なぎさのペンギン
三が日最後の日曜日 初詣に行こうと浅草寺に向かう
時間も経ったことだし 多少は空いているだろうかと高を括っていたら
本堂の前から仲見世通りを伝って 雷門をまっすぐに貫く長蛇の列
その後に予定があったので 相方と示しあい 上野までの道を歩く
寺町の下谷界隈を進んでいると 立派な門構えの仏閣が目に入る
中から聞こえてくる勤行の響きにつられ 中に入ってみる
ちょうど新春の行事が行われている最中で
初々しい僧侶が横並びで読誦(どくじゅ)する姿を見た相方が
「たぶん得度して日が浅い若い人たちだね 昔を思い出すよ」と笑う
荘厳な勤行を目の当たりにし なんとなく身の引き締まる思い
仏教の学校に通ったことのある相方と違い 日ごろは信仰心の薄い自分だが
立ち込める香に不思議な親しみを覚え 自分の過去や現在 未来が
す~っと頭の中をよぎっていく
うすぐもりの 寒くて穏やかな午後
この数年で いちばん正月らしいひと時を過ごせた偶然に感謝
こんな幸せが これから一年 二年 三年と続いていきますように
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします
なぎさのペンギン
幼いころ 2010年なんて 遥か遠い未来のような気がしていた
空には小型の飛行艇が飛び交い リニアモーターカーが縦断し
ナヴィゲーターが宇宙ステーションから火星の基地へ行き来する
高度に発達した科学に 誰もが目を輝かせているような未来
みんなの視線が絶えず外側に向けられ 心は遠い世界を見つめている
実際は違った
彼方に広がる神秘の世界をたずねるより もっと大切なことがある
いま自分がいるこの場所で ほんとうの意味がなんなのかを考える
幸福って誰のためのもの 自分 愛する人 それともみんなへ
人間がようやく気がつきはじめた 21世紀 最初の10年
2020年は いったいどんな世界になっているのだろう
そして 新たな旅がまもなくスタートする
なぎさのペンギン
明け方近く 地表にたまった湿っぽい冷気を
おだやかな陽の光が じっくりとあたためていく
秋から冬にさしかかるこの季節の魅力に目覚めてから
そう長い時間は経っていないような気がする
春のような若さも 夏の華美な飾りもない ひたすらに澄み切った空
幾重かにまたがった筋雲が さりげなく凍りつく
明るいぬくもりに気をとられ シャツの袖を捲し上げていても
肌をすべる風に 北から流れ来た大気の鋭さを感じ
あわてて手首を覆いなおす
目を閉じるとひろがる 薄赤い色の帯の中に
静寂と一緒に溶け込んでいく 自分のからだ
新しい春には どんなことが待っているのだろう
厳しい冬をよけ 僕の心は少し先の未来へと飛んでいく
なぎさのペンギン
最近 すごくつらいことがありました
告知を受けたときより はるかにショックだった
気がつかなかった自分が悪いんだ と思いつつ
夢中になって相手のことを考えた あのころのことも
たくさん思い出しています
自分なりには一生けんめいだったんです
だから後悔はないし ただなつかしく あたたかい記憶
今の自分にできるのは 体を動かして 気持ちをリセットすること
悲しみにのみこまれないこと
うん こんなときこそ… Time will tell の魔法に願いをこめて
自分に 大好きだったあの人に エールを送ります
おたがい これからもがんばっていこうね
なぎさのペンギン
気分が落ち込んだりや体調があまりよくないとき
僕は「ひとり朗読」をすることにしています
きっかけは、HIV陽性者の手記を読むイベント
ひとが人間の思いを語るということの面白さに気づきました
これ、自分の生活の中にも活かしたら楽しいなって
そして今年の夏に「愛を読むひと」という映画を鑑賞
朗読を通じて絆を深めていった恋人たちの物語
読書をするとき、目で追うだけより、自分の声に出して
読むほうが、ずっといろんなことが覚えられることが分かりました
「ライ麦畑でつかまえて」を読む時は、17才の高校生 ホールデンに
「ハムレット」を読む時は、うたぐりぶかいデンマーク王になりきって
舞台に立つ俳優の気持ちになりきって、物語の中へ入っていく
口がなめらかに動くようになると、饒舌になって
自然におしゃべりが弾むようになる
朗読効果、ぜひおためしください
なぎさのペンギン
またまた、久しぶりの更新になります…汗。
今年の夏、10日間ほど海外へ行く機会がありました。
さまざまな思い出を抱えながら帰国の途について…
あれ、体調がおかしい?
