〜17時
スピーカー兼ファシリテーター りきや、いく 情報提供 生島 嗣
参加者計28名: 来場者18名、運営者10名(うちボランティア5名、スタッフ5名)img_7247
<アンケート結果(抜粋) n=17>
・ 年代  10代:3 / 20代:4 / 30代:4 / 40代:3 / 40代:3 / 50代:2 /
60代:1
・ 評価 とてもよかった:12 / まぁよかった:3 / 不明・無回答:2スピーカー兼ファシリテーターを2名のHIV陽性者が務めた。2人からは陽性とわかった経緯、人間関係、セックス、就労など、プライベートなことも含めて色々な話をしていただいた。参加者は、保健師、妻をエイズで亡くした方、看護学生、HIV陽性者など、また多様な顔ぶれになった。参加者からは、こうして実際に話を聞ける機会を増やして欲しい、社会の差別偏見を感じた、会うことでイメージが変わったなどの感想があった。今回も、最後に参加者全員で一言ずつの短い振り返りを行い、それぞれの感想を共有することができた。
 

▼ 3回を振り返っての評価、反省点、今後の展望

今回、初めて参加型のワークショップを主体としたイベントを開催した。開催にあたっては、参加者の安全を守るために、グラウンドルールを作る、ファシリテーターを置くなどの準備をして臨んだ。話しにくいテーマが多いなかで、参加者にとって、安心して話せる環境、安全な場の確保は概ねできたのではないかと思う。
参加者の数は、広報期間が短くなってしまったため、行き届かないところもあり、当初の予定より少なくなったのが反省点である。ただ、こちらの想像よりも多様な参加者があり、参加者からもこうして自分のことを話せる場がもっと欲しい、という声が聞かれ、今後もいろいろなテーマで継続して実施する必要性を感じた。また、こちらがいままで気づけていなかった課題に触れ、団体としても新たな地域のニーズに気づく機会を得られた。img_7249
今後は、今回の参加者から得られた声を生かしつつ、HIVや性の健康に関わる様々な人が話せる場として、またそうした声を社会や市民に身近に届ける機会として、より多様な人を巻き込みながら、定期的に開催していければと考える。多くの人を巻き込むことで、HIV陽性者が顔の見えないモンスターではなく顔のある同じ人間であること、HIVが決して他人事ではないことを、多くの人に知ってもらえる機会になれればと思う。また、人がそれぞれで何らかの生きる難しさをもつなかで、HIVもその中の1つとして認識されるような社会づくりに貢献できればとも考える。もちろん、草の根的な小さな活動ではあるため、浸透していくには時間がかかると思うが、今後もぷれいすトークを地道に継続して開催し、HIV陽性者の声を中心として、多様な当事者の声を社会に届けていきたいと考えている。

最後に、ぷれいすトークを開催する機会をくださった、今回はザ・ボディショップニッポン基金の皆様に深く御礼申し上げます。また、多様な課題をもちつつ、勇気をもって、語る場に参加してくださった皆さまとの出会いも、大変にうれしくおもいます。

活動報告会へのご来場ありがとうございました。

生島

2016.5.29 ぷれいす東京の活動報告会には、
大勢の皆様にご参加いただきました。

一般の来場者、賛助会員・寄付者などのサポーター、スタッフ、ネスト登録者など、あわせて72人の方にご参加いただきました。本当にありがとうございました。

日頃の活動について8つの部門のスタッフが報告をさせていただきました。ぷれいす東京の全体像を感じていただけたのではないでしょうか。
また、後半では、武田飛呂城さん(特定非営利活動法人日本慢性疾患セルフマネジメント協会 事務局長)に、治療による血液製剤で感染し、それを高校1年の時に告知された経験などをお話しいただきました。

武田さんの話は、とても心に響く話でした。

2001年、単剤治療ですべての抗HIV薬が薬剤耐性となり選択肢がなくなった状況で、1年後の生存は保証できないが、耐性のない薬が3剤できるまで、頑
張ってといわれたのだという。待っている5年間のあいだの免疫を表す数値
はCD4一桁だったという。その最後の7ヶ月間は入院して過ごしたそうです。

