スタッフ日記

NEST NEWS LETTER 10月号

さとう

20121004134113

本日「NEST NEWS LETTER 10月号」を発行します。

今回からりきやさん(近々ぷれいす日記のライターで登場予定)と僕が編集の担当を引き継ぎました。この話を頂いた時は、大変そうだな、できるかな…と不安がいっぱいでした。やじまさんの苦労を横目にしていたので、なおさらです。やじまさん今までお疲れさまでした。僕らが引き継ぎ、光を灯し続けたいと思います。

先月から少しずつ準備をしていたのですが、裏側の事情はかなりドタバタでした。やはり編集に関わってみると、限られた紙面の中で、何をどう伝えるかを吟味し、形にして、時には泣く泣くカットなんてこともあり。形になってみるとそのドタバタがあったからこそ、いとおしさ倍増みたいなことが起こる。たぶん初孫ができた時の気分に近いかも…(ま、僕は結婚もしていませんが…)

今回発行に当たり、いくしまさんとはらださんに相談。りきやさんと検討して、変更したことが3つあります。1)発行日をできる限り固定する(毎月第1木曜日予定)。2)各プログラムへの参加対象者をわかりやすく表記する。⇒【要予約】●のような表記にしました。●が陽性者、◆がパートナー、■が家族という分類です。3)編集している人となりが少し見えるようにする。

今日紙版を発送します。 PC版、携帯版も順次お手元に届くと思います。楽しみにして頂けると嬉しいです。

間抜けな流血事件

さとう

こんにちは。「いくしま」とは別人の「いく」です。

僕は、かさぶたを剥がすのが大好きなのですが、今日、後頭部にかさぶたがあって、ついつい剥がしてしまいました。すると血が…。慌てて、みんなにばれないように、こっそりとティッシュで患部を押さえたのです。2〜3分経って、ようやく血が止まった気がしてました。次の瞬間頭を触ったら大量の血が…。またティッシュで押さえること5分ぐらい。どうやら止まった様子でほっとしていて。

念のため、もう一度ティッシュを当てたら、またもや大量の血が…。仕方なくボランティアさんに見てもらったら、「全然違うところを押さえてますよ」とのこと。それじゃ、いくら押さえても止まらないわけですね。間抜けですねぇ。

で、今は大きな傷があるように見えるそうですが、今日はもう触らないことにします。

「いく」と「いくしま」は別の人。

生島

明日から、いよいよ合同研修が始まります。

今回は本当に沢山に方にお申し込みいただき、うれしく思います。

明日から、よろしくお願いします。

 

さて、時々、「いく」さんが書いた内容を「いくしま」(生島)が

書いたと勘違いしている人に、たまーにお会いします。

僕らスタッフが短い文章を書く、ぷれいす東京ニュースレター、

ネストNEWSの編集後記を丁寧に読んでいてくださる人がいて、

その書いた内容について直接お会いした時にコメントをくださる

のだが、時に、なんだがつつじつまがあわない。

 

お互いに「え?」という感じになる。

 

もしかして、このぷれいす日記の「いく」が「いくしま」だと

おもっていませんか?と確認すると、

ああ、別の方なんですね〜と納得していただく。

 

私たち、スタッフもこうした声に支えられているので、

今後とも、何か思いついたことがあれば、

どうぞお気軽にお声かけください。

久しぶりです。

さとう

ふと「ぷれいす日記」を見てみたら、8月誰も更新していない(汗)その間に夏休みも通り過ぎてしまいました。まだまだ暑い日が続いていますので、熱中症など体調管理にはお気をつけ下さい。

この夏も、来所した方々から、夏らしいお土産を色々頂いて、嬉しく思います。ありがとうございました。そしてご馳走さまでした。ところで9月に入ると、いよいよ合同研修が始まります。また慌ただしい毎日が待っている。それも楽しいのですが…。

あずさ2号

さとう

明日から、ほぼ1週間でかけてきます。どういうわけか、電車で旅をしようと思うと、僕の頭の中には狩人の「あずさ2号」が流れて来ます。若い方々は、わからないでしょうが、クスッとしたそこのあなた、もしや僕と同年代ですか?

