陽性者と家族の日記 “なぎさのペンギン”

私の夏

なぎさのペンギン

今年は…7月30日から8月17日まで、何と19日間も夏休みを取りました。
これほど長期の休暇をいただいたのは20年ぶりです。

前半は、7年ぶりに海外渡航にチャレンジ!
旅行というにはプライベートな観光の少ない滞在でしたが、
遠く日本を離れて、いろいろ考える時間を与えられた有意義な滞在になりました。
日本に帰国してからの後半は、時差ボケがなかなか治らず、
不眠と爆睡を繰り返す日々…。
ぐずぐずしているうち台風までやってきて、アッという間に夏休みはおしまい。

今日から仕事に復帰しましたが、不思議と休み明けのツラさよりも
時間の使い方がはっきり決められる環境に戻ってきた安心感の方が大きいです。
やみくもに長い休みがあっても、今の自分にはうまく使えないですね。
まあ、せっかく時間があったのだし…私小説(人には見せまい!)でも書いて
作家気分に浸るのも悪くなかったかな(笑)

さて、北京オリンピックはそろそろ後半戦。
僕の2008年も後半戦です。

夏こそ美白

なぎさのペンギン

今年は梅雨明けした途端、一気に真夏の日々が始まった感じですね !
少し前まで、ギラギラした陽ざしにあふれるビーチやプールサイドで
じっくり肌を褐色に変えるのが、この時期のお約束のお楽しみだった
のだけれど…。

40を過ぎたあたりから、紫外線の恐ろしさが徐々に身にしみるように
なりました(笑)
秋になっても消えないシミやシワ、くすみ、黒ずみ(赤ずみ?)…。
鏡を見るたび、若づくりだけではやっていけない年齢だと思い知らされます。
それでも、暑い午後のひとときに屋外プールで泳ぐあの快感はやめられません。
そこで、こっそりSPF50+の日焼け止めクリームを塗って「気分はイルカ」を
満喫しています(ホントは禁止行為です)

水しぶきを浴びながら、ふとエビちゃん気分になっている自分に気づいて、
つくづくオキャマなのだと実感(爆)
でも、まあ…せっかくこの道?に生まれてきたのだから、男性の気分も
女性の気分も両方楽しまなきゃね!

周囲からもよく言われますが、やっぱり僕ってヘンですか?

人間図書館

なぎさのペンギン

「ロンドンにある図書館でLiving Libraryというユニークなサービスが
開始された」という記事をオンライン雑誌で読み、興味をもちました。

ここで貸し出しを行うのは、書籍ではなく「人間」そのもの。
例えば…「警官」「イスラム教徒」「男性のベビーシッター」
「同性愛者」という言葉を聞くと、誰もがそうした人物の
イメージ(典型)を頭の中に浮かべるでしょう。
でも、そのイメージがステレオタイプに基づいていたとしたら
単純な誤解や偏見から物事が複雑に発展していって、紛争や
衝突の一因となるかも知れません。

自分が興味のある対象の人物を30分間借りて、知りたいテーマを
1対1で話してみる。それが、今までの既成概念を超えて、相互理解を
深めるきっかけになれば…というLiving Libraryのコンセプトは
とても面白いと思います。

講演会やセミナーで知見を深めるというのは誰もが経験のあること。
でも、現在の自分の日常にそれほど関わりは持たないけれど、
自分の周囲に確実に存在している見知らぬ人々とマンツーマンで
じっくり話をするチャンスなんて意外に少ないですよね。

インターネットが発達した現代、多くの人間が
「自分は森羅万象に長け、あらゆる情報を簡単に引き出せる力を
もっている」と誤解しがちになっている、そんな気がします。
だから情報の外見だけで判断せず、人間そのものと触れ合うことで
真実を確かめようという姿勢こそ重要なのだと思います。

どんなときも「対話」を絶やさぬことの大切さ….。
最近、つくづく実感させられています。

レズビアン&ゲイ映画祭

なぎさのペンギン

ローカルな話題で恐縮なのですが、先週の金曜日より
東京で「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」が開催されています。
僕も金曜日と日曜日に参加してきました。

今年は例年開催されている青山に加え、一般映画を上映している
新宿のシネコン、バルト9の一部の劇場も会場に充てられました。
一大ゲイタウンを擁する新宿とは言えど、同性愛者向けの
映画が白昼の都心の大劇場で堂々と公開されちゃうなんて、
正直言ってビックリ!
随分と冒険的な企画を立てたなと思いましたが、来場者のうち
1/3くらいがストレートなセクシャリティの人々だそうで
今の時代じゃ不思議でも何でもない光景なのかもしれません。
(僕のようなオジさんにはやはり隔世の感というか、感慨深いものが
ありますが…)