そんな辛い状況下で彼の気持ちを支えたのは仲間の存在でした。
「あの人たちの所に戻りたい、ここで負けては申し訳ない。」
そうした気持ちが彼の心を支えたのだという。

血友病であり、HIV感染していることをも含めて理解して、寄り添ってくれる人たちの存在が彼の心を支えていたのだそうです。これは、感染経路にかかわらずおおくの人に共通することかもしれません。

また武田さんが見通す未来は、HIVが完治する時代が将来くるであろうこと、その時には社会的な支援は少なくなるのかもしれず、その時のことを踏まえて生活することを、根拠がある訳ではないけども、考えているということを話されていました。

「HIVが治るようになったら、どうするのか?」

かつて治療の選択肢が無くなってしまったという困難を乗り越えてきたサバイバーである武田さんからの問題提議は、会場にいた一人一人にどのように響いたのだろうか。今後、みなで語りあっていきたいと感じている。

サポーター100人募集中!認定NPO計画に是非ご協力ください

生島

ぷれいす東京では、サポーター100人を募集中です。

皆様、2016年もよろしくお願いします。

私たちは、より安定した運営基盤を築き、継続的にサービス提供を行うため、
認定NPO法人になることを目指しています。是非皆様の応援をお願いします。

認定NPO計画サポーター募集中

認定NPO法人になると、寄付者が寄付額に応じた税額控除を受けることができるようになり、税金が還付されるなど、これまでにはない優遇を受けられます。

非公開の寄付者リストに名前と住所(団体は名称と事務所の所在地)を記載。このリストを東京都に提出しますが閲覧・公開はされません。

認定の基準は、年間3,000円以上の寄付者が100名必要です。2017年に認定申請をする場合、2015年度と2016年度の2年間で判定されます。この2年間の年3000円以上の寄付者が平均で100人以上いることが条件となります。ただし、残念ながら生計をいつにしている場合には、何人が寄付をしても1名となります。

☆銀行振込の場合
E-mail:office☆ptokyo.org ⇒☆を@にしてください。
以下の内容をメールでお知らせください。

件名:「認定NPOサポーター希望」
本文:1) 振込情報(振込日/振込名/金額)
2) 寄付者情報(名前/住所)

☆クレジットカードの場合には、決済情報欄に、「認定NPO計画サポーター希望」とお書きいただき、お名前、ご住所をご入力ください。

⇒詳細は以下で。
http://www.ptokyo.org/news/6346

2014年度の主な活動実績/利用者数    (すべて:のべ数)
HIV陽性者への在宅/入院先への訪問活動:292件
HIV陽性者や周囲のための相談サービス:3,388件
HIV陽性者や周囲のためのピア・プログラム :1,325人
HIV感染不安/予防の相談サービス:2,999件

皆様の応援、どうぞ、よろしくお願いします。

NPO法人 ぷれいす東京 代表  生島嗣

スタッフ一同

Tokyo AIDS Weeks 2015 まもなく始動。

生島

ぷれいす東京では、新人ボランティアのための基礎研修が修了し、各部門ごとの研修がスタートしています。本日は電話相談員を希望する方々のための研修がはじまりました。生島は毎年、ピアカウンセリングの基礎を担当させてもらっています。続いて、バディ・スタッフ、ネスト・ボランティアなどの研修が続きます。本当に熱心に参加してくれる方々、運営にかかわってもらっている先輩ボランティアの皆様など、多くのスタッフたちに支えられて、日々の活動がなりたっています。

11月30日〜12月1日に、第29回日本エイズ学会学術集会・総会が、国立国際医療センターの岡慎一さんを会長に開催されます。そのプレ・イベントとして、11月28日〜29日まで、国立国際医療センターをメイン会場に、Tokyo AIDS Weeks2015が開催されます。大阪では、すでにOsaka AIDS Weeksが開催されていますが、その東京版です。10月15日あたりに、最初の情報リリースをしますので、どうぞ、ご期待ください。