今回、久しぶりに平泉に足を踏み入れます。先ほど、どれくらい経っているか考えてみたら、37年ぶり。その数字を見て、少しぎょっとしてしまいました。僕の高校の修学旅行以来なのです。昨年世界遺産に登録されて、随分と賑わっているとか…。そして仙台では8/5シンポジウム「東日本大震災とHIV陽性者」に出ます。

Hello from DC, Part 6

おーつき

UMD1推定では、アメリカの大学生のおよそ500人に1人がHIV陽性であると言われています。

メリーランド大学で働いている友人から、アメリカの典型的な(※本人談)大学でHIV/AIDSやLGBTがどう扱われているか教えてあげるから見においでよーと言われ、会議場から電車で20分ほどのところにある大学のキャンパスにお邪魔してきました。

メリーランド大学カレッジパーク校は、学生37,000人、教職員4,000人ほどを抱える州立の総合大学。一般的に私立大学の方がレベルが高いと言われるアメリカで、公立大学でありながらさまざまな大学ランキングの上位に入る名門校です。 キャンパス内で学生(や教職員)がHIV/AIDSに関するサービスを受けられる場所としてはまずヘルス・センターとそれに併設されるクリニックがありますが、他のさまざまな学生向けサービスもHIV/AIDS、そしてLGBTフレンドリーな配慮がなされているとのことです。

例)

  • ヘルス・センターでは毎年入学式の頃に無料HIV検査を実施。常設のHIV検査も安価で、学外の人たちも利用できる。
  • 学務課には、LGBTの学生の対応を専門とするスタッフがいる。
  • カウンセリング・センターにはLGBT対応のカウンセラーがいて、毎日LGBTの学生およびLGBTを親に持つ学生向けの相談受付時間が設定されている。
  • キャリア・センターではLGBTフレンドリーな企業のリストを作成し、LGBT向け就職フェアを主催。特別なニーズを持つ学生には、本人に代わって企業に連絡するなどさまざまな就職支援を行う。
  • 8名のスタッフを擁するLGBTセンターがキャンパス内にある。カミングアウトしているLGBTの教職員リスト(しかも長〜いリスト)を作成しネットワーク化したり、学内にたくさん存在するLGBTの学生サークルをコーディネートしたりするのも業務のひとつ。LGBT卒業式などのイベントや、キャンパス内外へ向けたLGBT問題に関わる研修も開催。
  • LGBTスタディーズが学部生の副専攻として選べるほか、LGBTスタディーズ概論は一般教養科目のひとつに設定されている。
  • LGBTの学生向けに数種類の奨学金が用意されている。etc.

日本の大学とはだいぶ様相が異なるのではないかと思いますが、印象的だったのは、HIV陽性者の相談を受けているヘルス・センターの看護師のお話。HIV陽性とわかった学生の多くは、これまで一部の開発途上国の問題だという感覚だったHIV/AIDSがまさか自分の身に起こるとは思わなかった、などとショックを受けるといいます。日本よりHIV陽性者数が多く、またHIV/AIDSに関わるメッセージがだいぶ目に見える環境にある人たちでも、本人が意識をしなければやはりHIV/AIDSは他人事となるのかもしれません。

UMD2

ヘルス・センター

 

UMD3

LGBTセンター

報告ありがとう。

さとう

おーつきさん、ワシントンから生レポートありがとう。日本でのLGBTやHIVの環境は、まだまだだなぁなんて感じました。そう考えてみると、山ほどすることがありますね。日本では国際エイズ会議の話題は、残念ながら殆ど報じられてません。こうして身近に感じられるのもレポートのお陰です。頑張り過ぎて、寝不足にならないようにお願いします。

東京は暑さが戻って来て、一転酷暑になっています。ロンドンではオリンピックが始まりますね、僕は昨夜女子サッカーを応援して、少し寝不足気味です。また熱い報告をお待ちしています。