会場を見回してみると…直接話をしたことはなくても、
どこかで見かけたことがある顔でいっぱいでした。
2丁目の飲み屋だったか、駅前のスポーツクラブだったのか、
あるいは…いつかの、どこぞのハッテン場だったのか、
はっきりと覚えていないけれど。
そういえば、何かのイベントで顔を見たノンケの人たちも来ている。

素性もよく知らない人たちだけど、今、一緒にこの場所にいて
同じ映画を見て一緒に笑って、泣いているんだな…って思ったら、
訳もなく嬉しくなれました。
これ、REALなLIVING TOGETHERってことですよね?
互いが互いに勇気を与え合っている、いちばん分かりやすい姿じゃ
ないですか。

今年は、昨年の「3本の針」のように正面からHIVをテーマに扱った
映画がないのが残念ですが、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
(7/17~7/21までは青山スパイラルホールで開催されています)

Ubuntu

なぎさのペンギン

Ubuntu と書いて「ウブントウ」と読みます。
南アフリカに住む民族が伝統的に広めてきた哲学で
他者への愛情を示す言葉として、近年になって
デズモンド・ツツ大主教によって世界中の人々に
広まりました。

「We are people because of other people 」、
「I am who I am because of who we all are」など
表現の仕方は様々だけど、つまり
「僕がいるのはあなたがいるおかげ」ということ。
We are people because of other people

ビワとアンズ

なぎさのペンギン

初夏を過ぎ、これから秋にかけて果物が一年で一番おいしい季節だ。
イチゴは盛りを過ぎたけれど、サクランボにスイカ、
しばらくすればモモやブドウもラインナップに加わるから、
僕のようなフルーツ王子! にはたまらない毎日が続く。

最近は輸入品の増加やハウス栽培の普及で、年間を通じて
店頭で見かける果物の種類が増えた。
いつでも美味しい生が食べられるのは嬉しいのだけれど、
季節感が薄れてきたことも確か。

そんな中、「ビワ」と「アンズ」だけは頑なに旬を守っている。
どちらも果汁にあふれた上品な甘さがたまらない。
マンゴーみたいな濃厚さとは縁遠いが、自己主張が控えめだから
飽きが少ない。
「和なし」もそうだけれど…こういう繊細な舌触りを好む自分は、
根っからの日本人なんだなあ、と苦笑させられる。

この時期、僕のティータイムにはビワとアンズが彩りを添える。
曇り空を眺めながらオレンジ色の幸福に浸るのが、つかの間のぜいたくだ。

気象オタク

なぎさのペンギン

電車オタク、ゲームオタク…
いわゆる「オタク」にも色々な種類がありますが、実はワタクシ、
35年来の「気象オタク」であります。

気象オタクって、いったい何をするの?と思われるでしょうが、
ズバリ、自分で天気図を描いて自分なりの天気予報を出します。

NHKラジオの第2放送では、朝夕夜の1日3回、「気象通報」という
天気放送があります。この番組では日本各地の風向、風速、天気、
気圧、気温が報告され、それを聞きながら天気図を作ります。
専用のフォーマットが大手書店や気象台などで販売されておりまして、
これを使うとより手軽に作成できます。
同じ気圧の箇所を等圧線で結び、必要な天気記号を書き込んで完成!
その天気図から気象の流れを推測して、今後の天気を予測するわけです。

気象オタクの活動が楽しいのは、今、自分の目で見えていることだけが
真実ではないと実感できることです。

澄んだ青空を見ていると、この天気が永遠に続くように思いますが、
数時間後には曇って大雨、などということはよくあることです。
逆に、今の時期のように雨が続くと、気分的に深い雲の中に閉じ込められた
気分になる。実際にはほんの数千メートル上空は晴れて、真夏の青色をして
いるのですが。
人間の視野なんてほんとに狭いのですね。

自然の力の偉大さに触れると、怒りや悲しみがバカバカしく思えてきます。
「おまえが見ているのは世界のほんの一部だよ」 と空の上から笑われている
気がして、「負けてられっか!」と対抗意識が湧いてくるのです。

カエルはどこへ?