「HIV陽性」看護師への就労制限、情報の目的外利用は違法の判決

生島

昨日、福岡高裁で係争中の、HIV陽性の看護師による裁判の判決がでた。地裁での判決に続き、『「HIV陽性」看護師への就労制限は違法 2審も病院に60万円の賠償命令』という判決がくだされました。

この裁判の争点は、職場で対象不良になった看護師が職場の医師により大学病院に紹介され、その紹介状への返信に書かれていた「紹介患者は陽性であった」という情報の扱いです。勤務先だとはいえ、それを本人の同意なく、労務管理を目的とした利用が妥当かどうかというプライバシーの扱いの是非、自宅待機が就労制限なのかが論点になっていまし た。

この裁判への判決の情報を探すため、ツイッター上で検索してみたら、なんとも微妙なコメントがあまりも多いのに驚きます。「HIV陽性の看護師の世話になりたくない」などとつぶやく声が複数ありました。こうした身近にはいない、陽性とわかった人たちと関わりたくないという、初歩的な誤解は、当事者がなんとかすることではなく、社会が理解を促進すべきことです。

自分の感染に気付き、医療的なケアをしているHIV陽性者は身体のウイルスをコントロールしており、その多くは、もはや感染源ではあり得なくなっています。課題になっているのは、生活者のなかに、自分の感染を知らずにすごしている人たちがいること、このような人たちをどのように少なくできるかが、私たちの社会が解決すべき問題なのです。

実は、この原告と同じような経験をもつ、HIV陽性の医療従事者は多くいます。
ぷれいす東京の研究班による全国調査では、就労している829人中の14%が医療福祉の職場ではたらいていました。
http://www.chiiki-shien.jp/image/pdf/atyousa.pdf

ぷれいす東京では、HIV陽性の看護師にミーティングを開催したり、相談活動のなかで、多くの似た状況の方に数多くお会いしますが、すべてがこのような排除にあっている訳ではありません。受け止めて、職場で情報をコントロールしながら、就労継続をしている事例も多々あります。

このような訴訟や、控訴を続ける医療のスタンスは、今後、看護師として働く人たちがHIV検査にいくことが、不安であったり、人によっては恐怖になってしまうと、発症まで感染に気づかないなどの事例が増えてしまうのではと心配になります。

実は相談のなかでは、発症で初めて 感染に気づく人に多々出会います。「看護師だし、検査を受けるのが怖かった」という人も。看護師であることを辞めてしまう人でさえいます。この日本の社会で、 医療の現場がHIV陽性者でが安心して働ける場になることを期待します。本当は、安心して、HIV陽性であることを伝えられて、適切な配置が模索できる環境が実現することが、HIV陽性の医療者にとっても理想なはずです。

参考までに、アメリカでは、以下のガイドラインで、HIV、肝炎をもつ、医療従事者が血液中のウイルスの状態にあわせて、業務の範囲が定められています。医師でHIV陽性の場合も想定されたものになっています。
SHEA Guideline for Management of Healthcare Workers Who Are Infected with Hepatitis B Virus, Hepatitis C Virus, and/or Human Immunodeficiency Virus
https://www.cpso.on.ca/…/memb…/membership/shea-guideline.pdf

第3回「HIV陽性者の健康と生活に関する実態調査」報告書を公開

生島

ぷれいす東京の研究部門が実施した、以下の2つの調査の報告書を公開しました。ぜひ、ご覧ください。この調査は、平成26年度厚生労働科学研究費 補助金(エイズ対策研究事業)として実施したもので、若林チヒロ(埼玉県立大学 保健医療福祉学部 健康開発学科 准教授)さんがこの調査を分担研究者と して担当しました。この調査は5年おきに実施してきた調査の第3回目にあたります。

 

「HIV陽性者の健康と生活に関する実態調査」
 分担研究者:若林チヒロ(埼玉県立大学)

A調査【ブロック拠点病院とACC調査】報告書 

【A調査】ブロック拠点病院とACC調査 9病院 1,100名
【配布回収】対象者数は各病院の陽性者数の40%とし、2病院は実施体制等を考慮して抽出率を下げた。
配布1,786票、回収1,100票(回収率61.6%)
【調査期間】2013年7月~12月
【対象病院】ACCと全国8地域の各ブロック病院の計9病院。地域内に複数のブロック病院が指定されている場合は、もっとも陽性者数の多い1病院を対象とした。