ところでぷれいす東京の(青い)パンフレットが新しくなる予定です。みなさまにお届けできるのは、8月頃になりますでしょうか。楽しみにお待ちください。

Hello from DC, Part 5

おーつき

AIDSMemorialQuilt現地では国際エイズ会議の話題がたくさんカバーされているかというとまったくそうではなく、先週来、アメリカのテレビや新聞の報道は、コロラド州で発生した銃乱射事件がずっとトップニュースです。ヒラリー・クリントン国務長官がスピーチをした23日の国際エイズ会議の模様を伝えたCNNニュースのアンカーは、「本来はもっと注目を集めてしかるべきニュースだったのに、残念ですね」と述べていました。

また一方で、ワシントンDCのローカル・ニュースとして、週末の夜にゲイ・カップルが少年たちに襲撃されたという事件も報道されています(ゲイであることから標的になったかどうかは不明)。

 

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QUILT2012

会議場があまりにもエアコンが効き過ぎで凍えそうだったので(?)、会議場を飛び出してナショナル・モールで開催中のキルト展示「Quilt in the Capital 2012 (The Names Project AIDS Memorial Quilt)」で半日スタッフとしてお手伝いをしてきました。
1987年頃、当時AIDS関連で亡くなった人々は社会のスティグマなどから家族に引き取られなかったり、葬儀場から拒否されたりするなどして、きちんと弔われないことも多かったそうです。それに対し、サンフランシスコの活動家らにより、故人への愛情や彼らが生きた人生に敬意を表するひとつの形として、故人のキャラクターを表すさまざまなデコレーションを施した、墓標と同じ大きさのキルトの制作と展示が始められました。このワシントンDCのナショナル・モールは、初めてのキルト展示が行われた場所でもあります。
今回、会場では故人の名前を読み上げるステージ・イベントも同時に行われ、後援のエルトン・ジョンAIDS基金から、エルトン本人も登場しました。
キルト展示のスタッフは、オリエンテーションでイベントの基礎知識(観覧者からよくある質問と答え)とキルトの広げ方、並べ方ととたたみ方(保管用のたたみ方と、セレモニーとして、花の形を模したたたみ方もある)を教わります。会場には実に何百何千ものキルトが一面に並べられますが、特定のキルトを探して展示を見に来る人もいるため、どのキルトがどこに展示されているかすぐ検索できるよう端末が用意されデジタル化されている一方、キルトを見た人が悲しみなどの感情をこらえられなくなることなどもあるので配慮し、必要に応じて話に耳を傾けるようにとの注意も受けました。
 
なお、ナショナル・モール以外にも、国際エイズ会議の会議場や図書館、劇場など、ワシントンDCのいくつかの場所でキルトが数十点ずつ展示されています。

WashingtonMonument

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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この日はまた、Whitman-Walker Healthという施設を訪問しました。HIV陽性者に対し医学・保健(メンタルヘルス、依存治療も含む)を中心に、社会的・法的支援のさまざまなサービスも提供している、ワシントンDCでHIV陽性者の支援といえばここ!と言われるようなところです。1ブロック分あろうかという大きな建物で、職員150人と1,000人以上のボランティアにより運営され、近隣地域からも含め約4,000人のHIV陽性者が受診・利用しているそうです。
なお、ワシントンDCで生活するHIV陽性者は14,500人ほどと言われています。アメリカは各州・特別区によって法制度が異なりますが、ワシントンDCでは、HIV検査で陽性になった受検者を医療機関に受診させることが検査者側に義務づけられているそうです。匿名検査も実施されてはいるようですが、身元がわからない人たちを医療機関は受け入れないので、受診につなげられないことから、プライバシー面など批判がありながらも実名での検査が推奨されています。また、日本のような国民皆保険や身体障害者認定はないので、任意保険や自己負担で医療費を捻出できる人はいいですが、ある程度の収入があって公的保険(高齢者向けと低所得者向けがある)の対象にならない人や、公的保険加入者でも州によっては医療費がカバーされない例(その州でHIV陽性者何名の医療費を負担できるかという予算などの都合で、医療費補助対象の基準(CD4数・ウィルス量など)が変わるので、治療が受けられるようになるまで待機リストに入る)もあるなど、一旦医療につながったとしてもHIV陽性者の通院や服薬アドヒアランスを阻む大きな壁があります。プライバシー面の不安と、陽性になったらなったで医療アクセスの不透明さなどから、自発的なHIV検査受検へのモチベーションは低いと言われています。

