29日(月)には、「Ideas That Work – Innovation and HIV(効果的なアイディア-イノベーションとHIV)」という、なんだか眩しいタイトルがついたセッションで口頭発表を行いました。「Creating a Better Work Environment for Everyone – An Approach of "We're Already Living Together with HIV/AIDS"(すべての人にとってより働きやすい環境づくり-「Living Together」の取り組み)」と題した、ぷれいす東京がHIV陽性者の就労支援の一環として、東京障害者職業センターと協働して行っている企業向け研修事業についてまとめた発表です。出血時の標準予防策やプライバシーが守られる環境があれば、HIV陽性者とともに働く上で特別な配慮は必要ないことなど、研修内で効果が見られたいくつかのアプローチを紹介し、陽性者にとって働きやすい職場は誰にとっても働きやすい職場へつながる、ということなどをプレゼンしました。
Korean Alliances to Defeat AIDSは1993年に設立された、韓国国内に11もの支部を持つNGOです。HIV陽性者の支援や予防啓発事業などを行っていますが、2008年に李政権になって以来、助成金が減額されるなどして、資金集めが大きな課題となっているとのこと。テグ支部は、雑居ビルの一角に小さなオフィスを構えていました。
28日(金)にもHIV陽性者参加支援スカラシップ委員会のポスター発表の続編「The Effects of Participating in the HIV/AIDS Conference by Scholarship on the QOL and Social Participation of PLHIV(HIV陽性者のための学術集会参加支援プログラムへのニーズと効果)」を行いました。前日の発表時に比べるとポスター展示会場への人通りもやや多く、よりたくさんの参加者とお話しをすることができました。3月の大震災は海外でも大きく報道されていたので、震災の影響を受けて、スカラシップ運営の資金繰りに問題が生じてはいないかと心配してくれる人も。
オープニング・セレモニーの舞台では、主催者側からは要人のあいさつや芸能人のショー・タイム、コミュニティからは韓国で初めてのHIV陽性者の公の場でカミングアウト、韓国政府のHIV/AIDS対策に対するプロテストetc.etc.と、すでに会議のテーマ「Diverse Voices, United Action」の通り多様な声と結束した(?)行動の一端を垣間見た感がありました。
なお、今日はぷれいす東京がはばたき福祉事業団と日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラスと協働で運営しているHIV陽性者参加支援スカラシップ委員会のこれまでの取り組みを紹介する2題のうち1題目のポスター発表「The Needs of PLHIV and Function of NGO-initiated Scholarship for the National HIV/AIDS Conference in Japan(HIV陽性者のための学術集会参加支援プログラムの取り組みと、そのニーズと効果についての考察)」を行いました。実はポスター展示会場は立地が悪く、参加者も少なくやや寂しい雰囲気でしたが、逆に、足を止めてくれた人とはひとりひとりとじっくりお話しをすることができました。とある国で国内学会に設けられているスカラシップに応募したことがあるというHIV陽性者の人からは、このHIV陽性者参加支援スカラシップは学会そのものからは独立して陽性者の立場に近いNGOが運営しているというのが非常にユニークな取り組みだ、との感想も。