なぎさのペンギン

早いものでもう六月。
このところ空模様があやしくなってきていて、梅雨の季節が
目前まで迫って来ていることを実感させられる。

この時期、僕がひそかに楽しみにしているのは、近くの田んぼから
聞こえてくる ’カエルの合唱’だ。
子供のころ、実家の周囲はカエルの鳴き声に囲まれて賑やかだったが
この数年、カエルの声をあまり耳にしなくなった。
周囲は住宅地や駐車場に変わり、それも仕方のないことと思っていた…。
…が、異変は僕の周囲だけでなく、より深刻なレベルで発生しているらしい。

世界的な規模での観測によると、ここ数年でカエルやサンショウウオ、
イモリなど両生類の個体数が激減、種の絶滅が相次いでいるという。
最悪の場合、今後100年以内に地球上から両生類そのものが絶滅してしまう
可能性も想定されているそうだ。

環境破壊、地球温暖化、生態系へのダメージ…
テレビのニュースでキャスターが難しい顔で伝えている。
でも、自分にとっては「えっ?カエルが消えちゃう?」という驚きの方が
はるかにインパクトが大きいのだ、皮肉だけれども。
何かに対する危機感って、こんな形で芽生えるのではないかな。
自分の身近に感じるからこそ真剣になれる、それは真実だから。

僕が小学生の頃「両生類」は「水でも陸でも棲める生物」だと教わった。
今では「水と陸、そのどちらを欠いても…両方の環境がなくては生活できない動物」
と教えられているそうだ。

それなら…陸に暮らしてるけど、海がなければ生きられない人間と同じじゃないか!

書を携えて街へ出よう

なぎさのペンギン

近頃、困っていることがふたつ…

一つは、自分で呆れるくらい漢字が書けなくなったこと。
そして、もう一つは話をする時の発声(活舌)が以前より
ずいぶんと明瞭さを欠いてきていること。
文科系人間を自認する自分にとって、とてもショックな
事実です!

どちらも、パソコンや携帯電話など「電脳」機器への
依存度が高くなりすぎたことが原因だと思います。
仕事でも、最近は打ち合わせの代わりにチャット
ミーティングなどで済ますことが多いし、私生活でも
ブログやらSNSやら、もちろんメールも…
難しい漢字を辞書で調べて自分の手で書けるまで練習
したり、文章の意味をつかむために音読したり、
以前はこまめにやっていた当たり前のことを、現在では
ほどんどしなくなってしまいました。

「書を捨てよ、町へ出よう」と唱えたのは亡き寺山修二さん。
しかし、最近の僕は、書を持って街を歩くことを積極的に
心がけています。
言葉が…自分の口や自分で書いた文字から生み出されなくなる
ことを何より恐れているから。
ヒトが、ヒトに備わっている最高の機能を活かさなくなり
コミュニケーションの基礎を忘れる時代が来たら、本当にヤだな。

本当は「モバイルを捨てよ、町へ出よう」と言いたいところだけど…

便利さに慣れきってしまった自分には、簡単にはいかないか…

高齢化社会は目前。だけど…

なぎさのペンギン

先日アメリカの雑誌を眺めていたら、性的マイノリティの高齢化に関する
記事が出ていて、これがとても興味深かった。

アメリカといえば、ゲイやレズビアン、バイセクシャルなどに対して
社会全体が非常にリベラルな雰囲気で受け容れている印象を受けるけれど、
実際、それは大都市の特定のエリアに限られたことだという。
(僕も滞米中にそれを痛感させられたが…)
現在でも地方都市では偏見や差別意識が根強く、いわゆる「老人ホーム」
などのケア施設に入居しようとしても、他の入居者から猛反対に遭い
居住フロアを変更させられたり、同室を拒否されることがしばしばあるそうだ。
カリフォルニア州などは性的マイノリティに比較的寛容であり、
専用住宅の提供など独自の取り組みも始まったようだが、他の地域では
実情はまだまだ厳しいらしい。

偏見をもたれる理由のひとつに「エイズがうつるのではないかと心配」
ということが挙げられているそうで、ある程度予想のつく回答だとしても
当事者としては色々な意味で複雑な思いを抱く。
正直言えば「アメリカですらこの程度か」との気持ちもある。
この十数年でHIV陽性者を取り巻く環境は劇的な変化を遂げたけれど、
人間の意識って、そんなに簡単に変わらないんだな。
それでメゲてはいけないけどね。

で…日本じゃどうか、って?

自分の未来を拓くために真剣に考えなきゃいけないこと、
まだいっぱいあるみたいです。