頭痛がするし、ゾクゾク鳥肌がたっている。熱っぽくもある。
やばいかな?もしかして、あれか?
飛行機の機内で、不安におびえていました。
成田空港に着き、入国手続きを済ませた後でサーモセンサーの
チェックを受けたら、やっぱりひっかかってしまった。
検温したら、40℃の高熱。
医務室にいる担当医師が’だいぶありますね’と言いながら、
インフルエンザの検査をしてくれました。
結果はA型の陽性。新型インフルエンザだろう、という診断でした。
僕が恐れていたのは、このまま家に帰ることができずに
空港近くのホテルに待機させられるのではないか、ということでした。
たしか、今年の5月くらいの報道でそんな風に聞いていましたから。
そして、自分が体力に不安を抱えたHIV陽性者であり、このまま
激しい症状に耐えることができるのか、という気持ちの焦り。
この数ヶ月の間で、状況は大きく変わっていたのでしょう。
陽性と診断された方を隔離する措置は、すでにもう取られてはいませんでした。
この医師の方は(空港の検査室というロケーションから察しても)
日ごろから数多くの帰国者を診察し、その都度の対応を取ってこられたのだ
と思います。そのことも、不安感の解消に大いに役立ってくれました。
自分がHIV陽性者であることを告げても動じることなく、CD4の値や
かかりつけの主治医の名前まで、静かな口調で丁寧に訊ねてくれ、
「その状態なら、治療薬を飲んで安静にしていれば大丈夫だと思いますね」
とアドバイスしてくれました。この間、わずか25分。
これが今から約1ヶ月前、日本で新型インフルエンザの流行が報じられる
直前くらいの話です。
自分の過去を振り返ってみて、HIVに感染したことを告げられたとき、
周囲にいた方々が病気についてきちんと説明をしてくれました。
緊張で張り詰めていた神経が不意にゆるんで、ホッと息をついた
あの時の安らぎ…
一生忘れることはできません。
最悪な体調の時には、悪いほうへ悪いほうへと考えてしまうのが人間の常です。
それは、そのとき直面している人にしかわからないんですよね。
不足している情報。何を信じていいやら分からないイラダチ。
けれども、ほんのささいな違いで…自分がいる場所が、天国にも地獄にも思えたりする。
ああ、そうだった、そうだった。
僕は、あのときの記憶を忘れかけていました。
というより、心のどこかで忘れようとしていたのかも知れませんが。
南の島の滞在も楽しかったけれど、最後になって最高の勉強ができました。
なぎさのペンギン
宇多田ヒカルが作った歌にも同じタイトルのものがあったが
僕の好きな言葉のひとつが、この Time will tell.
時は語ってくれるだろう….
「時間がたてば分かるよ」くらいの意味かな。
世界は毎日めまぐるしく大きく動いている。
人はせこせこと動き回り、先の読めない展開に一喜一憂しながら
毎日を生きている。
それなのに…雲の流れや、陽ざしのあたたかさや、風の清々しさは
そんなあわただしい僕たちの毎日とは無関係に、いつでもゆったりとした
ペースを保ち続けている。
20年前の自分には想像できなかった未来が、今ここにあるけれど
真っ暗な峠をくぐりぬけて明るい場所に出てみたら、
むかし抱いた夢や希望はほとんど失われることなく、僕の胸のポケットに
きちんと収まっていた。
Time will tell.
時間だけが結果を知っているのは確かだけれど、道を選ぶのは僕自身だ。
いろいろあったけど…僕はやっぱり、今の自分が好き。
だから、これからも毎日を楽しんで生きたいと思う。
なぎさのペンギン
4月の上旬にPCのリストアをしたのですが、
その際にメールデータの移行を忘れていました。
気がついたら、2ヶ月以上も更新せずの状態(汗)
ひゃ~っ、申し訳ありません!