B調査【中核拠点病院等調査】報告書

【B調査】中核拠点病院等調査 22病院 369名
【配布回収】各病院の陽性者数と配布可能数を考慮して配布数を確定した。
配布687票、回収369票(回収率53.7%)
【調査期間】2013年8月~ 2014年4月
【対象病院】すべてのエイズ治療中核拠点病院(2012年9月現在)と、A調査で対象外としたブロック拠点病院に、郵便とメールで調査協力を 依頼し、実施可能と返信があった病院を対象とした。58病院中30病院から回答があり、26病院が可能であった。実施段階で日程等の都合で4病院が対象外 となり、最終的に22病院を対象とした。

 

平成26年度厚生労働科学研究費補助金(エイズ対策研究事業)

地域においてHIV陽性者等のメンタルヘルスを支援する研究

研究代表者:樽井正義(特定非営利活動法人ぷれいす東京理事/慶應義塾大学名誉教授)

 

日本エイズ学会(大阪)12月3日〜5日に開催

生島

生島です。

第28回日本エイズ学会におけるぷれいす東京、
研究班に活動に関する発表を整理してみました。
参加される方は、どうぞ参考にしてください。
何かお気づきの点があれば、お知らせください。【研究班、発表スケジュール】
■12月3日(水)10;20〜11:50 第4会場(10F)
シンポジウム3
HIV感染症における社会的排除〜構造的視点と支援の課題
佐藤郁夫(S3-2) HIV陽性者の他科診療から見えてくること
12月3日(水)16;50〜17:50 ポスター会場(10F)
ポスター発表 社会:検査・相談体制
矢島嵩(P1-008) HIVマップー「HIVマップお役立ちナビ」の改訂に関する考察ー

12月4日(木)10:20~11:20   第7会場(10F)
口演(社会:薬物使用 034)
野坂祐子(034-5) HIV陽性者MSMにおける薬物使用とその背景要因〜薬物使用経験のあるHIV陽性者へのインタビュー調査を中心

12月4日(木)10:40~12:10 第4会場(10F)
スカラシップ委員会シンポジウム
(はばたき福祉事業団、JaNP+、ぷれいす東京)
「薬害エイズ事件の教訓からいま振り返る HIVの医療と福祉」
座長: 高久陽介、 岡本学
森戸克則:患者と専門職が共に築いてきた医療と福祉
白阪琢磨:HIV医療の現状と課題

12月4日(木)15:30〜16:30 ポスター会場(10F)
ポスター発表 臨床:看護
若林チヒロ(P2-071):ブロック拠点病院とACCにおける「健康と生活調査」ー基本属性と感染判明後の生活変化〜

ポスター発表 社会:在宅支援・ケアコーディネーション (口演から変更)

大木幸子(P2-106) 全国保健医療機関の精神保健担当者におけるHIV陽性者の薬物相談への自己肯定感とその関連要因

 

12月4日(木)17:50-19:50 第5会場(12F 特別会議場)

シンポジウム12
「HIV検査の体制-早期検査と早期治療に向けて」
生島 嗣(S12-5) HIV陽性者、感染不安者を対象にした相談相談から見える、早期検査と早期治療に向けてのヒント

12月5日(金)9:00~10:30  第4会場(10F)
シンポジウム15
「 薬物使用者の等身大の理解とその対応〜今なにがおきているのか、医療者や支援者に何ができるのかを考える」
座長:仲倉高広、生島嗣

若林チヒロ(S15-1):HIV陽性者の薬物経験〜中核病院/ブロック拠点・ACCを受診する陽性者の調査から
西島健(S15-2):薬物使用のHIV感染者の健康に及ぼす影響
田村通義(S15-3):男性同性愛者当事者から見た、自身の薬物依存症及びHIV 感染について
樽井正義(S15-4):薬物使用の現状と課題