先日訪問したH.I.P.S.ではHIV検査の動機づけに受検者にギフトカードを配ることがあるそうですが、Whitman-Walker Healthでは定期的に外来受診をしたHIV陽性者にギフトカードを配るプログラムがあるのだそう。謝礼をしてでも定期的に通院・服薬をしてもらう方が、耐性ウィルス出現やAIDS発症といった健康上のリスクの予防ができるので、(患者の健康上のメリットだけでなく)長い目で見れば医療費の低減につながるからとのことでした。Whitman-Walker

Hello from DC, Part 4

おーつき

NoAIDS2012アメリカでは、ネバダ州を除くすべての州およびワシントンDCで売春は違法とされ、薬物使用者とならびセックスワーカーが入国できず国際エイズ会議への参加が阻まれたことが議論を呼んでいます。

 

 

 

HIPSInsideHIPSOutsideワシントンDCで、セックスワーカーの支援を行っている団体H.I.P.S.Helping Individual Prostitutes Survive)を訪ねました。9名ほどのスタッフで、セックスワーカー(性自認やセクシュアリティ問わず)の健康を守ることを第一に、路上でのアウトリーチと、団体事務所でのケアやフリー・スペース提供、アドボカシーなどを行っています。

セイファー・セックスの情報や、HIVを含む性行為感染症や望まない妊娠を防ぐためのコンドームはもちろんのこと、薬物使用のハーム・リダクションとして注射器やパイプも必要に応じて提供しているとのことです。また、セックスワーカーが客から暴行されるなど危険な目に遭うケースも多いため、そういう客の情報をセックスワーカーから集めて「ブラックリスト」を作成し、注意を喚起していました。

スペースはセックスワーカー当事者でなくても利用できるため、真夏や真冬の天候の厳しい時期には家のない人々を受け入れたり、他に行く場所のない人の「最後の拠り所」として使ってもらっているとのことです。そういったスタンスにより地域に溶け込み、またセックスワーカーからの信頼も高いため、通報されるのではないかという心配をせずにサービスを利用できる場所としてとてもうまく機能しているように見えました。

Hello from DC, Part 3

おーつき

 

オープニング・セッションというわけで、第19回国際エイズ会議は、22日に開幕しました。掲げられたスローガンは「Turning  the Tide Together(ともに潮流を変えていこう)」です。

ちょうど今年は4年に1度の大統領選挙の年で、アメリカでは政治を取りまく雰囲気や注目度が大きく違います。HIV/AIDS関係でも、先日オバマ大統領が、大統領レベルでは初めての国家戦略を発表したことが話題になりました。テレビを見ていても候補者や政党のキャンペーンCMが目につき、わたしも宿泊先から会議場へ向かう途中に通る住宅街で、票集めの活動をしている人たちに「あなたはここの地区の有権者?」と何度か声をかけられました。
 

DesmondTutuオープニング・セッションがあった日の昼間、ワシントン・モニュメントで「Keep the Promise on AIDS」と題された、HIV/AIDSの活動家らが、政治などの指導者に対しHIV/AIDS対策へのコミットメントを求めるともに自らのさらなるコミットメントを表明する集会と行進がありました。この場所は1963年に人種差別撤廃を求める公民権運動のワシントン大行進(マーティン・ルーサー・キングJr.牧師の演説「私には夢がある~」で知られる)が行われた場所でであり、イベントの資材にはキング牧師がフィーチャーされていて、イベント中に公民権運動の賛歌「We Shall Overcome」を参加者全員で歌ったり、南アフリカのアパルトヘイト政策撤廃運動の指導者だったデズモンド・ツツ元大司教が登場したりするなどし、とても盛り上がりました。