前回の日記で新型インフルエンザのことを書いていた
ことすら覚えていなかった…
けど、我ながら勘が良かったな、とひそかに思っています。
という訳で、ふと気がつけばそろそろ6月。
そろそろ1年の半分が終わろうとしていますね。
梅雨を目前にした今の季節は、一年でもっとも
緑が美しい季節。
この間、今から○十年前に卒業した母校の
小学校を訪ねてみました。
当時、校門から仰いで見たヒマラヤ杉の大木は
いまでもしっかり残っていて、久しぶりの再会?
に胸を動かされましたが、ほとんどの学舎は
建て替えられ、子供のころの面影はありませんでした。
けれども、音楽室から聞こえてきた児童たちの
コールユンブンゲンの歌唱。あ!昔のまんま!
途端にこみあげる懐かしい思い。
小学1年生の1学期。
見るもの聴くもの、すべてが新鮮だったあのころ。
僕の心は、しばし時の世界をさまよっていました。
なぎさのペンギン
桜の開花もカウントダウン。
春めいた季節になってきたけれども、ちょっと物騒なハナシ…
先日、職場で「新型インフルエンザ発生時の対応マニュアル」が公開された。
配布されたマニュアルを見ると、オフィスに1人でも感染者が報告された
場合には職場が閉鎖され、10日~2週間….感染の状況に応じて最大で1ヶ月間、
必要最低限の業務を除きすべて休業になるという。
想定されている状況は、まるで大地震が発生した時のようだ。
仕事についてもそうだけど、僕にとっていちばん困るのは医療、
通院や服薬の問題。
もし外出できなくなったら、今の治療薬がきちんと入手できるの?
人よりも抵抗力が劣るカラダで、厳しい状況を乗り切っていけるのかな?
心配しても始まらないよ、 その時はその時で考えればいい!
そう思いつつ、「その日の前に」何か自分に準備しておくことはないか、
考えている自分もいる。
本当に、近いうちにやってくるの?
なぎさのペンギン
久しぶりに運転免許免許証を更新した。
受け取って驚いたのだけど、本籍の記載が空欄になっていた。
数年後には、住所の記載もなくなり空欄になるらしい。
昨年から全国の都道府県でICチップの入った新しい運転免許証
の交付がはじまった。一部地域を除いてはすでに大半の地域で
IC運転免許証に切り替わっているそうだ。
IC運転免許証の交付を受けるには、4桁の数字で決めた2組の
暗証番号をあらかじめ決めておくことが必要。
この暗証番号を通して、ICチップの中に組み込まれた個人情報を
専用の機械で読み出すことができるのだという。
目的は、偽造による犯罪防止。金融機関での詐欺、増えているからね。
確かに、一見すると便利に思えるけれども…..
このIC免許証、ちょっと待って?!という気がする。
例えば、暗証番号を3回間違えてしまうと自動的にロックがかかって
しまうのだが、解除するためには、なんと登録地の警察署か
免許センターへ本人が出向かなきゃならない。暗証番号忘れも同じ。
なんだかメンドウくさくありません?
これ以上覚えるべきIDやパスワードが増えたら、何がなんだか
わかんないよ~。
銀行の口座を開設するとき、多くの人が免許証を提示して本人確認を
取ってもらおうとするでしょう。
行員の人がIT読取機にかけて住所を確認しようとして、暗証番号を
間違えたらいきなりロックがかかり本人確認はストップ。
銀行にも警察署にも一回ずつ余計に足を運ばなきゃならなくなる。
レンタルDVD店で会員カードを作るのも気軽にはできなくなる、ってこと
だなあ。
おまけにこのIC運転免許証、SUICAとかICOCA、TASPOのようなICカードと
並べて同じ財布に保管しておくと、ICチップにエラーが発生して読取が
できなくなってしまうらしい。駅の自動改札でひっかかったりするってことか。
安全性を考えれば、ICで管理される社会って必要なのだろう。
でも、「融通」が利かないから、人間が機械に振り回されるだけ
のような気もする。
またひとつ、世の中がキュウクツになってやしませんか?