12月5日(金)11:10~12:20  第7会場(10F)
口演(社会:政策・医療体制2 047)
岡本学(047-1) ブロック拠点病院とACCにおける「健康と生活調査」-就労と職場環境
生島嗣 (047-2)ブロック拠点病院とACCにおける「健康と生活調査」-薬物使用の状況

12月5日(金)11:10~12:20 第3会場(10F)
口演(社会:臨床:看護2 042)
池田和子(042-1) ブロック拠点病院とACCにおける「健康と生活調査」-HIV治療と他疾患管理の課題
大金美和(042-2)  ブロック拠点病院とACCにおける「健康と生活調査」-自覚症状とメンタルヘルス

 

【ブースでの情報発信】
以下の資材を、NGOブース「ぷれいす東京」等にて配布します。

地域においてHIV陽性者等のメンタルヘルスを支援する研究
●ブロック拠点病院とACCにおける「健康と生活調査」報告書(予定)
●中核拠点病院における「健康と生活調査」報告所(予定)● 平成24年度総括・分担研究報告書
● 平成25年度総括・分担研究報告書地域におけるHIV陽性者等支援のための研究
●平成20年度総括・分担研究報告書
●平成21年度総括・分担研究報告書
●平成22年度総括・分担研究報告書
●平成20-22年度総合研究報告書ツール
●職場とHIV/エイズ
●地域でHIV陽性者を支援する人のためのガイドブック
●15人の語りで学ぶHIV陽性者と地域生活
●HIV/エイズとともに生きる人々の仕事・くらし・社会
●地域におけるHIV陽性者等支援のためのWebサイト(カード)ぷれいす東京関連
○ぷれいす東京パンフレット
○ぷれいす東京サービス案内
○Living with HIV
○ぷれいす東京Newsletter

お笑いタレントとHIVテーマでトーク

生島

東京都のトーク番組、Words of Love に出演しました。
第3回のテーマは「HIV/エイズと働く世代」です。

メインMCはハイキングウォーキング。Q太郎さん(左)、松田さん(右)の2人組。

HIV検査にいったことがある松田さん、怖くていまのところ行けないQ太郎さんを巻き込んでのトークは、本当に面白い。

HIV陽性者の生活実態調査などを発表するなかで、職場の同僚へのカミングアウトの割合を発表すると、職場の同僚である2人は言えるかなーという風に自分たちに重ねてトークしてくれて、見る方も本当に考えさせられます。

動画の模様。

https://www.youtube.com/watch?v=ntZ-QnB1kc8

東京都HIV/エイズ啓発番組「Words of Love」とは
エイズについて知ってほしい。自分や大切な人のために・・・
そして、あなたのまわりにもエイズとともに生きる人がいることに思いをめぐらせてほしい。
Words of Loveは、アーティストの言葉とともにメッセージを届けます。
http://www.wordsoflove.jp/

 

 

 

新潟からの相談

生島

7 月12日(土)に新潟にて、関東甲信越エイズブロック拠点病院のHIV診療担当者の研修会が開催された。

生島も3人の演者の一人に加えていただいた。参加者は、医師、看護師を中心に150人くらいの方がいらした。

修了後、懇親の場をもうけていただいたので、参加させていただき、新潟大学病院で診療を担当していらっしゃるドクターたちの話をお聞きした。

 

そこでお聞きした話は、なんとか、地元のゲイ、バイセクシュアル男性たちと、なんとか接点がつくれないだろうかと相談でした。

HIVに感染し、病院にたどりついた時には、その多くが発症状態なのだそうです。

ブロック拠点病院である新潟大学病院、県や市と協議会をつくり、なんとか当事者へのコンタクトを試み、HIV検査や相談に関する情報提供の協力を試みたけれども、難しかったのだそうです。

 

地方都市では、共通した問題だと思いますが、それぞれの地域に、ゲイ、バクセクシュアルのなかに、なんとか仲介となれる人がリクルートされて、地元の当事者のライフスタイルを尊重した上で、情報が流れるような、連携ができたらと思います。
 

何か、情報があれば、ぜひ、お知らせください。

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